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戦国小町苦労譚  作者: 夾竹桃
天正六年 織田政権

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244/246

千五百七十九年 十一月中旬

西国の覇王、毛利が破れた。この情報は戦国時代としては異例の早さで日ノ本を駆け巡り、天下万民を震撼させた。

それは日ノ本に於いて信長に抗し得る勢力が絶えたことを意味し、事実上の天下統一が成されたのだと有力者たちは認識する。

辛うじて一部の公家と仏家が信長に対して反発する姿勢を見せているものの、あくまで政治的な駆け引きに過ぎず、武力を以て信長を排しようとする勢力を構築するには至らない。

残すは帝より征夷大将軍に任じられ織田幕府を開きさえすれば、名実ともに信長が天下人となるのだ。


こうした状況下の京に於いて盛大な催しものが行われようとしていた。それは静子の後継者である四六の元服式である。

静子は「信長の懐刀」、「物流の女王」等様々な異名とそれに見合う莫大な財力と権力を持っていた。

その全てを引き継ぐと目されている四六の元服式は、様々な人々の野心と思惑が交錯する社交の場となっている。

金、権力、色事の全てに興味を示さず懐柔できない静子とは異なり、若い四六ならば(くみ)しやすいと考えて交誼(こうぎ)を結ぼうと日ノ本中の野心家が集まった。

そんな大人たちの事情が複雑に絡み合った結果、四六の元服式は大幅な延期を繰り返した末にようやく実施されるに至っている。

しかし延期を繰り返した弊害が予想外の形で主催者となる静子を苦しめることになった。

何せ天下人たる信長と静子の義父に当たる前久(さきひさ)は勿論、彼らの家臣達や関係者だけでも相当数に及ぶというのに帝までがご隣席されるとあって参加者数は爆発的に増えた。

如何に広大な京といえど、遠方から訪れる来賓たち全てに対して相応しい宿泊環境を提供できるはずがない。

事前に京周辺に存在する衛星都市に対して振り分けを行ったり、主に身分が低い者達に向けた簡易宿泊所の増設などの対処を行ったりしてはいるが到底追いついていないのが現状だった。

そんな混乱の渦巻く環境であれば良からぬことを企む不心得者も現れようというものだ。

しかし、彼らのよこしまな考えは警備を担当する京治安維持警ら隊及び静子軍が活動を始めると鳴りを潜めることとなる。


「我が軍が、これほどまでに一か所に集結するのは本当に久しぶりだね」


静子は眼下に整列している自軍の兵を眺めて言葉を零す。静子軍は六から七割程度が兵站部隊であり、その多くは黒鍬衆などの後方支援部隊である。

そしてそんな彼らは他の武将から要請を受けて派遣されることが多く、他軍がいくさで十全に戦果を挙げられるよう支えていた。

こうした事情から必然的に静子軍の全部隊が集結することは難しく、今も尚遠地にて治安維持や物流支援などに就いている者も多い。

今回は主君たる静子の後継者が社会にお披露目される一大事とあって、皆が無理を押してまで調整を付けて駆け付けているのだ。

そんな静子軍にあって一際異彩を放っているのが戦闘部隊の中でも重火器を運用する機甲部隊である。

皆が連発式の新式銃を装備しているのは勿論のこと、西国征伐に於いてもその実力を如何なく発揮した大砲が威容を誇っていた。

更に居並ぶ大砲よりも手前には、複数の銃身を円形に束ねた奇妙な見た目の兵器が鎮座している。

それは足満が開発した無煙火薬によって実現した拠点防衛用の新兵器であり、静子が『本能寺の変』を警戒して開発を急がせた虎の子でもあった。


「流石にこれだけの人数が集まると圧巻だな!」


ド派手な陣羽織に身を包んだ慶次が口笛を鳴らして軽口をたたく。流石に万を超える兵たちを一か所に集結させるのは不可能であったため、選抜された精鋭たちが閲兵の栄誉に浴しているのだ。

一様に誇らしげな表情を浮かべている兵たちと、およそ戦国時代に似つかわしくない最新鋭の装備は驚嘆の一言に尽きる。


「毛利が下ったことで日ノ本からいくさがなくなる日も近いだろう。俺の腕を振るえる場所がなくて困るな」


「昨日も伏見辺りまで出張っていたって報告が届いているんだけど?」


「アレは酔漢同士の喧嘩が斬り合いになったと聞いたから鎮圧に(おもむ)いたんだ。結局現地に着くまでに鎮圧されてしまって空振りだったんだぞ!」


静子の鋭い指摘に対して長可は不服そうに顔を背けた。荒事とあらば何処にでも駆けつける長可の身軽さには呆れつつも、最低限の警備が機能していることに静子は安堵する。

彼女は目前に控える元服式に関連する仕事に忙殺されており、長可が暴れる程度の些事に構っている余裕がない。

何せ天下人たる信長を出迎えるという大役を仰せつかっている上に、当の信長は四六の元服式に於いて烏帽子(えぼし)親を務めることになっている。

これに黙っていられないのは四六の義祖父となる前久だ。通常の元服式に於いては烏帽子親と呼ばれる者が烏帽子を被せ烏帽子名を付けるのだが、これに前久も名乗り出た。

散々に揉めた末に烏帽子親の役割を分担することで落ち着き、前久が四六に理髪を施し烏帽子を被せる加冠役を担い、信長が幼名を改め自身の名から一文字を贈って烏帽子名を付けることとなる。


