双月の龍姫
今回は少し短めになります。まだ若干説明パートですm(__)m
明日香はここに来て、初めての夜に驚いていた。
「え!?月が2つあるよ!」
頭上では、2つの月が重なるようにして輝いていた。
二人は森を抜け、広い平原地帯まで戻った。
「ここで何かするの?」
そう聞かれたアリシアは、魔法で収納しておいた拳大の大きさの紫色の宝石を取り出した。
「これを使うためにここに来たのよ」
その宝石を見ると、微弱な魔力を放っていた。
「その宝石を使うの?」
「ええ、これは通信用の魔晶石よ。これを使えば他次元空間の人とも連絡をとることができるの」
そう言って、アリシアは魔晶石に魔力を送ると、魔晶石が光を放ち空にマルモと梓の姿が写し出された。
「本当だ!!お姉ちゃん聞こえる~?」
嬉しそうな明日香の声につられて梓も嬉しそうだった。
『聞こえるわよ、明日香。それにしても、この魔晶石…普通の石とはやっぱり違うのね、固さとか全然違う…』
アリシアは連絡が通じているのを確認して、真剣な表情で。
「今回、マルモ達に連絡をとったのは明日香達に本当のことを教えるためよ」
「本当のこと……?」
意味がわからず思わず、明日香が聞き返す。
アリシアはこんな話を滅多にする事が無いからこそ、二人もその真実を聞こうとする。
「まずは、貴女達を狙っている、というか貴方達を必要としているギルドがあるの。その話から始めるわね」
「えっと、ギルドってゲームとかにある色んな人たちが集まってる場所で合ってる?」
明日香が不安そうにアリシアに聞いてみると。その通りよ。という答えがかえってきたので、認識が間違っていないことを確かめ、次に進む。
「貴方達を狙っているのは、複数の異世界でも最強と言われている闇のギルド『漆黒の死神』よ」
「ねえ、そもそも何で私達が狙われているの?」
『その話は貴女達の両親の事も関わってくるわよ』
マルモの脅しがかった口調も気にせずに首を振る。元々マルモ達も教える気だったのか、再三聞くこともなくじゃあ、と話を続ける。
『今、この世界は本来は交わらないはずの複数の異世界が一つになって、それが一つ一つ共通の空間を隔てて別の世界に繋がっている。貴女達の母親の翠さんは、それを引き起こした元凶のとある魔神をを封印したの』
二人はいきなり、話の中でこのようになってしまった世界の元凶の話をされて頭に?マークが浮かんでいる。
『そしてその封印を解く鍵が『封印した者の血液』と『神霊龍』と呼ばれる龍の血液なのよ』
話を聞いて、想像がついたのか梓は冷や汗をかきながら。
「もしかして…私達の父親がその神霊龍なの…?」
アリシアは正解と言わんばかりに力強く頷く。明日香はその話を聞いて、ふと疑問に思った。
「でも、龍って大きいのにどうやってその……あ、ああいう事とかするのかな?」
激しい戦いをしていても、やはり年頃の少女だからだろう。そう言う夜の事情には慣れてないらしく、顔を真っ赤にして俯いてしまう。
『それなら、心配しなくてもいいわ。竜種は全員『人化』のスキルを持っているから、そう言う事への心配は要らないわよ。そして神霊龍の血液には、『超再生』と『身体能力の強化』の二つの効果があるの』
そうなんだ~。とマルモの雑学を聞いて。
「つまり、貴女達は人と龍のハーフ、人龍ということになるんですよ」
アリシアが捕捉説明を加えてくれる。人龍という単語を聞いて梓は。
「その人龍って言うのは異世界でも珍しい存在なの?」
「世界によりますけど、竜の存在する世界では人竜が居なくても竜と何かのハーフというのはよく聞くので、多少珍しい位の存在だと思いますよ」
一通り説明し終わったのか、マルモが軽くコホン、と咳払いをして続ける。
『とにかく、貴女達が『漆黒の死神』に囚われてしまうと、その魔神の復活が起こってしまうかもしれないの。だから貴女達には強くなってもらわないといけないの』
私達よりもね。と不敵に笑うマルモに明日香は急いでストップをかける。
「ちょっ、ちょっと待って!マルモ達より強くって、そんなこと出来るの!?」
『その為にこの空間に居るのよ。ここの月は現実世界で一年に相当する時間が経過すると、二つの月が重なるの。この時点で、外では一分の時間が過ぎたことになるわ』
明日香は所謂、精神と○の部屋見たいな感じなんだな~と思って聞いていると。
『貴女達がここでやることは、この空間を支配するランクSSS+の7体の龍、『七天龍』を月が60回重なるまでに倒すことよ』
聞いていて、どう考えてもヤバそうな名前が出てきているが、今はランクの方が明日香は気になっていた。
「そのランクSSS+ってどれくらい強いの?」
急ぎ足で話を進めすぎたため、ランクの説明を飛ばしていたマルモをフォローするように、アリシアが説明する。
「まず、ランクはF、E、D、C、B、A、S、S+、SS、SS+、SSS、SSS+の12種類に分類されます。勿論SSS+が一番強くて、Fが一番弱いです。Sランクが大体赤の判子位の強さですね、SSが赤い深海魚、SSSになると黒天丼位の強さになりますね」
コン○イの音ゲーマーにしか分からないような強さ表現だが、二人とも分かったようで頷いていた。
「因みに、明日香さんが倒したシェルバオーガはリーダーも居たのでSS相当の強さの敵になりますよ」
アリシアの言葉に梓が反応して。
『あ、明日香そんな敵と戦っていたの!?っていうか、怖く無かったの?』
心配そうな声をよそに、明日香はえ~?と可愛らしい声で。
「怖いわけないじゃん!……むしろ、魔物を殺すのがこんなに愉しいなんて思わなかったな~♪」
その、いつもとは全く違う恐ろしい言葉に梓が聞き返す。
『た、愉しい……?まあ、私は明日香が無事なら構わないけど…無茶はしないでね?私と約束して』
明日香が危険な行為に走らないように、念のため約束をする。明日香は梓との約束は必ず守っているからだ。
仕方ないといった表情で頷く。
「わ、分かったよ…約束通り無茶は絶対にしない」
なら、いいわ。と梓が安心してため息をつく。
「お姉ちゃんも頑張ってね♪」
明日香の笑顔を見て、梓は上機嫌にまっかせなさい!と親指をたてて言う。
『ふぁぁ……今日の所はこれでいいかしら?』
マルモが欠伸をしながら聞いてくるので、梓も仕方ないと思い。
『じゃあ、また今度ね明日香』
「うん!また今度、約束だよ!」
明日香の元気な声と共に、魔晶石の光が途切れ映像が消える。
「さ、明日香さん。明日からも早いんですから早く寝ますよ」
アリシアはそう言っているが、勿論ここは平原なので見渡す限り何もない。寝るって何処で…?と考えていると。
「あ、勿論野宿ですからね♪」
予想はしていたが考えたくない答えに、え~~~~~!!?と叫ぶしかなかった。
今回のネタの元は活動報告の方へ書いておきました。
因みに作者は黒天丼の譜面を見てこんなのやる人間がいるんだね~とか思ってましたww
作者は赤い深海魚位ならクリアできる実力位はあったりします




