第十五話 ドキドキ真夏の海水浴旅行 浜辺編
青い空、青い海、白い砂浜。
そう、俺は今真夏の海岸にいる。
そして照りつける日差しの中、ビーチパラソルを組み立てているところだ。
そうそうずっと考えていた奈穂のことだが、今は置いておくことにした。
俺がいくら考えても答えは出ない。そういう結論に達したのだ。
それにもし愛美姉が言っていたことが本当なら、俺から聞かれたくはないだろうし、
その時は本人から言い出すだろう。
静の時のように……。
この場所についてだが、ベンツで来たからにはプライペートビーチに連れて行かれるのかな?
という淡い期待もあったが、そんなことはなく、普通のビーチであった。
それでも人数が少ないところを見ると穴場的なスポットなのだろう。
しかも泊まり先は朝霧の本家だとか言ってたわけで、俺と女子5人の合わせて6人、
これだけの人数が泊まれるんだからどれだけ広いんだと。
流石というか何というか。
しかしまあ、女子の着替えというものはほんとに時間がかかるものなんだなと思う。
皆がいなくなってからだいぶ時間がたっているのだが、誰一人として戻ってくる気配がない。
それ以外にも色々と準備というものがあるのだろうが、それにしても……
う~ん暇だ。
ふと視線を左に向けると、水着のお姉さん2人の姿が飛び込んできた。
顔がどうのと言うよりも、まず視線が向いたのが胸だった。
うちのパーティーには愛美姉もいるから大きさは負けていないはずなのだが、
それにしてもデカイ。
なんというか、静の目の前で視線を向けたらそれだけでぶっ殺されそうな、
そのぐらいの大きさだ。
……やめよう、このままだと知らぬ間に静が真後ろまで来て、デレデレしてる俺に背中から
ナイフを突き刺して地獄絵図になる。
と、そんな少し恐い妄想を浮かべながら作業をしていると、パラソルの組み立てが終わった。
疲れた俺は一息つくことにする。
ある程度覚悟はしていたが、こういう時の男っていうのは雑用係なんだなあ、
とそんな感想を覚えた。
結構大変だったことを考えると、女性にコレをやらせるのは俺の主義に反するところではあるのだが、
それでも一人で黙々とやらねばならないことを考えるとちょっとした疎外感があるわけでして。
一人って……寂しい。
「お・ま・た・せ。悠樹」
聞き慣れた声に脳が現実へと引き戻された。声の方へ視線を向けると、俺のよく知る
美少女2人が水着姿で立っていた。
ああ、先に断っておく。藤村は見た目だけなら美少女の部類に入るから。
藤村のはビキニにショートパンツタイプの水着という、持ち味である明るさを
全面に押し出したいかにもらしいチョイス。
倉島のは、可愛いいのにしますね。という宣言通り、フリル多めのビキニタイプだ。
その、なんというか、水着は偉大だなと思う。
正直なところ2人共めっちゃかわいい。
特に藤村なんぞ馬子にも衣装というべきか、普段感じない魅力に溢れている。
ん……なんか一瞬寒気が。
「どう?どう?悠樹。真央さんの魅力に骨抜きかな~」
「あの、どうですか悠樹さん。似合ってます?」
セクシーポーズらしいものをとる藤村と、恥ずかしそうにモジモジする倉島。
倉島はともかく、藤村には少しいじわるしてやるのもいいか、とも思ったが、
とりあえず正直な感想を述べてみることにした。
「ああ、2人共凄い似合ってる。可愛いよ」
俺の返答に可愛らしくはにかむ倉島。
藤村の方は俺の返答が予想外だったらしく、顔を真っ赤にしながら、その、あの、可愛いとか、えっと
などと戸惑いの声をあげている。
この反応を見てると思うのだが、褒めちぎったら静以上に恥ずかしがって失神するんじゃなかろうか?
