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閉じていた目が、ゆっくりと開かれた。
自身が本当にそこにいるような不思議な感じだ。
淡い光と共に、心地よいBGMが聞こえる。
ふと、目の前に半透明の女性が現れた。
「……!」
「はじめまして、驚かせてしまいましたか?申し訳ありません。リベルタファンタジーの世界をご案内させて頂きます、レイミィと申します」
ぺこりとお辞儀をした女性は、どうやら案内をしてくれるプログラムだったらしい。
「いや、大丈夫だ」
宗介がそう言うと、レイミィはパッと手を上げた。
すると立ち待ち、彼女の後ろに中世のヨーロッパのような町並みと、真ん中には武装した男女の人間、右側には耳の長いエルフのような男女、そして左側に耳と尻尾の生えた男女の姿が映し出された。
「今から、キャラクターメイキングを開始させて頂きます。まず、お客様のキャラクターのお名前を教えて下さい」
いきなりの演出に驚きつつも、宗介は言う。
「じゃあ、「宗介」で」
「宗介様ですね、該当者ありません。使用可能です。プレイヤー名「宗介」様でご登録させて頂きます。暫くお待ち下さい。
…………完了しました。次に、種族の設定に移ります。種族は三種類、ヒューマン、エルフ、ビーストから選ぶ事が出来ます。種族によってステータスの補正が御座いますが、説明を受けますか?」
どうやら耳と尻尾のある男女はビースト、耳の長い男女はエルフであっていたらしい。
そもそもこのゲームの中のステータス概念というものが分からないため、宗介は迷わず説明を受けることにした。
まず、ステータスについて。
リベルタファンタジーでは、STR、INT、DEX、VIT、AGIという五つの項目がある。
STR:主に剣、拳、斧の攻撃力、筋力を上昇させる。
INT:主に杖の攻撃力とMPを上昇させる。
DEX:主に剣、弓、銃の攻撃力、クリティカル率、器用さを上昇させる。
VIT:主に耐久力、HPを上昇させる。
AGI:主に弓、銃の攻撃力、回避、素早さを上昇させる。
ステータスはレベルアップ毎に3のステータスポイントを貰うことができ、プレイヤーが自由に割り振る事の出来るタイプである。
筋力を上げたら力が強くなったり、素早さを上げたら早く走れたりするのだろうか?
それもまた楽しそうだ。
ヒューマンは万能型で、エルフは魔法寄り、ビーストは素早さが高いようだった。
説明を聞く限り、色々な職業がありそうで少しだけ心が躍る。
職業は全く決めていなかったが、取り敢えず何にでも慣れそうなヒューマンに決定した。