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そのパーティメンバーは全員ウソをついている 〜最強魔術士の俺が正体を隠してパーティを組んだらメンバー全員が普通じゃなかった件〜  作者: ばーど
第三章 うちの魔法士はチェリッシュ

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12.勇者の凱旋パレード

三章ラストです!

プリテラさんの正体は──。


「はーっ、警備とかダルいなぁ」


 せっかくの安息日ディアマンテなのに、まさかパレードの警備に駆り出されるなんてさ。

 そういえば前もこんな感じで警備に駆り出されて【怪盗】と遭遇したんだよなぁ……まあ今となっては良い思い出だけど。


「悪かったねドリューも、俺の巻き添えみたいになってしまって」

「仕方ないですよ。ライヴァルト大導師はユースティティア所長の懐刀であり、最も信頼の厚い人ですからね」


 単に俺が何でも命令しやすいだけだと思うけどね。


「ったく、いつもこうして駆り出すのはやめてもらえないかな。本来なら騎士団とかの仕事じゃないか」

「さすがに人手が足りないみたいですよ。だから王宮に入る手前とかの『普通の兵士や衛兵には任せられないけど、騎士団を回すほどもない』エリアには、今回みたいにヘルプ要請があるらしいです」

「別に兵士でも街の衛兵でも良いと思うんだけどなぁ」

「そこは貴族間のパワーバランスとかあるみたいですよ。それに……いざというときの戦力差も大きいですし」


 確かに、街の衛兵と騎士団とじゃ戦闘能力に圧倒的な差があるからなぁ。


「そういう意味じゃ魔導研究所だって戦力にならんと思うけど」

「ライヴァルト大導師ならそんなことないんじゃないですかね?」


 え、なんでドリューがそんなこと言うの?