こんどやって……見てもいいがその後が色々怖いのでやめておこう……と思ったがちょっとならいいか。
「あーこんな可愛い子の水着姿を、それも2人も見れるなんて俺は幸せものだなー。
なんかこう少しムラムラするぐらいに」
予想通り藤村のアタフタ度合いがパワーアップした。
が、倉島の方はというと。
「褒めるのはいいですけど、セクハラはあまり感心しませんよ」
目が笑っていなかった。
調子に乗りすぎたらしい、怒られてしまった。
「それよりも……静さん?悠樹さんに見せてあげてはいかかですか?」
よく見ると倉島の後ろから小動物のように、ひょこっと頭だけ見せる静の姿があった。
「……やっぱり……恥ずかしい」
静らしいというかなんというか。
「静、静の水着姿見せてくれると嬉しいんだけどな」
「……悠がそう言うなら」
倉島の後ろから現れた静の姿は俺の予想をはるかに超越していた。
静の雰囲気からワンピースタイプの水着辺りで来るだろうと予想していたのだが、
まさかのス・ク・ー・ル・水・着だと!!
ドストライクだった。あまりの可愛さに血液が逆流し鼻からドバっと放出される。
「あー……やっぱり悠樹そういうのが好きなんだ」
藤村は呆れ顔でそんなことを言ってきた。
うるさい黙れ、好きなもんは好きなんだからしょうがないだろ。
それに俺はあくまでも静のスク水姿がドストライクなわけであって、
決してロリコンでは無いぞ。
イエスロリータ!ノータッチ!
「悠樹さん、それをロリコンと言うのでは」
倉島に苦笑いされてしまった。
「大丈夫悠?その……やっぱり似合ってないかな?」
静よ?俺の反応を見てどうしてそういう思考が浮かぶのか!
いや、もしかしたら静には、無いわ~、見てられないわ~。という反応だと思われているのかもしれん。
ここは誤解を解いておかなければ。
「可愛い!可愛いに決まってるだろ!俺ドストライク!最高!」
うお!手を離したら鼻から血がドボドボと!
「……あ、ありがと……。でも……はい、ティッシュ」
俺の鼻血を見てどういう風に思っているのか感じ取ったようでして、
顔を真っ赤にして下を向きながらティッシュを渡してきた。
この状況で無ければ、お持ち帰りしてペロペロしたいとこだが、……自重しよう。
「まあ、そう言いながらさっきは巨乳のお姉さんをガン見していたがな」
その時この場の全員に電撃走る。
知らぬ間にパラソルの下で寝そべっていた愛美姉が、突如爆弾を投下していった。
というか俺のその状況を知っているということは……いつからいた!
「まさか、悠樹さんの幅がそこまで広かったなんて!……この中途半端さはやっぱり不利なのでしょうか」
倉島よ、胸をタプタプ上下させるのはやめてくれないか。精神衛生上良くない。
ついでに藤村も何か騒いでいるようだが……。
それよりもだ、静から予想通りの殺気が膨れ上がっていらっしゃる。
「し、静さんや、少し落ち着こうか?」
「……悠の……悠の……バカアアアアアアアアア!!」
ノー詠唱で発動した風の力は殺傷力こそ無いものの、俺の体を吹き飛ばすのには十分だった。
空高く放り出され、落下を始める俺の体、砂の上とはいえ激痛を覚悟しながら
自由落下に身を委ねる。
しかし痛みは襲って来ず、柔らかな感触が俺を包んだ。
「兄さん大丈夫ですか?」
俺の体を受け止めたのは奈穂だった。
奈穂の水着はというと、リゾート風パレオをつけたタイプの落ち着いた感じのデザインだった。
いがいと余裕あるな俺……。
「ああ、大丈夫。ありがとな」
「いえ、当然のことをしたまでですから」
予想より落ち着いた雰囲気にがっかりしている……暇はなかった。
右腕にとても柔らかく大きな感触が2つ。
……まさか……これは……。
「ど、どうですか兄さん。その……私も成長したんですよ」
普段の、服を着た時の奈穂の胸はそれほど大きくない印象を受けていたのだが、
脱いだ……いや水着の状態で見たそれは明らかに大きく、愛美姉と同程度の柔らかさと
大きさを感じる。
「お……おう」
って、何を考えてるんだ俺は。相手は奈穂だぞ、妹だぞ。
そうは思いつつも理性より本能が勝っているようで、やばい、気持ちいい。
生唾を飲み込む。
……というか落ち着け、マジ落ち着け俺!
どうしていいかわからず軽くパニックだ。
アタフタしていると、左腕に控えめながら柔らかい感触がもう一つ追加された。
そちら側を向くと、静が奈穂と同じように俺の腕に胸をくっつけていた。
感触的には物足りないものがあるかもしれないが、静の(・・)、という
ところが俺を興奮させる!しかも恥ずかしさで顔を真っ赤にしながらというところもだ!
