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2.最悪のスタート

ここから異世界スタートです。

うまく雰囲気が出せているでしょうか

 輝也は首を掴まれる恐怖と手足が自由に動かせない窮屈感から目を覚ました。


 そこには輝也が知る天井はなく、所々が錆びており汚れが目立っている、見たこともない天井だった。


 目を覚ませば見たことのない天井が見えるなんてまるでライトノベル異世界物語の定番だな、と内心呆れつつ輝也は立ち上がろうと体をひねる。


 ガチャッ


 鈍い金属音がした。

体を止め、その金属音の発信源を見る。


 するとそこには自分の腕にかけられた手錠があった。


「……ッ!」


 すぐに能力を発動し手錠を破壊しようとするが、手錠は軽く震えただけで破壊どころか歪ませることすらかなわない。


 ほんの一瞬、内心でパニックになりかけた輝也だったが、気がつけばさらに足からも違和感があることに気づき、恐る恐るそこへ視線を下ろす。


 そこには輝也の足を枕替わりにして横たわっている少女がいた。



静かに胸に手を当て深呼吸をする。


 そして目を凝らして見ると少女も輝也と同様手錠がかけられており、身につけているものは服というより布を腰に巻いているだけと非常に粗末なものであるということわかる。


 じっと見ていたらもそっと少女が動いた、それを見計らって声をかける。


「なぁ、ちょっといいかい?」


「……なに?」


 不機嫌そうな表情と返事が返ってくる。

しかし胸あたりがはだけそうなところを見ると昨夜のOLさんを思い出す。まぁもちろん目の前の子の胸には起伏などなく、そんな幼女の裸に興味はない輝也にとってそのことは大して輝也を動揺させるには至らない

一応念のため、そう念のためもう1度だけ胸を一瞥して少女の目を見る。でも決してロリコンなどではない。


「ここはどこかわかる?わかるなら教えて欲しいんだけど」


「えっと……ここは私たちの部屋でしょ?」


 問いに対して少女は困惑したように答えた。


 その返答を聞いて周りを見回す。

全てむき出しのコンクリートのような固そうでネズミ色の壁に窓と入口には鉄格子がはってある。

広さは4畳程度、別室などなくトイレも仕切りなしでぽつんと近くに設置してある。

一瞬トイレと少女を見比べて赤くなってしまう自分を殴りたくなる輝也だったが、冷静さを再び取り戻す。


 自分の知識の中から判断するとここは牢屋に近い作りをしている。より詳しく知るためにここの部屋をよく知っているであろう少女に質問を投げかける。


「……ここは牢屋とかではない…よね?」


その問いに対して軽く首をかしげて、少し驚いたように目を丸くする。


「いや、そんなところでしょ?正確には収容所だけど」


「収容所……?」


その少女の返答は当たり前のことを確認するような、まして嘘などついている様には見えないものだった。



 別に無理やり考えれば自身の超能力を調べるためにここの収容所にぶち込まれたとも考えられる、しかし今までそんな動きも無かったし急すぎる。目の前の女の子も何か特別な力を持っているようにも見えない


必然的に疑問はさらに湧き出てくる。


一応仮説を立てて考えてみる、超能力者を調べるために連れてこられた?しかしそれはすぐに否定する。万が一そうであってもこんな粗末なところに収容するだろうか。

自惚れかもしれないが少なくとも分母が小さくなるであろう被検体だ、もっとモルモットとしてであろうと丁寧に扱うはずだ。


それから否定してまたも仮説を立て、それを否定した。


頭が痛くなるような自問自答を繰り返していると、不思議そうな目をして少女は言った。


「何か考えてる? 聞いてあげよーかー?」


「ほ、本当!?」

少し間延びしたような提案にすぐに食いつく。

もちろん断る理由のない輝也はすぐに質問を始めた。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


少女はボロボロな見た目によらず会話はスラスラと進んで内容も良く把握できた。


しかし、把握はできても理解ができないことは山ほどあった。


まずこの収容所は奴隷収容所だということ、これはただ信じることができないのではなく信じたくないだけだと思う。

もしかしたらそんな制度のある外国に連れていかれているのではないかという予想を立てる。


しかし次のことは精神的にも肉体的にも非常識と言われている自分でも信じることはできなかった、その内容は……


ここは自分の知っている世界とはだいぶ離れたところにいるということであった。

常識も世間的な知識も大きくずれている。

普段なら君の頭の中はお花畑だね、で済むはずのことであるがこの少女" テコ" ちゃんの目は嘘をついている目にはとても見えなかった。


その信じることのできない話を聞いて質問する口を閉じた。

これ以上話してもこれ以降は頭が受け付けないだろう、ここの世界はどうなっているのか、この新たなとてつもなく大きな疑問を抱えてしまったからだ。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

