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贄はエルフの付き人に  作者: Fleur
贄はエルフの付き人に
21/27

小話*3(多分甘い。香りが)

何故なのか分析してみた


◆◇◆◇◆◇



長老「“花喰い”に(おう)たと言っておったな」


レイン「………魔法が使えなくてけっこう危なかったんだッ…ですけど?」(途中で兄の拳による教育的指導により、言葉づかい変更)


ルールル「おかしいな……普通“花喰い”は春期以外深い眠りについていて余程のことがない限り起きないんだけどね……

“花喰い”の部分だけ文献から抜けてたんですよね?師匠も大丈夫な時期だと思ったからこそ、レインの魔法を封じたんでしょう?」


長老「…そうさな。レインだけならともかく人間であるイリスもいる状態で、“花喰い”に遭遇するなら封じなかったじゃろう」


レイン「…俺だけならいいんですか…」


長老「その程度で参る鍛え方はしておらん」


レイン「いや今回イリスに助けられましたけど」


ルールル「そうなのか?」


レイン「イリス特製の痺れ薬を投げつけてさっさと逃亡を図りました」


長老「ふむ。良い考えじゃな。“花喰い”は外の甲殻は硬い分、内部の防御は低い」


レイン「いや納得してないで」


長老「そも、“花喰い”は芳しい花の香りにしか反応すまい。まさかヤツの眠りを呼び覚ますほどの香とはの」


レイン「(無視かよ)」


ルールル「エリスの花の香の強さで覚悟の強さが分かるというね」


レイン「そうなんですか?」


長老「うむ。たしか他にも……そうじゃ。のぅ、レイン」(にや)


レイン「(な、なんか嫌な予感が)あ?なんデスか?」


長老「お主、あの香りに酔わなんだか?」


レイン「え。なんで」


長老「ほれ、答えてみぃ」


レイン「い、嫌だ」


ルールル「なんで嫌なんだい?」


レイン「兄上だって師匠の今の顔見れば分かるだろ!」


ルールル「あはは。分かってて聞いてるんだよ」(爽やかスマイル)


レイン「……(ここに俺の味方は居ない。だから嫌なんだよ。このタッグ…)……じゃ、俺はもう眠いので寝ます。昨日から歩き詰めだったので」



レインはさっさと退出した。



取り残された年長組はまたゆっくりと会話へ戻る。


ルールル「…それで?結局のところ、酔うとどうなんですか?」


長老「大したことではないのだがの。酔いがヒドければヒドいほど、そのエリスの花を持つ者に惹かれている証しと言われておる」


ルールル「ほー。それはそれは……レインはどうだったのか知っておきたいところですね」


長老「まぁあの反応でだいたいのところは把握できたがのぅ」


ルールル「あまり苛めないでやってくださいよ」


長老「ほっほっほっ。お主が言うか?」


ルールル「イヤだなぁ。私のは兄としての可愛がりですよ」


長老「そうじゃな。わしも師匠として、本格的な精神修養を申し付ける時が来たようじゃな」


当主と長老は顔を見合せて、同時に黒い笑みを浮かべた。


ルールル「あはははは」


長老「ほっほっほっほっ」



こうして、端から聞けば朗らかで愉快そうなだけの笑い声が、辺りに響き渡ったという。





◆◇◆◇◆◇


………うん。甘いとか言いながら、ブラックな笑顔で終わるというね。

我ながらヘタレすぎると思います。


『影を踏むもの』として続きのお話が一応形になりました。

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