水着回! ミズミズミーズギカイ、あるいはミツミツミーツ4! ~怪、貝、下位、快!~
三つ編み! スク水! 白タグ!
あなたに語るのは、すでに解散したアイドルグループ『ミツミツミーツ』のメンバー七人と元マネージャーが休日、海へ遊びに行った時の話だ。
夏の浜辺に来た七人の三つ編み女子達が、同じく三つ編みの元マネージャーと向き合う。
彼女達八人が紺色のスクール水着を着ており、部活の合宿にやって来た女子集団のようにも見えた。
あなたはきっとこう思うだろう。……普通じゃない。
「水着は各自自由でいいって伝えたけど、やっぱりみんな、スク水で来たんだねー。パイピングも白スクもいないのも、予想通りだー」
そう語るのは、元マネージャーの阿戸木さんだ。彼女だけは細い肩紐や脇周りが白になった、パイピング型スクール水着を着用している。
元アイドル達の露出が少ないスク水は、紺色一色だった。けれども、細部がそれぞれ異なっている。あなたもじっくり見比べたら、判別も可能だろう。特に、一人は白布ゼッケンが平らな胸部にあって、『ツバメ子』と書かれていて分かりやすい。
彼女達の周囲では、個々のスク水がどう違うかを探す人はいなさそうだ。視線の多くは、全員スク水という奇異に対する驚きだった。
「じゃあみんな、今から自由時間にするよ。適当に楽しんでねー」
「「「「「「「はい」」」」」」」
黒髪の元アイドル達の声が重なった。
ショテちゃんとピックちゃんがその場に残り、浜辺にグリーンのレジャーシートを敷き始める。阿戸木さんは姉妹の妹の四五子ちゃんと立ち話をしてから、他の子達が行った海の家のほうへと向かった。
あなたに一応説明すると、阿戸木さんのパイピング型スク水の背面は、下部で繋がるV字ではなく、左右に分かれたU字だった。その上に、一本の茶色い三つ編みが垂れる。
海の家の四人席では、四人のスク水女子がいた。触手ちゃん、明日子ちゃん、ツバメ子ちゃん、摸馬ちゃんだ。
触手ちゃんは三つ編みが二本で、水着は上下に分かれた旧々スク水だった。正面から見て右下に白いメーカーズ・タグがある。
摸馬ちゃんは触手ちゃんと同じく三つ編み二本の旧々スク水ではあるものの、タグがついていない。
ツバメ子ちゃんは短めの三つ編み二本で、正面にお腹の水抜き分割線がある旧スク水だった。タグはついていないものの、彼女だけゼッケンつきになっている。
四人の中では唯一、一本のみの三つ編みを前に出しているのは、姉妹の姉、明日子ちゃんだった。分割線のない新スク水で、タグはなし。
彼女達は涼しい場所で、頼んだ飲み物やかき氷を味わいながら、今期に放送しているアニメの話をしていた。とても盛り上がっていた。
阿戸木さんは様子を見ただけで、邪魔をしないで海の家を後にする。
残りのスク水三人は、グリーンのレジャーシートに並んで座って、やはりアニメの話をしていた。こちらも、とても盛り上がっていた。
ショテちゃんは一本の三つ編み、スク水は旧スクで、タグつき。
ピックちゃんは二本の三つ編み、新スクのタグありだった。
四五子ちゃんは二本の三つ編み、タグなし旧々スクで、姉の明日子ちゃんとはタグがない点以外が異なっている。
「あなた達、海に入ってさ、水をかけ合ったりしないの~?」
「ええと……海に少し入るぐらいならだいじょうぶなのですが、誰かに水を掛けるのは悪い気がして……」
四五子ちゃんが阿戸木さんにそう答えた。
「私もです」
ピックちゃんが続き、
「……私もそう思います」
ショテちゃんも同意した。
「それに……私は、泳げません」
四五子ちゃんが言い、
「あっ、私もです」
ピックちゃんが続き、
「私も泳げません……」
ショテちゃんも認めた。
あなたに補足すると、他の元メンバー達も泳げない。泳げるのは阿戸木さんだけであった。
「せっかく海に来たんだから、ちょっとぐらい入ろうよ~」
阿戸木さんが右手を前に出して誘うと、三人が立ち上がった。
「私は撮影担当です」
ピックちゃんは防水カメラを用意する。
ショテちゃんと四五子ちゃんが波打ち際まで歩き、波が来るのを待った。波に触れると、二人はちょっと驚いた感じになる。
しばらく二人は海水の感触をビーチサンダルの足で楽しんでいて、その様子を阿戸木さんが眺め、ピックちゃんがカメラを構えている。