その後は時間をつぶすようにテコちゃんという女の子と他愛もない愚痴とも笑い話とも言える話をしていた


 ーーーーーガタン


自分の折の中に食べ物らしきものが入ったお盆が置かれる。


「見たことないものだ」


まずは犬のようになめろ、と言いたいのかお皿に入った水となぞの固形物2つ、それは固く味はない。

食事はそれだけのようだ。ただ、この狭い空間で身動きもとれないのであれば食欲もわかずちょうどよいかもしれない


それを食べ終わるとテコちゃんは寝てしまった。所詮は小さな女の子だ。

輝也は天井を見上げながら再び考え事にふけった。



ーーーーーーーーーー


とくに代わり映えのない、錠につながれているだけの状態だ。特に何も無く、粗末な食事をし、考え事をし2日ほどたった時だ。


ーーーーガタン


食事のお盆が置かれる。

無意識にお盆へ手を伸ばす、しかしそこにはいつもの半分の水と1個の固形物しかなかった。


「あれ?」


「お前はこっちだ」


 と、かれている声ではあるがドスが少しきいた声を浴びせられる。

そして輝也のの首に首輪をつけて檻から出された。


 そのまま引っ張られながら近くの先ほどいた部屋とは作りが異なる部屋へ連れていかれる。


 その際、途中周りを見回してここがどんな場所なのか確認することにした。

しかし、確認することで悪寒が走った。

ここにいるほとんどが大人には満たない女の子しかいない、そしてその人達の服装はテコと同じ、布を巻き付けているだけで首輪と手錠をかけられている。

挙句の果てにはその人達の目は皆死んだ魚のような目をしていて生気を失っていた。


 あまりにも静かだ。

 なにか違和感を感じる。

何かが引っかかる。


 それよりもテコの話を考慮し、今の自分や周りの状況を見てかなり真実に近いだろう仮説を立てた。


 自分は奴隷だ。


 それはテコが言っていたことは真実だと認めることになる。

だとするとここが知らない世界である不安が増していく


少しだけ、ほんの少しだけ信じてみることにしよう。ここは自分も知らない、もしかしたら地球で刷らない場所かもしれない

もし見当外れの考えであったら笑い話にでも変えて笑ってやろう。

騙されたつもりでやってみろ、これ以上この言葉が似合う状況はあまりない。


「ぶわぁ!」


されるがままに連れ回され、止まったかと思うと突然水をかけられ、無理やり汚い布で体を拭くよう命令された。


 めちゃくちゃだ、そう思いつつも輝也は命令に従う。

様子から見るに自分が奴隷ならこの大男は奴隷の管理人かなにかだろう、ならば命令には逆らわないのが無難だ。学校でちょっかいをかけられていたときと同じだ。逆らわない


「終わったな?」


 拭き終わると大男はまた輝也の首輪を掴みほかの部屋に連れていく、その時再びさっきテコの部屋が見えた。

どうやら一周したか、同じ道をもどっているみたいだ。今生の別れになるかもしれないし、短い期間だけだが同室になったテコへと挨拶でも使用と目線を向ける。


 輝也の目には少し予想を外れた光景が写る。


 テコは目を見開きこちらを凝視している。


 よく見るとテコを見るとテコの口が動いていた。


輝也はとっさに目を逸らす。

不気味だ、さっき話していた時までは感じられなかった不吉なオーラを感じる。

それは輝也に何とも言えない不安を感じてしまった。



 そのあといくつかの部屋を経由してほかとは異なり、キレイな部屋に出る。

 そこには一人の無精ひげを生やし、輝也を引っ張っている管理人よりも体格がよく、よくアドベンチャーで想像するような剣をもつ男がいた。


 少しあっけにとられていると、耳を疑うようなの言葉が飛び込んでくる。


「デウロ様、ご注文の性奴隷・・・を連れてまいりました」

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