 俺、研究所でも所長以外には単に『雷力を扱う能力』としか明かしてないのに……。


「いやいや、俺だって騎士団には手も足も出ないさ」

「へーそうなんですか。じゃあそういうことにしておきましょうかね、ふふふ。さ、無駄口は止めて警備でもしましょうよ」

「あ、ああ。そうだな」


 おっと、そんなことを考えているうちにパレードが始まったみたいだ。

 どれどれ、久しぶりに生勇者様たちでも拝見させてもらうとしましょうかね。


 ◆◇


 バルチナセル王国の王都バルチモアは、朝からざわめきに包まれていた。

 勇者たちが四つ星ダンジョンを制覇クリアした──その偉業を称えるため、王都最大のパレードが開かれるのだ。

 沿道はすでに見物客で埋め尽くされ、人々は勇者たちの登場を今か今かと待ちわびている。


「なんだか今日は騒がしいねぇ、なにがあるんだい?」

「なんでも【四勇者】が勢ぞろいする催しがあるらしいぞ」

「四勇者! ってどんな奴らがいるんだ? ユリウス王子は知ってるがよ」

「ほら、これ見ろよ。王国が配ってる号外だ」


 人々の手には一枚の号外。

 その紙面には、勇者たちの名と、彼らの勇姿を称える言葉が大きく記されていた──。


『 〜 勇者チーム【バルチモア勇者隊】の偉業を讃えるパレードの開催について〜


 我がバルチナセル国が誇る四人の勇者が、凶悪な★★★★(四つ星)ダンジョン『暗き森のワルツ』を制覇した。

 その偉業を讃え、王国は勇者たちの凱旋パレードを行う。


 勇者パーティ【バルチナセル勇者隊】


 【赫灼の勇者】ユリウス・カリスマドロス・ヴァン・バルチナセル

 【天空の勇者】レーヴァ・フィロソフィア

 【百術の勇者】ザグロム老

 【七色の勇者】ステラード・プリミティーヴォ 』


「おっ、さっそく勇者パーティ一行が来たぜ!」

「めいっぱい歓迎しようぜ!」

「バルチナセル勇者隊、ばんざーい!! ユリウス王子、ばんざーーいっ!」


 王都民たちの歓声に包まれ登場した勇者隊のメンバーたちは、王都の中心をフルオープンとなった馬車に乗ってゆっくりと行進していく。

 観衆に手を振り応える勇者たち。時折仲良さげになにか会話を交わしている。

 一人一人が突き抜けた戦闘力を持つ彼らが、親しげに話している会話の内容は──。


「おーーっ、たくさん来てるな! ははっ、オレが勇者だ! ユリウスだ! 見ろ、オレの筋肉をっ!」

「ユリウス、危ないから筋肉を見せびらかしながら馬車から立ち上がるのはやめてください。落ちたら恥ずかしいですし、なによりチェリッシュじゃない」


 観衆たちに向けて筋肉を誇示していた【赫灼の勇者】ユリウスは、隣に座っていた【七色の勇者】ステラードに嗜められ、ふんと鼻息を吐く。


「なんだステラード、お前は相変わらずキザなやつだな。だいたいなんだよそのチェリッシュってのは?」

「あー、ボクの姉の口癖・・・・・・・ですよ。ようはイケてないってことです」

「ははっ、この筋肉の鎧があればたとえ馬車から落ちようと問題ない! 筋肉こそが最強だ! そうお前の姉にも伝えておくんだなっ!」

「もー。なにつまんないこと言ってんのさ、あんたたち。落ちるのが怖けりゃアタシみたいに飛べばいい・・・・・のさ! 飛んでド派手にみんなの声援に応えるんだよ!」


 発言の通りユリウスの真上を飛んでいる・・・・・のは、【天空の勇者】レーヴァ。まるでビキニのような服を着て、空を舞い踊って男性たちの視線を釘付けにしている。


「レーヴァは《飛翔》のギフトがあるから飛べるだけだろーが! ちゃんと筋肉で魅せろ筋肉で」

「見せてるだろ、アタシのセクシーボディをさっ!」

「レーヴァ……あなたも女性なんだから、もう少しお淑やかにできませんかね? ねぇ、ザグロム老?」


 ステラードに問いかけられた【百術の勇者】ザグロムは、その長く伸びた白眉を僅かに揺らす。


「……ふぉふぉふぉ、ええではないかステラード殿よ。ワシはなぁ、レーヴァ殿のムッチムチのボディが見れて最高なんじゃよ!」

「このすけべジジイ! なに言ってんのさ! アタシのボディは若いイケメンに魅せるためにあるんだよっ!」

「レーヴァの罵声も堪らんのう……。おっ! あそこにおるおねーちゃんのおっぱいも素晴らしいではないか! ワシの魔法で少し揺らしてみるかのぅ、ふぉふぉふぉ」

「はぁ……このメンバーは……」


 思わずため息を溢すステラード。

 筋肉バカのユリウス。

 露出好きで目立ちたがりやのレーヴァ。

 いくつになってもスケベジジイのザグロム。

 これが──バルチナセル王国が誇る勇者隊のメンバーであった。


「はーっ、勇者パーティなんていっても中身は変態ばっかりじゃないか。まったく、なんでボクばっかりが苦労を背負い込まなきゃいけないんだか……」


 個性クセの強すぎる彼らに囲まれて、最年少の自分はいつも苦労を抱えてばかりだ。

 そんなことを思いながら、ステラードは作り笑顔を浮かべて他の勇者たちを叱り飛ばすのだった。


 ◇◇


 パレードと王宮での祝賀会が終わり、夜遅くになってやっと解散となった勇者パーティ。

 ステラードは自分にあてがわれた部屋へと案内され、ホッと一息つく。


「はー、あいつらの相手は本当に疲れるよ……うちのメンバーはクセ強すぎるんだから」


 一つ一つ、身につけていた装飾品を外すステラード。

 これらは超古代文明時代の貴重な〝超古代魔導器エンシェント・アーティファクト″であり、ステラードを【勇者】たらしめている貴重かつ超強力な武器であった。

 その数、全部で七つ。

 彼が【七色の勇者】と呼ばれる所以である。


「レーヴァなんてぜんぜん可愛くチェリッシュじゃないし。もっと女の子らしくして欲しいものだよ」


 だが彼には、誰にも話していない秘密があった。

 実は──8つめの〝超古代魔導器エンシェント・アーティファクト″を所有していたのだ。

 しかも、他の七つよりも貴重な──。


「やっぱりボクたちしかいないんだよ。ねぇ、姉さん・・・?」


 ステラードが胸につけていたネックレスに触れる。

 これこそが──彼が持つ8つ目の〝超古代魔導器エンシェント・アーティファクト″。

 その名も──『転換の首飾り』。

 超古代文明時代に存在した王族の一人が己の欲望を叶えるために造ったとされる、世界にたった一つしかない秘宝中の秘宝。


「溜まったフラストレーションは、姉さんでないと解消されない。だから──」


 ステラードはネックレスの先についている青色の宝石に指を触れる。


「発動せよ──『転換メタモルフォーゼ』」


 青色の宝石が、赤へと色を変える。

 次の瞬間、ステラードの身体が光に包まれ──。





「はーーっ、やっぱりこっちだよね」


 光の中から現れたのは──スカートを履いた一人の少女・・



 青い髪に、ステラードをそのまま女性にしたかのような美しい顔立ちの美少女。彼女の名は──。


「みんなのアイドル、魔法少女プリテラさんの参上だよ!」


 ステラード、いやプリテラは、鏡に映った自分の姿に向かってウインクを一つ飛ばす。


「あははっ、やっぱり女の子はおしとやかチェリッシュでないとね! ほんっと、あんな変態ばっかりのパーティは疲れるわぁ。早く銀曜日シルバリオンデーにならないかなぁ」


 ──勇者パーティは変態ばかり。


 しかし、その事実が世間に知られることは──まだない。


これにて三章はおしまいです!


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― 新着の感想 ―
テ、テストローイ!?
 プリテラさん、まさか男体化で勇者だったなんて。(ふぅ)   ということは、どちらの状態でも他の勇者と混浴可能ですね。  作者様の作品では、道具は必要とはいえ、実際に自在にTSできるキャラは希少だ…
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