ほ、ほんとにヤバイぞこれ、頭がクラクラしてきた。
「……悠……私のじゃ……」
不安そうな小動物のような声が、さらに俺の脳を揺さぶる!
「いい、いい、最高」
もう羞耻心とか、世間体とかそんなもん捨てたるわ!
「むむむ、それなら私も」
という倉島の声に続いて後ろから柔らかい感触がもう一つ追加される。
ま、待ちたまえ!ほんとにもう無理、無理だから!!
「どうですか悠樹さん、気持ちいいですか」
「あ、あのれすね、みなはん、しょろしょろ」
ろれつも思考ももうまわりませんがな。
「あー雪ちゃんまで。……恥ずかしいけど……えーい」
それがトドメだった。前方からもう一つ柔らかい感触が加わり、
4方を固められ、俺の興奮ゲージは限界を突破した。
抑えこんでいた血液が先ほどの比ではないほど膨張し滝のように溢れだす。
体から血液が足りなくなり始め意識が薄れていく。
あー俺死ぬんかな、でもいいか、こんな幸せの中で死ねるんなら。というか
もうダメ、何も考え……られな……い。
そこで俺の意識はプツンと途絶えた。
目を覚ますと頭がクラクラとした。
強烈な疲労感に襲われている体はぴくりとも動かす気になれず、
ただただ、ここはどこ私は誰?状態である。
「悠……大丈夫?」
声の聞こえた方へと視線を動かすと、不安そうな表情をした静が俺を見下ろしていた。
「ああ……なんとか」
そこでふと先ほどの状況を思い出した。
真っ先に思い浮かんだのが静の胸の感触。
静の胸……やめよう今血を流したら出血多量でほんとに死んでしまう。
死因、興奮による出血死。とかいうのは流石の俺でもごめんだ。
「なあ、あれからどうなった?」
「あの……血を大量に鼻から吹き出して……その後2時間ぐらい意識なかった」
そうか、2時間も意識を失ってたのか俺は。
「それで……その……」
突然頬を赤く染め、視線をそらす静。
「ん?それ以外にも何かあったのか?」
「あの……気絶しながら……お、おっぱいが、おっぱいが……って」
……静よ、そんなに恥ずかしいなら無理して言わなくていいのだぞ。
なんとなく予想はできるが、なんてこと口走ってんだ俺は。
俺も健全な年頃の男子ゆえエロ魔神である自覚はあるが、流石に恥ずかしいぞそれは……。
「まあ無理もなかろう。あれだけの体験をしたら、いい意味でも悪い意味でも
トラウマぐらいにはなるさ」
声のする方、静の真反対を向くと、愛美姉が立ったまま俺を見下ろしていた。
そういえば、愛美姉はかなりきわどい感じの水着を着ているんだな。
布面積がかなり少なく、今までの俺だったら危なかったかもしれない。
……うん、確かにあれはトラウマだ。愛美姉の肢体をマジマジと見ても興奮しない。
「……朝霧」
愛美姉が握っていたグラスが大きな音を立てて砕け散る。
って、ガラスの破片が顔の近くに、あぶねあぶね!
「それは私への宣戦布告と受けとっていいのだな?」
いやいや、意味分かんないから!それと何度も言うけど、教師がそういう格好とか、
教え子誘惑したりとかいいんすかあなた!
「お前は教え子の前に身内候補だから別に構わん」
逆だから!普通逆だから!
ああ~もう、そんなこと言うから静が意識して顔真っ赤になったじゃない!
「そういう静の表情……好きだろ」
……否定はしないですが……って、そういう問題じゃなーい!
疲れた。もうなんでもいいですわ。
「そういえば、他の皆は?」
軽くグルっと見回してみたが、倉島と藤村の姿が見えない。
「真央は……悠の顔見れないって……海のほう行った。
雪さんは……真央の付き添い」
……なんとなく想像がつく。
なにせ藤村の最後のダメ押しは予想してなかったからな。
アレがなければ耐え切る自信は……ごめんやっぱり無いわ。
それでもあいつのあの雰囲気から察するに、場の勢いだったのだろう。
そりゃまあ、俺と顔合わせづらいわな。
逆の立場だったら俺も同じ気持だろうし。
そういえば。
ここでふともう一人足りないことに気がついた。
「奈穂はどうした?」
今のあいつが倉島みたいに、兄さんの顔恥ずかしくて見れない!