「思惑は判るんだけれど……せめて穏便に終わって欲しいよ」


この烏帽子親騒動については武家と公家という文武正反対の性質を持った勢力同士の駆け引きが関連している。

信長の配下に於いて屈指の経済力及び軍事・政治力を誇る静子の基盤を継承する四六の後見人となる烏帽子親をみすみす相手に渡す訳にはいかないのだ。

世の情勢は武家に傾いているとはいえ、公家達も日ノ本の中枢を担い続けてきた自負がある。決して負けられない戦いであった。


「織田の殿様は内外に喧伝したいんだろうさ。武田との決戦以降、一度として集結することが無かった静っちの軍を世に知らしめ、いくさを起こそうという気概を挫くつもりじゃないかねえ?」


既に大砲という圧倒的火力の存在によって籠城という戦術は崩壊しつつある。そこに来て数的優位すら覆す新兵器の登場により、数を(たの)みにいくさを仕掛けるという愚行を抑制する狙いだ。

何せたった一部隊だけで十倍の兵数を打倒しうるのだから従来のいくさの常識を根底から覆す存在となり得るだろう。

信長は四六の元服式という餌によって多くの人を集め、それら全てに新時代の到来を目に焼き付けてやろうと目論んでいた。


「京の警備に当たる兵にも連発式銃を配備するとか、朝廷に圧力でも掛ける気なのかな? 二条城と本能寺の設備改装に至っては、上様が帝を(しい)さんと企んでいるようで嫌なんだけどね……」


