表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミスキャスト  作者: 高橋多平
2/6

4


膝を抱えて部屋の隅に座っていた。


「無事で良かった」ランダルが両手を広げた。「心配したんですよ、本当に間に合うのだろうかと。だけど良かった。ご無事なようで。後は我らにお任せ下さい。必ずや守り抜いてみせます」


それで少女がはっきりと動揺した。指先をもぞもぞと動かしてぷいと横を向いてしまったのだ。駄々とも虚勢ともとれる。防衛本能の発露が拒絶という形で現れたに違いなかった。


髪の色が老人のそれのように真っ白だった。くしゃくしゃの癖っ毛なのもあって羊を連想させる。その通り草食動物的とでもいうのか、警戒心がかなり強くちらちらとこちらを窺っては刺激させないように努めていた。これでまだ十一か十二という年齢なのだ。虐待をうけた子供みたいになっている。着ているものも質素で飾り気がないチュニック。何で引っかけたのか肩口に切れ目がはいって肌が見えていた。


外見は話に聞いていた通りだ。癖っ毛の白髪、ばかに黒目が大きく、白く長いまつげ、形の良い鼻と小さな口。しかし活発な少女らしいが見る影もなかった。一瞬いやな考えが頭に浮かんだ。事後を想像したのだ。時折ランダルを見つめる瞳に浮かんだ色が、退廃であり倦怠であり恐怖だったのだ。しかし男を恐れているのではなかった。風が木窓を叩きガタガタを音をふるわせる度にリズベルは怯えていた。自分の殻に閉じこもりつっつくものすべてに敵意を抱いている。


唇が青くなっていたのに気づいた。暖を取る物がないのだ。俺は外套を脱いでリズベルの前に投げて落とした。

彼女はしらばく無言のまま外套を見つめていた。理解していないのだ。あるいは理解が正しいのかどうか悩んでいる。おずおずと、緩慢とした動作で手を伸ばしてきた。間違いであったならすぐに手を引っ込めようとしているのだ。こちらが指摘するのを待っているところがある。だが何も言わないと分かると、リズベルは突然俊敏になって、まるで餌を奪いとるみたいにして外套を取った。彼女が袖を通すまで俺はずっと黙っていた。意図的にあらぬ方向に目をやっている。それから彼女の足に視線を合わした。瞳を合わせると怖がらせてしまうと思ったのだ。

素足のままだ。この寒さで赤くなっていた。俺が見ていることに気づいたのか、彼女は恥ずかしそうに足を両手で包んで隠してしまった。自分の恥部をさらけ出してしまったみたいに赤面している。そろそろ良いかもしれない。俺は横で呆然としたままのランダルに肘をあてて催促した。


「リズベル様・・・・・・ですよね」


半ば確信しているにしても疑いが生まれる余地があったのは確かだ。活発とはほど遠く、だが追われているという状況が彼女に警戒心という名の本能を蘇らせたのなら、その過程として小さな体に疑惑視と俗世間のしがらみを宿らせたに他ならない。幸か不幸か、少なくとも他人の目として、または彼女を護衛する一人としては悪くない結果だと思えた。天真爛漫といのはしゃくに障るのだ。何があったのかは知らないが、命の危険もあるのだと理解してくれたのなら都合が良いというものだ。もっとも本当に命に危険があったというのならこれほど不都合はない。


ランダルの肩がそうとわかるほど震えていたのだ。予期せぬことがあったに違いない。察しはつく。つまり彼は出し抜かれたのである。おそらくリズベルに何かしら身を守るための手段を持たせていたのだろう。それが道具であったのか俺たち以外の護衛であったのか、あるいは魔法とやらであったのかは明確ではない。しかしリズベルの様子と、それを目のあたりにしたランダルの動揺から、かなりの確率で俺の予想は当たっているはずだ。


考え込んでいても仕方のないことだった。


「聞けよ」俺はリズベルから視線を外さずに言った。「何があったのか聞け。それによって今後の方針が変わるだろ」


耳慣れぬ異国語を聞いたせいかリズベルがそっとこちらを見つめてきた。怯えと、それに勝る諦念。子供にさせていい表情ではなかった。ランダルも同意見だったのだろう、彼は俺を睨みつけてきた。


「早く聞け。場合によっちゃここもまずいだろうよ。このガキが死んでも俺を元に戻してくれるのなら構わないがな」


「黙ってくれクマ殿」


「分かりゃしないよ。何だったらこいつに言語変換の魔法をかけてくれ。そうしたら俺の言葉も通じるし、こいつが何言ってるかも分かるんだろう。安心しろよ、精々下手にでてやるさ」


