NTRやんけえぇェェェ!!!!
テオドールが目を覚ますと、そこは先程までの森へと戻っていた。
「今のは……夢、だったのか?」
次第に意識がハッキリしてくると、目の前には泡を吹いて絶命しているハイオークが横たわり、その手前には気を失ったベロニカの姿があった。
「おい、ベロニカ!!生きてるか!?」
「あ……あぁ、なんとかですわ……」
ベロニカは起こされると、目の前で死んでいるハイオークに驚いて咄嗟に飛び上がる。
「ギャーーー!!し、死んどるぅ!?」
「あ、ああ……俺たちが気を失っている間に、何があったんだ……?」
テオドールは今までの状況を振り返ってみる。
ベロニカが『迷妄』の魔法を放った直後、妙な夢を見て、その夢と同じように何かに貫かれてハイオークが絶命していた。
そこから導き出される答えはただひとつ……。
「……もしかすると、コイツは俺とお前で倒したって事なんじゃないか?」
「はへ?わたくしたちが……倒した?」
「ああ。お前の『迷妄』が暴発した事で偶然にも何らかの条件が揃い、お前が俺の前世の妄想と繋がって勝てたんだ」
ベロニカはそれを聞き、勝利の喜びに目を輝かせて飛び上がる。
「やったですの!!我が軍の初勝利ですの〜!!」
「軍って程の数じゃないだろ……っつっても、勝てたのは紛れもなく事実。お前のおかげだ、ベロニカ」
「ふふっ、もっと褒めてもらっても損はしませんですの〜ぶべっ!?」
調子に乗っていると突然荷物が投げ込まれ顔面を直撃する。気付くと既にテオドールは道なりに歩き出している最中だった。
「ほら、さっさと街まで急ぐぞ」
「ちょっ、まだお昼も食べてませんのにぃ!!さっきから扱いがアレ過ぎますのよ〜!!」
それからしばらくして、2人は道中で馬車を見つけて乗せてもらい、意外と早めに街へ辿り着いた。
「ありがとうですの!」
「おう、嬢ちゃん、にいちゃん。良い旅をな!」
馬車の騎手に礼をして降りると、検問の兵士に挨拶をして門をくぐり宿を探し始めた。
「あぅ゛〜、そろそろ荷を下ろしたいですの゛ぅ〜……」
地図を見ながら宿を探すテオドールの後ろを、相変わらずの重い荷物を背負ったベロニカがひぃひぃ言いながら必死に付いてくる。
「ごめんて。確かこの辺に宿があったはずだから待って……ん?」
「ぅぶ!!」
テオドールが何かに気付いて立ち止まり、ベロニカがそれにぶつかって派手に転倒してしまう。
「いたた……もーなんですの〜!!」
立ち止まり驚いた顔をするテオドール。その視線をベロニカが追って見てみると、建物から3人の人物が出てくるのが見えた。
「アルフ……?アルフレッド……と、誰なんだ?」
「ほぇ?」
そこに居た3人は、エアステンス地区の宿で別れたアルフレッド、カロリーナ、そして……見知らぬ男の姿であった。
アルフはテオドールに気付くと、とても気まずそうな顔をした。
「あ……テ、テオ……じゃないか」
「うぇえ〜?キミたち知り合い〜?」
見知らぬ男は、嫌な顔をするアルフの肩に腕を回して執拗に絡んでくる。
「な、なあアルフ……こいつ、誰だ?ベルタはどうしたんだよ……?」
「あ?アンタなんか用かよ?俺たちこれからお楽しみだから」
「おた……!?」
突然、テオドールの脳裏に前世の記憶が蘇り、不意に叫びが口から飛び出した。
「ね、NTRやんけえぇェェェ!!!!」
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