少ししたら四五子ちゃんが座り込んで、何かを探し始めた。それをショテちゃんが不思議そうに見下ろす。
四五子ちゃんが立ち上がる時には、両手に拾った貝殻を二つ持っていた。
「……ショテちゃん。少しお手々が汚れてもいいですか?」
「え……あ、はい……」
ショテちゃんは四五子ちゃんに四つん這いにされた。そんな彼女の頭に、小さな白い貝殻が置かれた。
「巨大な巻貝さんの完成です」
四五子ちゃんは満足げだった。
単に頭に貝殻を乗っけただけであって、貝に収まらない大きさの軟体を持つ巻貝にも、全く見えなかった。
ただ、四つん這いのスク水少女には見えるので、かわいいとは言える。
「素晴らしいお仕事をしてしまいました」
掲げた両手の指を交差させつつ、四五子ちゃんが頬を染めて微笑む。
ピックちゃんは屈み、ショテちゃんの高さに合わせて撮影をおこなった。
「私は二枚貝さんです」
四五子ちゃんも同じ四つん這いの格好になって、自分の頭に二枚貝の貝殻一枚を乗せた。
並ぶ二人の姿も、ピックちゃんは逃さなかった。
撮影終了後、四五子ちゃんが貝殻を元の場所に戻し、
「ありがとうございました」
小声で貝殻へと感謝した。
それから二人は立ち上がり、二足歩行の三つ編みスク水女子に戻った。
「……後で今の写真もらえる?」
ずっと見ていた阿戸木さんがピックちゃんに頼んだ。
「はい」
「じゃー、お礼に……、して、あ・げ・る」
阿戸木さんがいやらしい顔をして、大きめの胸部をピックちゃんの背中に押し当てる。あなたも見れば分かるように、一番年長の元マネージャーが一番豊胸だった。
やられているピックちゃんのほうが、むしろ顔を赤くしていた。
■
この後、他の子達も合流し、彼女達は色々と写真撮影をしたりされたりした。あなたにその一部をお伝えすると……。
「これでいいですか? 阿戸木さん」
触手ちゃんは阿戸木さんに渡された白いワンピースを着て、たくし上げでスク水を晒す。
「紺色のスク水の下半身部分が、大胆に晒されている! もちろんそれだけじゃないっ! ワンピースの首周りがゆったりとしていて、スク水の肩紐が見えているのも気になるっ!」
スク水の阿戸木さんが興奮して喋っていた。
□
「摸馬ちゃんの頭がスイカになったのでスイカ割りしますね!」
と言いながら、ショテちゃんが笑顔で摸馬ちゃんの頭を両手で押さえているところが、ピックちゃんに撮られた。
「……写真なのに、言う必要はあったのでしょうか?」
撮影スク水のピックちゃんが疑問を述べる。
ショテちゃんは阿戸木さんに言われた通りの演技をしただけだった。すでに彼女は普段のおとなしそうな表情に戻っている。
「今セリフつきで見たのと、写真だけを見るのとでは、印象が違っていて、いいね!」
阿戸木さんはピックちゃんにそう答えた。
□
「あなた達三人、こっちで並んでみて」
指揮する阿戸木さんに、スク水達は従う。明日子ちゃんと四五子ちゃんの姉妹の間に、摸馬ちゃんが入る。
三人とも、両手を前に重ねた、おしとやかな格好だった。
「三人並ぶと、どの子が姉妹じゃないのか、分かんなーい!」
阿戸木さんが、撮影するピックちゃんの横で言う。
「元マネージャーなんですから分かって下さいよ、阿戸木さん」
「冗談だよ、触手ちゃん。私はみんなのお胸だけでも誰なのか分かるよ」
「それはそれで怖いです」
阿戸木さんと触手ちゃんの会話だった。
□
スク水の中でも鳥が好きなツバメ子ちゃんが、触手ちゃんとショテちゃんと一緒に鳥を見に行った。
「イソヒヨドリさんがいます」
ツバメ子ちゃんが指差して、触手ちゃんとショテちゃんがそちらを見ている。
「ピックちゃん撮って」
「了解です」
やや離れた位置から阿戸木さんが言い、ピックちゃんが従った。
青と橙の目立つ色をしたオスと違って、地味な灰褐色をしているメスのイソヒヨドリ……というよりも、地味な元アイドルながらもスク水で目立つ三人の後ろ姿を主軸に、ピックちゃんが撮影した。
紺色に覆われたお尻、黒い三つ編みに、白い肌の手足が、愛おしい。
■
「みんなー、集合~!」
阿戸木さんはピックちゃんのカメラを借りて、元アイドル七人に並んでもらって写真を撮った。
両手を前で重ねた格好の彼女達は、やっぱり七つ子のようだった。
「……じゃ、今日はそろそろ帰ろうか」