「良いから黙れ!」


声の大きさにリズベルがびくっと震えた。ランダルの言葉なら彼女にも通じるのだ。自分に言われたと勘違いしたのかもしれない。事実息を潜めたのだった。


俺はこれ見よがしに肩をすくめてため息を吐いた。それから木窓に寄って暗闇を眺めた。人の気配はない。しかし今の俺は、俺自身の感覚に百パーセントの信頼をおいてやることができなかった。まだこの体との溝が埋まりきっていないのを認めている。足を一歩踏み出すにも、思考から動作というプロセスを逐一はっきりさせなければならなかった。なんとなくで踏み出せないのだ。いや、やってやれなくもないのだが、オートマチックに体を動かすと、男だったときの歩幅に引っ張られてぎくしゃくとしてしまうのだ。片目がきかなくなって距離感が掴めないのも関係している。こいつのせいでただでさせ激しい落差がより深刻になっていた。


「だいたいさっきの爺さんは何者なんだ? たんにこの家の住人ってだけじゃないんだろう」


ランダルの口が開きかけ、親指で背後の扉を指した。


俺が出て、彼が出た。ランダルは後ろ手でドアを閉めると、俺が声をかける隙を与えないようにして早足でテーブルのあった部屋に戻ろうとした。


「待てよ!」


「ついてこい。いやそこで待っていても構わない。ただしリズベル様の部屋には入らないでくれ。彼女を刺激したくない」


「どういうことだ。何があった。何を知っている」

「わからん!」


叫ぶように言った。声に行き詰まりを予感してしまったがための絶望がある。そのまま俺の制止を振りほどいて足を進めた。


「ナガサ殿、イチジク殿はどちらに!?」


隈の男が椅子に座っているのを見てランダルが声を張り上げた。


「え、あの、リズベル様はなんと・・・・・・?」


にわかに動揺した。彼等がではない。俺が不意を突かれたのだ。


俺が混乱しているのにランダルは気づいていなかった。こいつではない。だがナガサというこの男とも違うようだ。そうなると一人しか居なかった。いや早計だ。イチジク? 人名には違いない。これか。


「リザベル様の口からは何も聞いていない。だから貴殿に問うているのだ」


「その、イチジクさんは、森のほうに」


「森?」


「明朝、ここにリザベル様と一緒に到着したときはまだ・・・・・・。ですが傷が酷くて、その」


ランダルがナガサを凝視して立ちすくんだ。驚愕が顔に張り付いて微動だにしない。だが必ずしも慄然しているのではなかった。意識の許容量をはるかに上回った空白に捕らわれている。


「護衛の一人か」俺が言った。「死んだのか」


ナガサが初めて俺を見てきた。「ええ、はい」口をもごもごさせて肯定した。本当に言いたいことが別にあるのだ。だがそれはお互い様だろう。俺だってこの男を信用していないし、誰だこいつは、と思っているのだ。


「どっちに殺されたんだ」


「え?」


「だから、人に殺されたのか? それとも魔族に殺されたのか?」


「人? 人間が彼女を殺したというのですか」


「聞いているのは俺だ」


「・・・・・・魔族ですよ。そうに決まっているでしょう。でなければ何だと言うのですか」


ナガサが不機嫌になって答えてきた。しかし俺のほうだって負けじと不機嫌なのだ。現段階での敵が人であるか魔であるか定かではないのだ。


「すぐにでも出発したほうが良さそうだな。おいランダル、おまえ最初に、旅を続けなければならないとそう言ったよな。定住するつもりがないってことだろう? なら当然次のアテその次のアテあっての発言だろうな?」


言うだけ言って通路に体を向けた。


「どこへ行く?」


「寝ぼけているのか。リザベル様にご同行願うのさ。ちくしょう、少しは休めるかと思ったのに、・・・・・・だから後手に回る仕事は嫌なんだよ」


大股になって通路に入った。それでやっと俺の異変をランダルが覚ったのだった。今度は俺が引き止めようとする手を振り払った。


「クマ殿・・・・・・言葉が?」


呼びかけを無視した。無視して言った。「何が考えられるよ」


「まさかリザベル様が?」


「イチジクとやらが関与している可能性はないのか」


「え、彼女は死んだと」


「別に俺が死体を見たわけじゃねえ」


「それはそうだが・・・・・・」


「まあいいさ、すぐに分かる。次は聞けよとは言わない。俺が質問する」


ノックをなしにしてドアを開いた。瞬間的に彼女の顔に目をやった。対面している。しかし視界には彼女の喉から下が映らなかった。目を細めて、それが見当違いであることを認めた。この暗さに瞳孔の絞りが上手くいっていないと思ったのだ。はっとしたときには遅かった。俺はさして理由もなく室内から手を差しのばし、彼女は外で凜として手を宙にかかげたのだった。そこに強靭な意思を直感した。


