第7話 荷物運び完了!
よし、冒険者になったことだし、早速依頼を受けてみよう。どんなのがあるかな?
【Fランク依頼一覧】
・荷物配達の手伝い
・買い出しの手伝い
・掃除の手伝い
・荷物運びの手伝い
・落とし物探しの手伝い
・お菓子作りの手伝い
・もようがえの手伝い
「全部お手伝いだ…しかも独特!」
「まぁ最初はこんなものよ。肉体労働が多いから、がんばってね」
「はい…」
私はまず、荷物運びの手伝いをすることにした。どうやら、近頃開催されるイベントに使う予定のものがかなり大きいらしく、大人数で運んでほしいとのこと。
「夏祭りイベントの荷物運び…と。はい、これ依頼書。無くさないようにね」
「はい」
「マリンちゃん、初めての依頼だね。気をつけて、行ってらっしゃい」
「ネクロさん、行ってきます」
手渡された依頼書をバッグにしまい、私はギルドを出た。
初めての依頼だ。ただの荷物運びでも緊張する。だけど、ちゃんと荷物を運べたらお金が貰えるんだから、がんばってやらなくちゃ。
「よし」と手を握り、指定されたイベント会場に向かった。
そこはとても広い広場だった。真ん中には巨大なモニュメントがあり、その周りには屋台のようなテントが並べてある。
私が広場に入ると、若い男性が話しかけてきた。
「お嬢さん。今ここはイベント会場の設営で使われているんだ。残念だけど入れないよ。ほら、お家に帰りな」
「あ、えっと…私こういう者で…」
私はバッグからさっきの依頼書を取り出して、男性に見せた。
「あぁ、なるほど。荷物運びのお手伝いに来てくれたんだね。ありがとう、がんばって」
そうして私は広場の真ん中の方に向かった。
真ん中には沢山の人が集まっており、皆大きな荷物を運んでいるようだ。
私はそのうちの1人に話しかけた。
「あの、すみません。私、ギルドの依頼で来た者ですけど…」
「そうかい。それはありがとね。じゃあ、この荷物をお願いしようかな。あの緑色のテントの中に置いといてくれ。他にも同じようなのが沢山あるから、それもよろしく」
「分かりました」
私は自分の身長の半分以上ある木箱を持ち上げた。こう見えて実は私、前世では怪力と呼ばれていた頃もあったんだよね。懐かしいなぁ。
「ここでいいのかな?」
私はテントの中に木箱を置いた。テントには、かき氷機が置かれている。多分、イベントに使われるやつだと思う。
そんな私の横では、沢山の男性たちがなにかの台をお神輿のように運んでいる。私は改めて、異世界の活気と熱気に満ちた空気を深く吸い込み、かき氷が存在する世界に感謝するのだった。
その後も何個かの荷物を運び、無事荷物運びは終了した。
「お嬢ちゃん、お手伝いありがとうね。ほれ、依頼書にサインしといたから。帰っていいよ」
「あ、はい。どうも…」
「はーあ。それにしても疲れたよなぁ〜」
「めっちゃ暑いんだけど…」
「こういう時こそ冷たいものが食べたいんだよな」
「そんなこと言ったって、無いんだからしょうがないでしょ」
なんだか、大きな荷物と聞いていたけれど、結局男性たちに任せっきりで私は小さい荷物しか運んでないような…なんだか申し訳ないな。
私はあることを閃き、さっきの緑のテントに向かった。
「…すみません、ちょっと借ります!」
私が手に取ったのは、かき氷機。これでかき氷を作ろうと思ったのだ。
私は両手を開いて、ブロックアイスを想像した。
「美味しい氷になれ!初級魔法!」
すると、想像していたものが現物になって手の上に現れた。私はその冷たさにビビり、急いでかき氷機の中に投入。そのまま広場の真ん中の方に戻った。
真ん中の方では、まだ男性たちがなにか言っている。私はその輪にひっそりと入り、地面にかき氷機を置いた。
「あ、あの…勝手に借りて、すみません。良かったら、かき氷…どうぞ」
「えぇっ!?お嬢ちゃんいいのかい!?優しいねぇ」
「ありがとうな!そのかき氷機は俺のだけど、全然大丈夫だよ!」
「…じゃあ、私はこれで。ありがとうございました」
なんだか、恩返しのつもりが逆に恥ずかしくなってしまった。私は早足でギルドへと戻っていった。
「…帰りました」
「あぁ、おかえりなさい」
「おかえり、マリンちゃん。依頼書にサインしてもらった?」
「はい」
「うん。大丈夫そうね。じゃあ、報酬をあげようかしら」
「ほ、報酬…!」
やっとお金がもらえる!やったー!
「はい。銅貨3枚。お疲れ様」
「…はい」
銅貨3枚…?意外と少ない…これじゃ、もっと依頼を受けなきゃダメそう。はぁ、がんばろ。
私は銅貨3枚をぎゅっと握りながら、がんばろうと決意したのだった。
読んでくれてありがとうございます٩( ᐛ )و




