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同級生の女子と毎日登校する事になる

明日から夜10時に一話ずつ更新していく予定です。

 

 俺が川崎さんと出かけた次の日の朝学校に登校する前の事である。


 家の前に超絶美人の女子がいると妹の花火と姉の乃亜姉さんのが騒いでいた。部屋の窓から覗き込み電柱に佇むのは昨日CDショップで別れた川崎さん本人である。


「もしかしてお兄ちゃんの彼女……?」


 花火は世紀の大発見のように声をかけてくる。


「私ちょっと挨拶してくる」


 乃亜姉さんは仕事着であるスーツを着用して家から出て川崎さんに会おうとする。


「二人とも落ち着け、あの子はただの同級生のクラスメイトだから」


 慌てる二人を俺は止めて、家の玄関から外に出る部屋着だった為川崎さんも物珍しい視線を送る。


「えっと……もしかして一緒に登校する感じかな?」


 川崎さんは頷く。


「それなら事前に連絡してくれたらいいのに、てかよく俺の住所分かったね」


「うん、昔に遊びに来たことあるから」


 昨日分かったがどうやら俺と川崎さんは昔からの知り合いだったらしい、けど俺は川崎さんとは高校から知り合ったと思っていたので小さい頃の事など知らない。だが住所を知っているって事は小学生くらいの頃に遊びに来たのだろうかまた暇な時小学校の卒業アルバムで探してみようと思う。


「お兄ちゃん朝ごはん」


 玄関から花火大きな声が響く、そして花火は続ける。


「よかったらそちらの方も一緒にどうですか?」


 川崎さんを家に招き乃亜姉さんと花火と一緒に朝ごはんを共にする。


「よくみたらあなた雑誌でモデルしてる方ですよね……?」


 花火がおかずを口に運びながら川崎さんに質問する。


「そうですね、高校に入学してから少ししてスカウトされたんです」


「やっぱり!! ええ!? お兄ちゃん凄い人と付き合ってるんだ」


 花火がそう口にすると俺はむせる。水で流し込み花火に言う。


「さっきも言っただろう俺と川崎さんはそんな関係じゃなくて同級生のクラスメイトだ」


「お乃亜姉さんちゃん今日はお赤飯だねぇ」


「聞いちゃいねぇ」


 花火は完全に自分の世界に入っていたこうなったら何を言っても聞かない。


「そろそろ行かなくちゃ」


 そして乃亜姉さんは朝ごはんを食べ終わり朝一番に家を出る。


「またゆっくりお話でもしましょう、えっと」


「川崎です。川崎雛」


「川崎さん弟はこの通り学校でも友人が少ないと思うから仲良くしてくれると私も安心だわ」


 乃亜姉さんは母親みたいな言動で川崎さんに言う、川崎さんは乃亜姉さんからの言葉に頷いて乃亜姉さんは皿を洗い場に置いて家から出ていく。


「あ……私も友達と一緒に行く約束してたんだった、お兄ちゃん食べ終わったら洗い場に置いてね帰ってきたら片付けるから」


「それくらい俺がやっておくよまだ時間あるから」


 花火は現実世界に戻ってきて急いで朝ごはんを食べランドセルを背負って出ていく。


「花火さん何年生……?」


「小五、いっつも友達とは遊ばずに帰ってきて家事してくれるから俺と乃亜姉さんも花火には頭が上がらない」


 川崎さんも気付いているだろうが俺の家は両親がいない父親は借金を作って自殺母親は最近病気で亡くなってしまった。だから稼ぎ頭として乃亜姉さんが夜遅くまで働いている。実は俺も平日の何日かは夜遅くまでバイトしている。


「それよりもさっきは花火がごめんいきなり付き合ってるなんて話になって」


「ううん別にいい、だって私あなたの事好きだしなんなら都合がいいくらい」


 まぁそう言うとは思っていた。俺と川崎さんはその後も会話しながら朝ごはんを食べて、食べ終わると俺は洗い場に行き食器などを洗ってから学校に行く支度を始める。


「お待たせ」


 リビングのソファで待たせていた川崎さんに声をかける俺と川崎さんは玄関から家を出る。玄関の扉の鍵を閉めてポストに入れる。


「それ危険じゃない……?」


 川崎さんは俺が鍵をポストに入れるのを見て少し心配そうな声をあげる。


「いやここは住宅街だから逆にポストを見る人は怪しまれるんだ、それにこれは無くした時用の鍵で家族で一本ずつちゃんと持ってるから」


 川崎さんの質問に答えて俺と川崎さんは通学路を歩く。


「てか川崎さんこの前の別れ道で俺とは違う方だったのになんで今日は一緒に登校しようと思ったの?」


「昨日言ったじゃんあの先輩より好きにさせてみせるって」


 確かに言った俺も朝見た時もそうだろうなとは考えていた。だがまさか一緒に登校する事になるとは。


「それとこれからは私あなたと毎日登校するつもりだからそれに……」


 川崎さんは昨日みたいに手を握ってくる。昨日と同じ恋人繋ぎだ。


「学校近くまではこのまま一緒に行くこと、いい……?」


 反対させる気が全くない様子、俺ははいと答えるしかなかった。そして歩く事数十分コンビニを横切る。もうすぐ学校でここで学校の制服を着た生徒達も歩いているのを見つけると川崎さんは自ら手を離す。だが隣同士で歩いていく。


「川崎さん、お、お、おはよう」


 緊張したように川崎さんに朝の挨拶で声をかけてきたのは一年の時に同じクラスだった男子生徒だった。


 だが川崎さんは会釈するだけでそのまま歩き続ける。そして川崎さんは他にも朝の挨拶をしてくる男子生徒達には声をかけずただ会釈をするだけで教室に着いた。川崎さんは俺の隣の席の机に鞄を置くとクラスの女子達の会話に入っていく。


「ようおはよう」


 俺は朝から携帯のソシャゲを遊んでいた神沢に声をかける。


「おは、てかお前昨日のソシャゲずっとオフラインだったろ」


「昨日は用事で出かけてたんだよ、お前の方こそ俺のログイン記録なんて見るなよ」


 そんな会話を神沢としてたら教室が騒がしくなる。原因はすぐに分かった可愛いと噂の夜長さんが俺達の教室に入ってきたのだ。


 夜長さんはキョロキョロと教室内を見渡し俺達の方にやってくる。


「せ、先輩おはようございます」


「うん、おはよう」


 そしてクラスメイトの男子生徒がこちらに視線を送ってくる。そりゃこんな可愛い子が俺なんかに挨拶してくるなら気になるよな。


「えっとよかったらなんですけど、お弁当作ってきたんです」


「え……ありがとう」


 夜長さんには悪いが俺には花火が毎日作ってくれている弁当があったのだが鞄の中を見ると今日はそれを忘れてしまった事に今気付いた。


「そ、そ、そ、それじゃあ失礼します」


 夜長さんは頭を下げてこの前みたいに走って教室を出ていく。クラスメイトの男子生徒の視線は夜長さんが渡してきた弁当に釘付けだった。そしてそれは俺と会話していた神沢もである。

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