淡い光が瞬き、彼女の手のひらに収縮していった。音もなく、衝撃もなかった。あるのが彼女の瞳に昇った恐怖。わずかな星光に反射して眼球がきらめている。涙の痕に違いなかった。それがすっと消えた。背中を向けたのだ。呼び止める間もなく走り去った。


諦めはしなかった。俺も彼女が駆けた瞬間には走り出していた。窓枠に足をかけようとしてつるっと滑った。こんなときに肉体と精神に乖離が生じたのだ。苛立ちを隠せずに、乱暴な手つきになって枠を掴もうとしたが、それすらもできなかった。それでやっと現象を認めた。まさか。馬鹿な。見えない壁のようなものが出来ている。


「どけ!」


ランダルが強引に俺の肩を掴んで押しのけてきた。


彼女がやったように手をかざして集中を始めた。


「どういうことだ!」


俺は責め立てるようにランダルに詰め寄った。


「魔法を使われたのだ! くそ、俺では解除できん」


地面を踏みつけてランダルが怒鳴った直後、窓から出るのを諦めた俺は玄関に走った。


室内の明かりがさほど強くないのは幸いだった。もう闇に目が慣れている。


家の裏に回り、ひときわ輝く星を目印にして直進した。三十ないし四十メートルで木々の密度が強くなってきた。通り抜けるのを阻止するように隣接して木が生えている。それにともなって高さがでてきた。採伐されていないのだ。手つかずのままになった自然が星を隠そうとしている。勘を頼りにするも、すぐにおぼつかない感覚が吹き出てきた。夜の森を危険を冒してまで猛進する意義を考えあぐねているのだった。


足を止めて耳をすました。ガサガサと葉の揺れる音。樹木が打ちのめされて軋んでいる。風が暴力性を身ごもって当たり散らしているのだ。虫の鳴き声を一度も耳にしなかった。頭上で低く響き渡る警戒音は鳥の声だ。見上げるとフクロウのようにでっぷりとした体躯の鳥がこちらを見つめていた。死にかけた老人のそれのように、ひゅうひゅうと喉をかすらせて鳴いているのだった。にわかにたじろいた。闖入者は俺のほうだったのだ。


背後からも物音が迫ってきた。これをランダルの足音だと認めたとき、残っていた力みのようなものが消え失せた。安堵でも落胆でもない。リズベルを探し当てるのが困難だと受け入れただけのこと。


「居たか!?」


承知して聞いたのだろう、彼は辺りを見回してリズベルの姿がないのを確認すると、枝に止まった鳥を睨みつけた。まさか八つ当たりではあるまいが、怒りの矛先を探しているのは間違いなかった。


「どう思う?」


「知るか!」大声をあげた後、自分の声に驚いたみたいにランダルが面食らった。表情を両手で隠すも、荒い呼吸が漏れ聞こえていた。「すまない、動揺している」


「リズベルと顔を合わせのはこれが初めてか」


「ああ、そうだ」


「敵と思われたかな」


「まさか。しかし」


「イチジクといったか。そいつとも会ったことはないのか」


「そうだ。話だけは聞いている。信頼できる女だと」


「ナガサとは何者だ?」


「彼は・・・・・・俺の知り合いの父君だ」言い淀んだ。嘘でないにしてもこれ以上の真実を語るつもりはないようだ。この辺りが潮時かもしれない。


「この暗さだ。俺たちだけじゃ限界がある。村人に応援を頼むしかないな」


「それは駄目だ」


「二次災害を心配しているのか? だったら金を握らせて依頼という形にすれば良い。自己責任にして、発見者には格別の報酬を約束すればやってくれる奴も何人か集まるだろう」


「そういうことではない。おそらくリズベル様は暴走しておられるのだ」


俺は前掛けのポケットから煙草を取り出して、ランダルに火を点けさせた。一拍置いたのだ。俺にも、そして彼にも必要な動作だった。


「暴走? 恐慌ではなく?」


「そうだ。先ほどからおれは自身に言語変換の魔法をかけていない。にも関わらず会話が成立している。これはリザベル様がやったと考えるのが自然だ」


「そっちの常識で勝手に納得しないでくれよ。俺には不自然としか映らない。まさか暴走すると言語変換の魔法が自動的に発動されるってわけでもないんだろ」


「その者によって個人差はあるのだが、多くの場合は自動的に発動されるのだよ。しかし言語変換がということではない。手近にあった魔法にリザベル様の魔力が流れてしまったのだ。今回で言うと俺が使っていた魔法にリザベル様の巨大な魔力が入り込み、俺はもとよりクマ殿にも効果が及んだのだと考えられる」


