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禁童録  作者: 雲符
1章 
1/44

始まりの物語


__地上の動物は人型へ進化を遂げ

元祖となる動物種族の特徴を持ち、知性・理性を持った。


虫、鳥、魚、地中の動物、つまり地上動物以外は全て魔獣へと進化を遂げ

種類や個体によって大小は激しいが必ず魔力を持った。


魔獣には突然変異により巨大化や特殊能力を持つ者が誕生したりしている。

人型へと進化した地上生物にも、そこそこの割合で魔力を持つ者が誕生している。__



この世界では犯してはならない禁忌がある。

人型と魔獣の恋情や子を成す事と同等に、人型同士でも異種動物との婚姻及び子を成す事。

特に天敵動物ではこの世界では最も犯してはならない禁忌だ。


いくら知性・理性を持ったといえ、元は動物

本能で天敵は敵対し最悪殺してしまう事例が後を絶たない。

天敵同士で無くとも他の種族との婚姻は力の差や子を成した場合、奇形や死産が多かった。


子が通常であっても爬虫類と哺乳類とでは育て方が違っている。

例え同じ哺乳類同士でも一族総出で過保護に育てる種族、夫婦一体で育てる種族と色々異なり最終的に同動物種同士の方が子供の生存率がはるかに高かった。


というのは建前で、それ以前に異種同士の子は禁忌であり産まれて早々に親の目の前であろうと、周りの者達に殺されているのが真実だ。


この事実を踏まえ、天敵同士での婚姻及び子を成す事とはこの世界では最大の禁忌である。



桃色の美しい長い髪を背中で束ねた母親の腕には、母親譲りの美しい毛並みに薄水色の長髪の男の子が眠っていた。


母親はこの世界のつくりを子供向け教育にした絵本を読み聞かせていたのだ。

が、男の子は飽きてしまったのか、母親の温もりが心地よかったのか眠てしまった。


男の子が眠ってしまった事に気付いた母親は女神のごとく美しい微笑みを浮かべ、起こさないようにゆっくりと絵本を置き男の子を優しく撫でながら


「禁忌でも、私達は後悔してない」


静かに、しかし芯のある強い意志を感じる表情で呟く母親の覚悟はそれ相当には壊せないものが伺えるものであった。



母親の名前はサンミャ

山猫の唯一の生き残りの女性である。


子供の名はキョクビ

正式には猫供蛇-ビョウキョクビ-



山猫と蛇による異種夫婦の子である。


猫と蛇という天敵同士の最大の禁忌の子









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