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禁童録  作者: 雲符
1章 
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生きる世界

小さな虫に視線を定めて喰らう時期を今か今かと待つ鳥

餌としての視線を感じる事も無い虫は通常通りに葉を喰らい生命維持活動を続けていた。


鳥は今だ、と羽根を上下羽ばたかせ、その音に驚いて逃げようとする虫に向かって飛ぶ。

餌まであと一歩という所で鳥の視界は擦れ、羽根に違和感を覚えた所で意識は消えた。


「よっし!今日は鳥の丸焼きかな…!」


鳥に苦痛を与えずに天に召す高度な技術を繰り出したのは薄い水色の長髪の少年である。


黄色の猫目には、期待と嬉しさで輝きを放ち颯爽と走り出して静かな森を駆けて行く。


禁忌の子供キョクビは10歳程に育っていた。



蛇の人里から離れた自然豊かな静かな森の奥地にひっそり建つ建物がある。

キョクビが生まれ育ち、サンミャと供にずっと住んでいる家だ。


キョクビの父親である蛇族の大蛇は族長の一人息子だった事もあり、キョクビが幼い頃に族長を継いで以来ほとんど森奥地の家に帰れずにいる。


大蛇は頭脳明細で端から見れば格好いい部類なのだが、妻子大好きで常日頃から幼なじみで秘書兼護衛のショーヒに愛妻家親バカ全開で惚気ていた。


ショーヒ自身も対抗して妻であるカヨリの惚気や自分達の子供の自慢を負けず劣らず言い争っている。


そんな二人の幼なじみでもあるカヨリは、差し入れがてら二人の様子を見ては惚気大会するより仕事しろとゲンコツを食らわせる恐妻家な一面もある頼りになる女性だ。






「母上ー!!鳥捕りました!」


森奥地の自宅のドアを勢いよく開けたキョクビは満面の笑みを浮かべて瞳を輝かせていた。

サンミャに捕ってきた鳥を見てもらおうと手にとって差し出す。


キラキラな瞳と同じ色で同じ猫目を持つ母親、サンミャは勢いよく突然開けたドアの音に驚いていた。

そしてすぐに優しい微笑みに変わる。


「じゃあ、今日は鳥の丸焼きね!

今日もありがとう、キョクビ」


まだ背丈の低いながらも逞しくなってゆく我が子の頭を優しく撫でるサンミャ。




***


この世界にも学校があり、小学校では6学年制で5~6歳で入学する。

生きていくのに必要な知識は小学校で全て習い、中学校では武器使用や魔法の扱いを学ぶ。

10歳頃に魔力持ちかそうでないかを調べるのもこの世界特有である。


魔力持ちは少し珍しい。

元祖動物の特徴を持ち人型へと進化した代償なのか、魔獣には必ずある魔力は人型には無い率が高かった。


例え動物特徴を持ったといえども、大きな魔獣には敵わないのも事実

そこで魔力を持たない一般人は武器を使用する事を学んだ。


武器といえど多種多様とあり、種族や個体により特化した武器を判断する期間や武器使用による戦闘の習得。


魔力持ちには適性分野の判断や魔力の制御、魔法の使い方習得。

それらを中学校で学び生涯供にする武器を選び習得していく。


武器使用の中学と魔力持ちの中学は学校自体違うのが一般的で、どの中学校へ行くかを判断する為に魔力持ちかを調べるのである。


***



キョクビもそろそろ魔力持ちかの診断を受ける時期である。


キョクビの見た目は幸いにも猫目以外は蛇族にかなり寄っていた。

蛇族特有の横に細長い耳も持ち

探知能力を持っている。

それに加え毒が吐け、毒耐性がある。


通常の蛇族は以上が種族特有能力だ。

キョクビは探知能力と毒耐性が他の蛇族と比べて弱いのだが、山猫特有の瞬発力や脚力の強さがあった。

だが、瞬発力や脚力は蛇族よりは優れてはいても山猫には劣っている。

丁度良い具合に両親種族の特有能力を半分ずつもったのだ。




見た目で判断してキョクビは蛇族の学校へ通っている。

人里から離れた森奥地に住んでいるが、山猫特有の脚力で難なく森を突破して登下校の毎日。


「母上!ぼく……じゃなくて、オレ!体育の走り幅跳びで今までの記録を超えたんだよ!

友達がね、お前凄いじゃんって褒めてくれたんです!」


学校に入学して最初の頃は不安で押し潰されそう背中を送り出す日々だった。

しかし今では学校であった事を毎日楽しそうにサンミャに話している。


自分をオレと呼びたいお年頃なのかな、とサンミャは微笑ましくいつも楽しそうにキョクビの話を聞いていた。



キョクビの目上の者に対しての敬語は大蛇の教育方針や、サンミャが大蛇に対して使っていて姿を見て自然と学んだものである。








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