とか純情な乙女みたいな反応するわけないし。
……いや、倉島のこと純情な乙女とかないわー。
と、それは置いておいてだ。静をライバル視してる奈穂が、静一人を俺のそばに
残していなくなるとはどうしても思えないんだが。
「朝霧妹ならタオルを冷やしに行ったぞ。ついでに飲み物も買ってくるとか言っていたが」
なるほど、それなら納得だ。
きっと俺が起きてすぐ、兄さんのためにジュース買っておきましたよ、
と言って好感度を上げる作戦なんだろう。
しかしまあ、これは当分動けそうにないな。
せっかく海に来たというのに、まったく泳げないとか残念である。
まあ、あれだけの役得を受けて置いて文句を言うわけにもいかんか。
静のむ……ゲホゲホ。
あまりにも静の胸のことばっかり想像してるから怒っただろうか。
そう思い静の顔を覗きこんでみると、静の視線がある一点に注がれていることに気がついた。
「静も2人のところに行ってきたらどうだ?」
俺のことを気にしながらも、チラチラと藤村達のことを見ていたのである。
「……でも……」
海なんか初めてだろうし、静も本心では遊びたいんだろう。
そんな彼女を俺のところに縛り付けておくのは正直心苦しい。
「俺は大丈夫だから、楽しんでこい」
笑顔でそう言ってやると少しの時間悩んだ後、静は頷くと倉島達のところへと走っていった。
これで静に友達との思い出が少しでも増えてくれればいい。そう思ったのだ。
「ほんとにお前には感謝してるよ」
突然の愛美姉のセリフに、俺は少しばかり戸惑った。
「……俺なんかしました?」
「静が友達と遊ぶ光景なんか一生見れないと思っていたからな」
一生って……。
「そんな大げさな」
しかし愛美姉の表情はとても神妙で、俺は息を呑んだ。
こんなに真剣な表情は、訓練以外で見たことが無かったからだ。
静のことをどれだけこの人が心配しているのか、本当の意味で少しだけ
わかったような気がした。
「あの子はな、お前と知り合うまでほんとに他人と関わることを恐れてたんだよ。
まともに会話すらしようとしなかったんだぞ」
「そんなに……酷かったんです?」
「ああ。藤村なんかあれだぞ、勝手に話しかけてるようなもんだったからな」
それに関しては想像がつく。勝手に喋り続ける藤村、目線すら向けない静。
「最後には勝手に静っち、と呼び始めるようになった……と」
たぶん俺の想像はだいたいあっているだろう。
「うむ……傍から見ると痛い子以外の何物でも無かったなあれは」
教師、しかも担任に痛い子言われるのかあいつは……。
ちょっとだけ藤村に同情した。
「だから本当に感謝してる。ありがとうな悠樹」
そっか、静の役に立ててるんだな俺。
でもきっと、それは俺だけの力じゃなくて、静の強さなんだ。
「さっきも言いましたけど俺は何もしてませんよ。静自信の力です。
それでも、俺がいるだけで静に勇気を与えられるなら、俺としては嬉しいですよ」
「悠樹だけにか?」
ドヤ顔でそんなことを言う愛美姉。
……言わないようにしてたんだけどなあ。
「まあとにかく、これからも静をよろしく頼むな」
「もちろん」
……ってあれ?
