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貌(かお)  作者: 楓 海
2/6

 読んで戴けたら嬉しいです❗❗ヽ( ̄▽ ̄)ノ

 杜環と裕太は同じ女の子を好きになった。


 それまでは別のクラスだった事もあって、話すらした事が無い二人だったが噂で自分と同じ女の子を好きたと知って、互いに気になっていた。


 例えば彼女が読書好きなのを知ると図書室に本を借りに行って出くわし互いの本を見て負けたと思うと図書室に戻りワンランク上の難解な本を借り直し競り合った。


 杜環が彼女に話し掛ければ、裕太はその間に割り込んで入り、杜環に睨みを利かす。


 関係性をはっきりさせたかった杜環はある時裕太に提案する。


 一緒にコクって彼女にどちらかを選んで貰い、選ばれなかった方は一切彼女から手を引く。


 裕太は同意し、早速二人で彼女にコクった。


 だが彼女の返事は想像していたものより平等な物だった。


「ごめんなさい、

 二人の気持ちはとても嬉しいけど、私他に好きな人が居るの」


 二人は項垂れ去るしかなかった。


 互いに慰めている間に意気投合し、今では親友と呼べる仲になった。

 

 美容クリニックから帰る途中、二人は終始黙りこくっていた。


 今あの美容クリニックで起こった事を話したら、あの女を呼び寄せてしまうのではないかと思っていたからだ。

 

 あの様相は二人の想像を遥かに超えていた。


 顔の醜さより腫れ上がった肉の奥から覗く死に依って凝縮された純粋な怨みを孕んだ目が何にもまして異様で、生きていない者の歪んだ存在の気色悪さは唾液を飲み込むのも憚れるような不快感があった。


 疲れ果て意気消沈した二人は自分の家に帰ると救いを求めるように寝台に横たわった。


 

 朝は訪れた。


 夕べ杜環は全く寝付く事ができなかった。


 目に焼き付いたあの膨れ上がった顔がエンドレスに反芻する。


 嫌なものを見てしまったと言うより、哀しい物を見たと云う感覚が独特の匂いで胸に絡み付いて来る。


 あの顔が閉じた瞼に映る度、何度も寝返りを繰り返す内に朝が来てしまっていた。


 リビングに降りると夕べあったことなど嘘だとでも言うようにいつも通り繰り返しの日常がそこにあれば良かった。


 母親は忙しなく動き回りなから、杜環の食事を追い立て、リビングでは父親がソファに座り新聞を読んでいる。


 そんな当たり前の日常。


 だが両親たちは昨日の朝早くに旅行に出掛けていた。


 昨日は独り暮らを楽しめると喜んでいたのが、あんな事があるといつも通りの日常が在って欲しかった。


 杜環は心の片隅に黒く得たいの知れないしこりを感じながら高校へ行く支度を進め、家を出た。


 高校に着くといつもの教室内の風景に気持ちが和む。


 壊れない日常に守られている事を確信して、杜環はやっと安堵を憶えた。


 裕太の軽薄な声が聞こえた。


 杜環が声の方を振り返ると、窓辺の席で数人の生徒たちが裕太を中心に屯していた。


 杜環は裕太のメンタルの強さに感心した。


 夕べはあの廃屋であんなに怖がっていたのに。


 あんな目に遇っても夕べはぐっすり眠れていたんだろう。


 裕太は興味津々のクラスメイトを前に昨日の話を始めた。


「昨日はホントにひどい目に遇ったよお

 ほら、例の整形クリニックに杜環と行ったんだ」


 何人かの生徒が杜環を振り返る。


 杜環はお呼びが掛かったので、その輪に加わった。


 裕太が待ってましたとばかりに言う。


「出たんだよな、幽霊」


 裕太は視線を杜環に向ける。


 屯している生徒たちは黙り、息を呑んで杜環が話すのを待った。


 杜環はそれに気を良くして、声を殺して話し始める。


「その幽霊、噂通り本当に顔が崩壊しててさ

 顔がすんげえ膨れ上がってて、肉に埋もれた目がめっちゃキモかったさ」


 突然、教室の後ろに在るロッカーに立て掛けてあった折り畳み式のテーブルが倒れて大きな音を立てた。


 クラス中の生徒が不意を突かれ飛び上がるほど驚いて、倒れた折り畳み式のテーブルに視線を注いだ。


 杜環たちは黙ったまま互いの顔を見合わせた。


 つかの間の沈黙を破って一人の男子が言った。


「俺、ばあちゃんから聞いたんだけど

 あそこに行って幽霊を見たら顔に怪我するんだってな」


「あ、その噂私も聞いた事あるよ

 出会った幽霊と波長が合うと、顔に怪我してその傷が少しづつ腐って凄く痛むんですって、その痛みに堪えられなくて何故かあのクリニックビルの屋上から飛び降りて自殺してしまうんだって」


 杜環と裕太の顔が蒼ざめる。


 裕太は少しおどけて言った。


「止めろよお、

 波長合ったら、俺たちめちゃめちゃヤバいじゃん」


 裕太はそれで笑いを取ったつもりだったが誰も笑う者は居なかった。


 誰もが知っている美容クリニックの噂。


 賢い者は決して安易にその会話を好まない。


 それはシャレにならないほど強い怨念を感じるもので、実際に死んで行った犠牲者は、面白半分であのクリニックビルへ行った者たちだった。


 暫し沈黙が続いた後、一人の生徒が気を利かして言った。


「あ、でも噂だろ

 噂なんて大抵根も葉も無い事の方が多いし・・・・・・」


「そ、そうよね

 あ、あたしそろそろ授業の用意しなくちゃ」


「あ、俺も」


 生徒たちはおのおの散って行った。


 取り残された杜環と裕太は互いに顔を見合せ、杜環は肩を竦め、裕太は少し悲愴な歪んだ笑みを浮かべた。






 読んで戴き有り難うございます❗*。・+(人*´∀`)+・。*

 

 最近、旧ジャニーズのSNOWMAN にはまってます。

 ラウールくん、美しいですよね❗❗( ☆∀☆)

 GIVENCHYのCM動画や東京ガールズコレクションの動画見て、本当に惚れ惚れするほど美しくて、正に美の化身❗❗

 なのに恋愛した事が無いんだとか。

 あんなに美しかったら、女の子近寄れないですよね。

 明らかに彼氏の方が美しい訳ですもん。

 焦って、下手な女に引っ掛からないといいのですが。

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― 新着の感想 ―
[一言] 夏休み前に家族がバタバタと武漢コロナにかかって倒れて行き分かったのですが、ホラーの怖さって「うつること」も大きな要素だと思います。 噂が本当だとしたら、2人はどうなるのだろう!??
感想一覧
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