「二条城に至ってはもはや防衛施設じゃなくて死地を体現したとでも言うべきだ。本能寺についても寺院が備えて良い防御力じゃないぜ?」


静子は『本能寺の変』を未然に防ぐべく徹底的に要塞化を進めた結果が二条城と本能寺であった。

表向きの理由としては前久の邸宅が近いため、身の安全を確保すると(うそぶ)いてはいるものの明らかに過剰な設備だ。

更に避難訓練と称して二条城及び本能寺での軍事演習を幾度も行っており、不具合や問題点を洗い出しては執拗に改修を繰り返している。

その甲斐あってか今では洗練された防衛網が構築され、生半可な兵力では京に立ち入ることすら出来ないほどに仕上がっていた。


「守りはどれほど堅固にしても不安が尽きないんだけどね……上様がお着きになったからお喋りはここまでかな」


そう言うと静子は信長が通る道を避けて横に回り、更に(あぶみ)から片足を外してみせた。

これは目上の者に道を譲ることで忠誠心を示し、鐙を外すことによって敵意が一切ないという意思表示となる。

衆目のある環境で信長を出迎えた静子が、この礼儀作法を取ることが重要であった。

こうした姿勢を徹底しないと、静子に野心を焚きつけようとする輩が暗躍を始めるのだ。

これを面倒に思った静子が信長に対して過剰なまでの対外的な忠誠心を示すようになり、これを長年に亘って続けたことでようやく身辺が穏やかになったという経緯がある。


「出迎え大義であった」


「馬上にて失礼(つかまつ)ります」


信長の言葉に対し静子は馬上のまま頭を下げる。本来は下馬して礼を取るのだが、流石に静子の地位でそれをされると信長も体面が悪いためこの様式が定着している。


「これより上様を先導して京へと向かいます。道中の安全には万全を期しておりますので、上様はごゆるりとお(くつろ)ぎ下さい」


「うむ。では――」


静子の言葉に信長が応えようとしたのを遮る者が現れた。


「おやおや、そこにおわすのは織田殿ではございませぬか!」


まさに今出発せんとしたタイミングで場違いにのんびりとした声が飛んできた。声の方を振り向くと和やかな表情を浮かべる前久がいた。

信長は一瞬だけ苦々しい表情を浮かべるものの取り繕い、元の超然とした表情に戻す。

どうやら信長は前久を出し抜こうと画策したのだが、それを察知した前久は同行を断れない状況で声を掛けてきたのだった。

そんな迂遠(うえん)な駆け引きをしている二人に内心でため息を漏らしつつ、静子は周囲の兵たちに合図を送る。

彼女の指示を受けて周囲を警戒していた静子軍の兵たちが縦列を作り、あっと言う間に信長と前久の周囲を固めた。


「それでは京へと参りましょう」


こういう場面では膠着状態に陥る前に介入すべきだと学んでいる静子は、有無を言わせず二人に行軍の開始を告げた。

流石の二人も一糸乱れぬ統率を示した静子軍を前に睨み合いを続けるわけにもゆかず、大人しく従う。

この後も大小様々な場面で小競り合いをする二人に辟易しながら、静子たち一行は京入りを果たした。







二人の言動に早くも疲労を(にじ)ませる静子だが、四六の元服式を無事完遂するまではと気力を振り絞る。

先に現地入りをして準備を進めていた面々と合流すると、すぐさま元服式の最終チェックに入った。

これが四六(こども)に対する最後の贈り物となるため、静子の熱の入れようは相当なものだ。

用意した品はいずれも一級品であり、その中でも一際優れたものを厳選している。

金と権力は勿論、必要とあらば自らの足を使って出向き、頭を下げて助力を()う場面すらあった。

流石に無理強いまではしなかったものの、出来得る限りの手を尽くすという態度は一貫していた。

こうして集められた品々を前に笑みを浮かべる静子の姿は、周囲に四六が彼女の後継者となるのだという認識を深めていく。

元服式の事前確認が終わると、静子は自軍の将兵たちに招集をかけた。


「今日という日の為に、皆が万難を排して(つど)ってくれたことを嬉しく思います」


静子邸の閲兵場に整列した諸将を前に、静子が彼らをねぎらった。

これに対して静子軍の主だった将たちは臣下の礼を示す。

静子軍はこの瞬間も京治安維持警ら隊と協力しながら警戒を続けており、各部隊の将たちが抜けても仕事は滞りなく回っていた。

四六の元服が終わりさえすれば、持ち回りで休暇を与えられるのだが、それまでは多くの仕事が山積していた。


「皆も知っているように、私の息子が遂に元服を迎えます。親の庇護(ひご)から抜け出し、大人の一員となる四六を歓迎して貰えると嬉しく思います」


静子の隣に控えている四六が、諸将に対して深々と頭を下げて見せる。


元服とは、これまで親の監督下にあった子が巣立ち、社会の一員となる成人の通過儀礼である。

元服によって四六は名実ともに大人として扱われ、これによって静子の後継者としての立場がより強固なものとなる。

これまで四六が後継者とされつつも重要視されていなかったのは、ひとえに元服をしていないことが理由であった。

この時代に於いて大人と子供とではそれ程までに扱いに差が出るのだ。

特に静子のような立場を継ぐとなれば、これに仕える家臣達も自身を含めた一族の命運が左右されることとなる。

四六が静子の後継者に相応しいかどうかを見極めるためにも、家臣達の態度が慎重だったのは当然とも言えた。


「私自身が親として未熟であり、そんな私が育てた息子もまた未熟でしょう。特に男社会に於いては私では判らぬことも多いでしょうし、皆が先達として導いて下さることを期待します」


男と女は何処まで行っても相容れない存在であり、男には男にしか判らない男同士の付き合いというものが存在する。

それは女である自分では理解しきれないところであり、これを四六に教え導けるのは同性の先達であると彼女は考えた。

逆に女の生態については自分でも理解できるため、器の時には色々と教えたり、若干不安が残るものの濃姫の教えを請うたりもしている。


「少し皆の緊張をほぐそうかとも思ったのですが、本題に入りましょう」


静子の言葉を受けて諸将の間から笑いが漏れる。普段から格式ばったことをしたがらない静子が、こうして諸将を集めたということは何か重大な発表があることを意味する。

そして静子の隣に四六が控えていることを鑑みれば、間違いなく彼に関連する話だと皆が理解した。


「逸る気持ちは判りますが、ひとまずは私の話を聞いて下さい」


腰を浮かせかけた将たちを静子は片手で制する。

彼らの言わんとすることを静子は理解しているが、その前に自分の言葉を聞いて欲しいと彼らに訴えた。

若干ばつの悪そうな表情を浮かべつつも、諸将は再び片膝をついて傾注の姿勢をとる。

全員が静子の言葉を待つ中、彼女は全員が予想だにしなかった言葉を口にした。


「私は皆に四六に仕えよとは命じません。皆自身が四六を見て、彼の言葉を聞いてその上で彼に仕えるか判断して欲しいのです」


我が子に仕えるか否かは各自の判断に任せる。まさかの発言に諸将は動揺を隠せない。

流石に四六も予想外だったようで、驚きの表情で静子を見つめていた。


「四六、私の家臣達は『後継者』という名だけではついてきません。真に彼らの心を揺さぶるのは、死をも恐れぬだけの夢を描いてみせることです」


静子軍には他に類を見ない最新式の強力な武装が配備されているが、それだけで精強な軍となっている訳ではない。

充実した武装に加えて、彼らの士気が抜きんでて高いからこそ強兵となり得ている。

それは彼らが静子の夢に心から傾倒し、彼女の夢に殉ずる覚悟を抱いたからこそ死をも恐れぬ死兵となれるのだ。


「人の上に立つものは、配下に未来を与える必要があります。四六、貴方は己の夢を家臣達に語って見せ、私よりも貴方に付いて行きたいと思わせるのです。さすれば皆が自然と貴方を主君と仰ぐことでしょう」