それほど自信があるような声には聞こえなかった。自分の考えを疑っているのだ。


「いずれ沈着するんだろう」煙をはき出して言った。「冷静さを取り戻せば、効果は消えると考えて良いのか」


「いつかは消えるだろう。そのいつかというのはリズベル様の魔力量に寄る。暴走状態を回復させるのは簡単だ。ただ放っておけばいい。そうすればおのずと魔力が空っぽになるのだから。確かに貴殿の魔法解除は強力だが、俺が思っていたよりリズベル様の魔力は優れていた。見通しが甘かったのだ。これほどの魔力の発露、それもおそらく広範囲に渡ってだ、気づく者は気づくぞ」


それでやっと俺も分かった。ランダルは自分の考えを疑っていたのではなく、嫌悪していたのだ。


「犬っころがそこらに小便ぶちかましたってことか」


ランダルがかっと目を見開いた。「貴殿は事の重大さを分かっているのか!」


「自分の理解力が恨めしい程度にはな。で、最初の質問に答えていないぜ。村人を使わない理由はなんだ。まさかその中にリザベルを狙っている敵が居るとでも」


「そうではない。危惧しているのは、村人が、そう例えば火の魔法を使って探索しないとも限らないからだ。我々の会話が続いているということは、依然リザベル様が暴走状態なのだと意味する。であるのならば、手当たり次第に魔法に魔力を流し込む可能性があるのだ」


「なるほど、山火事にでもなったら目も当てられないな」


「村人に魔法を使わずにと約束させるのは簡単だ。ただ保証がないだけで」


「この村に信頼できる者は居ないのか」


ランダルが静かに首を振った。


「お手上げだな」


煙草の残りがあと七本。産業革命以降に紙煙草の大量生産が始まったことを考えると、そろそろ趣味をあらためなければならなかった。


「人手もなくこの暗さじゃ探すのは無理だな。日が昇るのを待って探索すべきだろう」


「いや、このまま夜通し探す」


「おいおい・・・・・・本気かよ?」


心から呆れて言った。


「獣が居るかもしれない。あのような幼子を見捨てて寝ていられるか!」


深夜の捜索にさほど意味があるとは思えなかった。とはいえ今はランダルが雇い主だ。給金の範囲内での命令は聞いてやる義務がある。


「松明が必要だな」俺が言った。


それで一度ナガサの住まいに戻ることにした。鞄を渡されて中に必要になると思われる道具を詰め込んでいった。包帯、常備薬、呼子、太めのロープ、携帯食が個々の鞄に入っている。それから特別だと火打ち道具とアルコール度数の高い酒をナガサが持ってきた。ランダルと別れて探すことにしたのだ。地図がないので口頭である程度の地理を教えてもらい、俺が北西から、ランダルが北東から攻めることにした。ナガサが待機。反対方向に関しては捨てることにした。リズベルが引き返し、俺たちの裏をかくことも考えられたのだが、ランダルがそれはないと断言した。暴走状態だとまともに思考ができないらしい。出来ることが感情にまかせて突っ走ること。去り際の恐怖に塗りつぶされた瞳から、ほとんど一直線に逃げているはずだというのがランダルの持論だった。反論はない。というよりも反論するだけの材料がないのだ。五分かけて準備と作戦目的の確認。更に一分をつかって腹に飯を詰め込んだ。


「分かっているとは思うが」ランダルがエールで唇を湿らせた。これほどまずい飲み物は他にない。「リズベル様の魔力を嗅ぎ取って魔族が引き寄せられたかもしれない。もし出会ったらすぐに逃げろ。応戦しようとなどと決して思わないことだ」


当たり前だ、とは思う。しかし魔族というものの危険性を俺は分かっていないのだ。悪意を持った災害などと言われてもいまいち想像できないのである。


「どういった姿をしているんだ? 種族としての形態があるのか?」


「個体差がある。しかし見ればわかる」


「わかるかよ。俺が聞いているのは、二本足なのか四本足なのか、見た目として人と犬だったらどっちが近いかといった具体的なことだ」


「それも見ればわかる」


これだ。俺が舌打ちした。


ナガサが奥から外套を持ってきた。あまり大きくない。女物なのだ。


「これを」


手渡してきたのに俺が袖を通した。これがイチジクの私物だったのかを聞くことはなかった。そんなことをしなくても、彼は今更思い出したみたいに表情を暗くして罪悪感を示しているのだった。そもそも鞄からして誰の物か判明しないのだ。中には最初からいくつかの旅道具が入っていて、それもあらかじめ準備していたというよりも、旅の途中のものを引き継がれたという感じだった。まったくどいつもこいつもだ。おそらく今の俺だったら、その魔族ですら可愛く映るのではないか。


「準備は良いか?」


ランダルが聞いてきて俺がうなずいた。「どっちが先に見つけられるか賭けようぜ」


睨んできた。口も開きやしない。ただし表情で語っていた。どちらも見つけることが出来ない可能性を頭に残しているのは俺だけじゃないようだ。


以降、無言のまま別れた。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