開かずの間
これは僕が高校生の頃に体験したことです。
当時僕が通っていた高校はキリスト教の高校で老朽化と学生増加に伴って旧校舎を壊して新校舎を建てることになりました。
そのため、旧校舎の机や本などの運びだしや掃除を行うことになり、なぜか僕が所属していた野球部が行うことになったのです。
始めは野球部の皆も文句を言うながら机を運んでいましたが、次第に率先して運びだしや掃除を行うようになっていきました。
理由は今まで入ったことのない部屋に入ることができたからです。
築100年を越えていた旧校舎には教室以外にも用途の分からない部屋がたくさんあり、幽霊がでるなどの噂がたつほどでした。若い僕らはそんな開かずの間と呼ばれていた部屋に入ることができてテンションが高まっていました。
そんな時でした、先生に呼ばれ僕を含めた数人がボイラー室の掃除を頼まれました。
しかし、ボイラー室は旧校舎にはなく、掃除を行う理由がまったく分かりませんでした。
疑問を抱きながらボイラー室に向かい先生の指示を聞くと、ボイラー室の奥の部屋を掃除して欲しいを言われました。なぜボイラー室の奥に部屋があるのか、なぜ掃除をする必要があるかは先生に聞いても答えてくれませんでした。
正直、気味が悪いので掃除をしたくなかったのですが、先生からの指示を無視することはできずボイラー室に入っていくと、奥に扉があるのが見えました。
恐る恐る扉を開けると小さな部屋におびただしい量の写真があり、床や壁一面に張られてしました。
とても不気味な部屋でしたが恐怖心を抑え一気に掃除を行いました。
旧校舎の掃除が終わった後、更衣室で掃除についての話になりボイラー室の部屋の事を話すと驚くことにいくつか変な部屋があったことがわかりました。
僕はボイラー室の部屋などいくつもの部屋が学校内にある事がとても気になり、校長先生に話を聞くことにしました。
校長先生の話によると旧校舎ができた頃の日本では戦争のせいかキリスト教は迫害の対象だったらしく、隠れキリシタンの様に隠し部屋のような礼拝堂を学校内で作って信仰を深めていたとのことでした。しかし、時代と共にキリスト教は迫害されることはなくなり、大きな礼拝堂ができたことが切っ掛けで全ての隠し部屋は開かずの間になったとのことでした。
しかし、ボイラー室の部屋はどう考えても礼拝を行うような部屋ではありませんでした。もしかすると礼拝以外の何か隠したい事を行う部屋だったのではないでしょうか。現在、旧校舎はとり壊されたので隠し部屋は殆ど無くなりました。しかし、ボイラー室の部屋だけは今も校舎の中に残っています。
これは実際に作者が体験した話を元にした話です。正直、幽霊が出たりしていないのであまり怖くはありませんが、あの部屋が今も実在していると思うと不気味です。