静子の言葉は、四六に己の家臣を奪ってみせよと言う内容であった。これには四六も堪らず疑問を口にした。


「母上はその……それで宜しいのでしょうか?」


家臣達が四六に仕えるということは、静子に仕える家臣達がいなくなることを意味する。これまで共に歩んできた家臣達が惜しくないのかと、四六は問わずには居られない。


「私の教えを受けた貴方は、いずれ私以上に成長して私を超えていくでしょう。親としてこれ程に嬉しいことはありません。そして私以上の夢を知り、それに殉ずる家臣達に何の不満がありましょう? それによって皆や民草の暮らしが良くなるのなら、私のことなど構う必要はありません」


この静子の言葉を以て、諸将は各々の仕事へと戻っていった。

殆どの家臣たちは静子の思いを聞いて満足し、また四六に仕えることを強制しないという言葉に安堵もしていた。

彼らは決して四六を軽んじているわけではない。彼らはただ静子から受けた恩を返さぬまま、四六に仕えることを(よし)としないのだ。

これに対して四六は思わず頭を抱えてしまっていた。その様子を隣で見守る慶次は、手酌で酒杯を呷っていた。


「早くも母上の後を継げるか不安になってきました」


「アレが静っちだ。皆が夢見た『誰もが当たり前に飯を食って、当たり前に明日を享受できる未来』を実現し続けてきた女の姿だよ」


杯を()しながら慶次は豪快に笑う。四六が頭を抱えているのは、静子が見せた以上の夢を描き、それを皆に示して酔わせられるのかという現実を突きつけられたからだ。

生物の宿命として、いずれは静子の方が四六よりも先に命が尽きる。そうなれば必然的に家臣達も四六について行かざるを得ないだろうが、それでは彼女の後を継いだことにはならないと四六は考えた。


「静っちの将たちだって何も悪意でお前に仕えない訳じゃない。本当に静っちが命じたのなら、内心は別にしてお前に仕えるだろうよ。ただそれでは本当の意味でお前の家臣とは言えないから、今回の話をしたんだと思う」


「確かに腹に一物を抱えた家臣では、私も疑心を抱かずにはいられません。そうした隔意はいずれ大きくなり、最終的には破綻を生むのでしょう」


「最初から完璧にやり遂げようと思うから不安になるんだ。まずは一人、たった一人でもお前の夢で心酔させることが出来たのなら、周りもお前を認めるだろうよ」


「誠心誠意努力します。何の活躍もしていない、唐突に出てきた青二才に従えないのは私も判ります」


「あいつらだって、女ってだけで軽んじられる世の中で、静っちについていこうと思った変わり者だ。まあ、俺も人の事は言えねえがな! わははははっ! それだけに皆も新しいものを受け入れる度量は持っているだろうよ」


「母上が歩まれたように、一歩ずつ着実に成果を出していきたいと思います」


(母上は本当に何もないところから始められたのだ。それに比べれば、自分は最初から充分に恵まれた環境が揃っている。この程度で()を上げるなど、母上に顔向けできぬ)


小さくとも一歩ずつ、己の出来ることを丁寧に積み上げていこうと彼は心に誓う。そんな彼を慶次は面白そうな、それでいて優し気な表情で見守るのだった。







同時刻、あと僅かで京へと至る場所に全身が薄汚れた集団が現れた。余りの見(すぼ)らしい有様に、同じく京へと向かう人々が遠巻きに眺めながら通り過ぎてゆく。

そんな民たちの視線すら気にならない程に、彼らは疲労困憊であった。


「や、やっと……ついた!」


「この年で無茶をさせないで下さい……兄上。ひとまず風呂に入りたいです……」


集団の正体は、毛利と講和をしていち早く京へと向かったはずの秀吉たちであった。目の下に濃い隈を作り、酷い悪臭を漂わせる汚れた服装から、周囲の人々からは浮浪者だと思われている。

疲労の極致に達している彼らにはそんな視線すら気にする余裕が無かった。


「その前に寝たい……もう、無理……」


掠れる声で言葉を発した後、秀吉は馬上で意識を手放した。


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