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プロローグ
「明日もいい日でありますように」
それが彼女の口癖だった。
彼女は恐れていた。いつ尽きるともわからない自分の命を。
だから、別れ際に必ずこの言葉を呟いた。
明日を生きる希望として。
彼女はもういない。
護れなかった。
何もできなかった。
そんな自分を責める。
強くなりたかった。
大切なものを護れる強さと、砕けない勇気を願った。
残されたのは無限の欠片と希望の言葉。
見晴らしのいい丘の上に巨大な木が一本。
彼女が好きだった場所。
木でできた手作りの墓標の前で俺はいつもの言葉を呟く。
「明日もいい日でありますように」
なんかこの意味不明感がないと自分の作品じゃない気がするんだ……。
一話目が合わない人は二話目から読んでくれても大丈夫です。
では本編をどうぞ。