午後五時辺りになって阿戸木さんが言った際、七人のスク水三つ編み達が阿戸木さんの前に集まった。
「「「「「「「阿戸木さん。今日はありがとうございました」」」」」」」
元アイドル達が頭を下げる。
「ありがとうは私のセリフだよぉ~、みんな全員集まってくれたんだからぁ」
「私は阿戸木さんにすごく感謝しています」
明日子ちゃんが言う。
「阿戸木さんが今日のような機会を作って下さらなかったら、私も皆さんとお会い出来なかったのですから」
「えっ、普段から連絡を取り合って会ったりしてないの?」
阿戸木さんは彼女達が仲良しなのを知っているので、疑問に思っていたようだ。
「私は、妹の四五子ちゃん以外とは、なかなかご連絡出来なくて……。お会いしたい気持ちはいつもあるのですが、皆さんのご予定を考えますと、私なんかでお時間を奪うのもどうかと思ってしまうのです」
「あっ、私もです」
摸馬ちゃんが明日子ちゃんに同意する。
「……私は、同居しているショテちゃんを除くと、家がそれなりに近いピックちゃんとは時々会っていますが、他のみんなとは遠慮しがちで、会ったのは久し振りでした」
触手ちゃんも同様のことを言う。全員、同じような考えなのだろう。
「じゃあ、少し強引に集まってもらって良かったのかな。また全員で、どこかに行こうねっ!」
「「「「「「「はい」」」」」」」
こうして彼女達の一日は終わり、それぞれの日常がまた始まる。
あなたの今の日常には、スク水女子の存在はあるだろうか? ないなら、彼女達のことを思い出してほしい。
■
後日の、ショテちゃんと触手ちゃんがルームシェアをする自宅アパートでのことを、おまけとしてあなたに話すことにする。
「……ショテちゃんに何をやらせているのですか?」
触手ちゃんの前では、阿戸木さんが耳掃除をやってもらっていた。旧スクール水着姿のショテちゃんに。
こちらは海ではなく屋内なので、あなたも異常に思うだろう。
「耳お掃除」
私服姿の阿戸木さんは正直に触手ちゃんへと答えた。
「いや、そうではなくて、どうしてショテちゃんにスク水を着させているのですか? 変態ですか?」
「私変態じゃん。今頃何言ってんの?」
阿戸木さんは開き直っている。
一方、黙々と耳掃除をおこなう三つ編みスク水のショテちゃんが素晴らしい。
満足げな顔でやってもらっている阿戸木さんの近くで、触手ちゃんは腰を下ろした。
「……ショテちゃん。……次に、私の耳もお願いしていい?」
「はい。分かりました」
「なんだー、やっぱり触手ちゃんも変態じゃん!」
「……阿戸木さんが気持ち良さそうにやってもらっているから、私もやってもらいたくなっただけです」
小声で触手ちゃんは反論した。
「それは楽しみだー。スク水美少女ショテちゃんの太ももに寝て、やられちゃう触手ちゃん! ミニスカートのほうが無防備状態になる! というか、さっきすでにスカートの中が見えちゃってたよ! いつもの一分丈スパッツでも私は嬉しい!」
「……変態笑顔」
ミニスカートを押さえつつ、触手ちゃんは阿戸木さんに述べた。頬を赤くしている。
なお、阿戸木のスカートは黄緑のロングなので、横になっていても中は分からない。
阿戸木さんの耳かき終了後、彼女はショテちゃんの触手ちゃん耳かきの様子を楽しまず、何故か隣の家に戻った。
触手ちゃんの耳掃除中に戻って来た時、阿戸木さんはロングスカートを大きくたくし上げた。
「触手ちゃんの耳掃除が終わったら、下にスク水を着てお出かけしましょう!」
阿戸木さんは紺色スク水の下半身を見せていた。
「なんでですか?」
「ショテちゃんが着ていて、私も着たら、残るは触手ちゃんのみ! これはもう、三人ともそうするしかあるまい!」
よくわからない阿戸木さんの提案で、耳掃除後、そんな格好で彼女達は出掛けた。
見た目は普通の私服。けれど中は下着ではなく紺色のスク水。
街の中でその事実を知っているのは、恐らく彼女達と、あなただけに違いない。
(終わり)
肌の露出面積が普通の水着より少ない、スクール水着。それでも、学校の授業で着用するスク水の集団が浜辺にいたら、目立ちますよね。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。他では読めないような作品が色々とあるので、気になったら、それらもお読み下さい。




