# Sheet1:過労死と神様のジョーク
「山田一郎、45歳。
死因:過労による心臓麻痺。
残業時間:今月だけで200時間。
趣味:なし。
特技:ExcelとPowerPoint」
天国の受付カウンターで、白いローブを着た神様がタブレットをスクロールしながらため息をついた。
「まったく、現代の日本は過酷だな。君、ちゃんと休みは取ってたのかい?」
目の前で浮かんでいる半透明の山田一郎の霊は、まだネクタイをきちんと締めていた。「休み?第四四半期の決算期ですよ。休んでる場合じゃありません」
神様は頭をかきながら、画面をスワイプした。
「まあ、とにかく。君の人生はまだ終わってない。最近、異世界転生が流行ってるから、そっちに行ってみないか?」
「異世界……ですか?」山田は眉をひそめた。
「給与体系はどうなっています?退職金は?健康保険は?」
神様は吹き出しそうになった。「あのさ、もう一度人生をやり直せるんだよ?ファンタジー世界でね!魔法だよ、ドラゴンだよ、冒険だよ!」
山田は腕を組んだ。「リスクが高すぎます。現在のポジションに戻れませんか?」
「無理無理。遺体はもう火葬されてるし」神様は画面をタップした。
「よし、決めた。『アルテリア王国』の第三王子、レオン・フォン・アルテリアとして転生させる。16歳からスタートだ」
「待ってください、王子だと責任が重すぎます。むしろ中流の商人か、役人の方が…」
「決定!」神様はゴム印をバンと押した。
「あ、そうそう。一つだけ特典を付けてやる。前世の記憶とスキルは全部持っていっていいよ。Excelの知識が異世界で役立つかもね!」
次の瞬間、山田一郎の意識は闇に包まれた。




