3話
「もう準備はいいか?」
ルークがそういうと、他のメンバーは準備完了だと答えた。俺たちの装備は、俺は、ナイフ、ハンドガン。アサルトライフル、マグナムだ。 ルーク、アサルトライフル、ハンドガン、グレネードランチャー。マイケル、アサルトライフル、ショットガン、エマ、mp5、スナイパーライフル。
これだけ武器があればあの大男も、倒せるはずだ。三人で外に出ると、前にルークと二人で倒したおかげか、ゾンビはあまりいなかった。
「よし、ゾンビは少ないな、ここから百メートルのところに、車があるんだ。そこまでいくから援護よろしく。」
そういうとルークは歩き出した。俺たちも後ろをついていく。少し歩くと、車があった。頑丈そうでたかそうな車だ。
「俺の給料じゃ、買えないだろうな笑」
「すごくいい車だね、じゃあ乗りましょうか」
俺がそういうと
「あ、俺、結構運転とかしてて、自信あるんで、運転します??」
マイケルがそう言った。たしかに運転上手い人に任せた方が良さそうだ。
「そうだな、運転は任せたマイケル、クリス、エマ後ろに乗ってくれ。」
「はい。ルークさん」
「了解」
そうして、俺らは後ろに乗り込んだ。前側はマイケル、ルーク、後ろは俺、エマだ。エマは後ろに乗ると、ふぅー。と一息をついた。俺はバックからペットボトルを出して飲んだ。ここから街を出る橋までは20分ほどかかる。それまではハラハラドキドキドライブだ。
マイケルは、自分で言ってた通り運転が上手い、まあまあなスピードを出したまま、瓦礫やゾンビを避けながら進んでいる。ルークは、ゾンビを避けるたびに、
「うぉ!上手いな。」
「ふぅーー!!」
などと声を出して喜んでいる。そして途中歌を流そうとか言い出して、ラジオをつけた。こんな状況でよくこんなに楽しそうなものだ。
「クリスさん肩借りてもいいですか?」
「あ、うん。いいよ」
エマがそう聞いてきたので、おれは了承した。すると、エマは俺の方に寄りかかり目を瞑った。彼女も一人であの屋上でずっと戦ってたんだ。だいぶ疲れただろう。少し寝かせてあげよう。俺はそう考え、エマに肩を貸した。
フロントガラスに写る自分の顔は本当に見慣れないものだった。髪の毛はブロンドになっていて。髪の毛はサラサラで、毛先が少しパーマになっている。前の姿と同じなのは、目が二つ鼻がひとつ口がひとつなことくらいだ。そんなことを考えているうちに、俺の意識も遠のいていった。
………
「二人寝たみたいっすね。」
「あぁ、二人とも疲れたんだろう。何かあるまで寝かしてやろう。」
マイケルが運転する車の助手席にのり、俺はそう言った。後ろの席ではクリスと、エマが二人で寝ていた。エマは、ビルの屋上で身動きを取れなかったところをたすけて仲間になった。クリスはゾンビに囲まれていたところを助けてから、仲間になった。
驚いたのは、こんなに綺麗な女が元男だったということだ。このゾンビテロを起こした会社に捕まって体をいじられた結果らしいんだが、女になった以外に何も知らないらしい。最初に目覚めた病院に何かヒントがあると思うのだが、あの化け物のせいで入れなかった。クリスは話した感じだとすごくいいやつだから。どうにかして、真実を知ってもらいたいと思う。
「ルークさんこれが終わったらどうするっすか?」
そうマイケルが聞いてきた。
「あー、そうだなぁ。多分また警官やってるかもな。」
そういうとマイケルは。さすが警官だなぁ。とかいい、運転をした。
ゾンビが溢れかえる街を見ていると、なかなか現実感が湧かない。昨日まで普段通りに暮らしていたのに、一日経つと外はゾンビ映画でよく見た風景だ。俺は、スナック菓子を食べながらそう思った。あと数分ほどで街の外に出れる橋が見えるはずだ。
「ルークさんもうそろそろっすね。」
「あぁ、」
それから少しして、見えたのは思いもしなかった光景だった。
「橋が…壊れてる。」
マイケルがそう呟いた。
「マジかよ。」
街から出る一番簡単な方法の橋が壊れていた。そういえばゾンビテロが起こって数分で爆発音が鳴り響いていたのは、橋を爆撃したからか、最初から製薬会社の上のやつは、この街から誰も出す気がなかったんだ。
………
「起きろ二人とも問題発生だ…」
その声で目を覚ますと、マイケルとルークが険しい顔をしていた。
「橋なんだが、破壊されてた。」
その言葉を聞いて、俺とエマは前方の窓ガラスを見た。すると、橋が崩れてわたれなくなっていた。
「嘘…。」
エマは口に手を当てて絶句してる。
「ルークこれからどうする?橋が壊れているなら、船で渡るかヘリかなんかで飛んで逃げるか。」
ルークは少しのあいだ腕を組み
「そうだな、海岸沿いを歩けばヨットとかあるかもな。とりあえずそれを探すか。」
そう言った。そして俺たちが車を降りたその時、
ドスン、ドスン
足音が聞こえた。
「おい、この足音って」
ルークがそう言った。
「あいつしかいない…。」
俺がそういうと、
「あいつって誰?何?」
エマが困惑しながらそういった。
「とりあえず車に乗って!」
俺がそう叫ぶと、全員車に飛び込んだ。マイケルは、急いでエンジンをかけ、車を走らせた。その音に反応したのか、あの化け物が、こちらに向かって走り出した。
「きゃー!何あの大男!飛ばして!」
「うわぁぁ、バケモンだ」
化け物は走って追っかけてくる。障害物が多い道路ではなかなか車のスピードが出せないため、化物との距離は縮まる一方。俺は窓から身を乗り出し、アサルトライフルで大男を撃ちまくった。致命傷は与えられないが、スピードは遅くなる。
「動きは遅くできるからみんな撃って!!」
えま、おれ、ルークの一斉射撃。しばらく撃っていると大男はこけた。そのまま車との距離は広がり、逃げることができた。しかし持ってきたアサルトの弾は無くなった。
「なんとか逃げれたな、本当にあいつはなんなんだよ。あいつがいるから海岸沿いは歩けなさそうだな。」
そういうと、ルークは上を見上げた。
「なら、一旦私が閉じ込められていた病院に行かない?何かこのゾンビテロのことがわかるかもしれない。」
俺がそういうと
「そうだな、俺は賛成だ、ゾンビになった奴を戻す薬とかあるかもしれないからな。エマとマイケルはどうだ?」
「私は、お父さんの無念を晴らすためにも、行ってみる価値はあると思う。」
「俺も、証拠の動画を撮って、あの会社を完全に撲滅してやるっす。」
そうして俺たちは、俺が最初に目覚めた病院へと進んだ。