そこで俺はちょっとした違和感に気がついた。
「一つ思ったんですが。それだと今回の目的と矛盾してません?」
一応愛美姉も俺争奪戦に参戦してるらしいから、今の発言だと
辞退する、という意味でとってよろしいんだろうか。
まあ、この時点で愛美姉だけでも抜けてくれるのはとても助かるのだが。
「流石に妹から彼氏奪うほど酷い人間では無いつもりなんだがな」
そのセリフを聞いて俺はホッとした。
「まあ、お前が私に気があるというならその限りでもないが」
って、オイオイ。
「もしくは望むなら姉妹丼でも構わんのだぞ」
教師が……もういいです。
「冗談だ。本気にするなよ」
というわりには顔がニヤついてますけどね。
全く……というか不覚にも想像したわ……姉妹丼。
いつも思うのだが、愛美姉の冗談と本気の境目が全くわからん。
う~む、これが大人の駆け引きってやつなんかねえ。
次の瞬間、後ろから強烈な衝撃が俺を襲った。
「兄さん気がついたんですね、よかった」
どうやら奈穂がルパンダイブに近い状態で飛び込んできたらしい。
首痛い。
「体の方は大丈夫ですか?なんともないですか?」
「そっちは大丈夫だけど、奈穂のタックルで瀕死」
奈穂が重い、ってわけじゃないけど、流石に今ずっと抱きつかれるのはしんどい。
「ご、ごめんなさい。その、兄さんが意識を取り戻したのが嬉しかったもので」
愛美姉、ぼそっとあざといって言わない。
「とりあえず離してくれると嬉しいんだが」
「あ、ごめんなさい」
奈穂がどいたのを確認してから再び倒れこんだ。
この程度で軽く意識飛びそうなんだから、やっぱり当分動けそうにないな。
視線を上に向けると奈穂のしょんぼりとした表情が視界に入ってくる。
別に怒ってるわけではないんだが。
「怒ってないから、そんなショボくれた顔するなよ」
「でも……」
どうやらいろいろと気にはしているらしい。
最近何かあれば奈穂のこと怒ってたりするからなあ。
少しきつく当たりすぎか……。仮にも俺の大切な妹なわけだし。
それに悪気があってやってるわけじゃないからなあ。
愛情の暴走を認めすぎるのも良くないけど、少しは認めてやらないといけないよなあ。
「悪い、最近きつく言いすぎだよな。
お前のこと嫌いになったりとかそんなことは無いからさ。
そのだな、……そんな悲しそうな顔しないでくれよ」
俺のセリフを聞いた奈穂は目を見開いてかたまった後、突然笑い出した。
「フフフ、もう兄さんったら」
あ、あれ?奈穂になんだか笑われていますが、俺なんか変なこと言ったか?
「フウ、相変わらずですね兄さん。そこが兄さんらしいといえば兄さんらしいのですが」
どうやら変だったらしい。
「でも兄さんの気持ちは伝わりました。ありがとうございます
兄さんの優しさ、嬉しいです」
まあ、奈穂が笑ってくれたからいいか。
「さて、兄さんエネルギーも補充したことですし、私頑張りますね!」
背中に炎が見えるぐらいに、やる気に満ち溢れた表情で立ち上がる奈穂。
いいえ、そこは頑張らなくていいです。
そんな兄の切実な願い。
「とりあえず今は休んでください。海に行きたければ私がまた連れてきますから。
是非次はふたりきりで」
輝く奈穂の瞳に、俺は極度の危機感を覚えた。
「エンリョサセテイタダキマス」
今の奈穂と2人きりとか、俺の貞操が危ないので流石にそこはノーサンキューで。
「むー、兄さんの馬鹿」
そう言って静達の方へと駆け出す奈穂を見送りため息をつく。
昔なら2人一緒なんて普通だったんだがな。
あいつも成長したんだよな……。
「ぐだぐだ考えても簡単に答えなんてでやしないぞ。今は休め」
そのとおりだよな……あ。
そのまま意識を落とそうと思ったが、嫌な予感がしたので一つその前にやっておこうと思う。
「愛美姉」
「何だ?」
「一応忠告しておきますけど、俺が寝てる間に変なことしないでくださいね」
やましいことを考えていたのだろう。俺の忠告を聞いて愛美姉は口笛を吹き始めた。
口笛を吹き始めたってことはなんか考えてたな……はあ。
まあ、釘をさしたから大丈夫だろう。
もうそろそろ限界だ。
再び俺は夢の中へと落ちていった。
水着回、というか胸回になりましたね(苦笑)。イラストが無いので妄想で補っていただけると幸いです。イラスト……ある方がええんかなあ(ボソッ)。絵上手くないからなあ(スイー、スイー)。というかあとがきでもなんでも無くなってきてますね。さて、今回は久々に文章量が長くなりました。キャラが独り立ちしてくれるのは嬉しいのですが、長くなりやすくて更新頻度が落ちる欠点も……。と、嘆いたら悠達に怒られそうですね(笑)。このペースをまもれるように頑張ります。




