おばあちゃんが生きてて、お母さんが死ねばよかったのにー!
数日後、あの日のことを思い出させる事が起きました。放課後、お友達と校庭で遊んでいると、あきら叔父さんの声が聞こえてきました。
「おい、りん、早く来い!病院行くぞ。」
私は病院という言葉を聞いて凍りつき、その場から動けませんでした。あきら叔父さんが抱えてくれて車に乗り込むと、お母さんが仕事中足を滑らせて頭を打ったらしく、今病院で治療中だと知らされました。意識がないそうです。 病院についても私は怖くて歩けませんでした。あきら叔父さんに支えられながら病室に着くと、お母さんはベッドで寝ていました。おじさんが病院の先生から話を聞いて軽い脳震とうで2、3日安静にしていれば退院できると教えてくれました。私はホッとしてベットの横にある丸いすに崩れるように座り込みました。
お母さんはまだ眠っていて、私はお母さんの顔をじっと見ていました。眠っていても眉間にはいつものように深く皺が刻まれていました。目から溢れるように涙がこぼれ落ちました。私は涙を拭うこともせず、ただお母さんの顔をじっと見つめていました。
お母さんはなんでいつもイライラしているんだろう。お母さんはなんでそんなに忙しいんだろう。たくさん働くのはうちにはお金がないから?それとも仕事が好きだから?お母さんはなんで私を産んだんだろう。
その日の夜、久しぶりにお父さんが帰って来ました。病院に駆け込んだらお母さんに
「なんできたの?大げさねぇ」
と言われたそうです。肩を落としてまた仕事に戻っていきました。今夜は徹夜だそうです。可哀想なお父さん。お父さんの顔見たら少しだけ元気になりましたが、今日くらいは一緒にいたかったです。
お母さんが病院にいる間あきら叔父さんの家に泊まりました。やなりと話をしたかったのですが、やなりのことをあきら叔父さんに言えないので我慢しました。
お母さんが退院した日の事です。
「ただいま」
「お母さん。」
「りん、悪かったわね心配させて。ごめんね。ちょっと疲れが溜まってたのかな。いつもはあんなところで足を滑らすなんてことないんだけどね。でもさすがでしょ。どこも怪我してないんだから。なんたってこの大自然で育ったんだもんね。あんな庭みたいな所で怪我なんてするもんですか!あはははは」
「お母さん!!私がどんだけ怖かったかわかってる?今度こそひとりぼっちになるかと思ったんだよ。私がひとりになってもいいの?お母さんは私の事どうなってもいいの?」
「りん、お母さんは、」
「いつもこの家に一人で留守番してても私はお母さんに文句言わないでしょ。でもお母さんは私に文句ばかり言って。あなたの為ってなに?ほんとにそれは私の為なの?私が求めた事なの?私はお母さんのなに?私はどうすればいいの?おばあちゃんが生きてて、お母さんが死ねばよかったのにー!」




