精神年齢ひくいひと
事あるごとに必ず毒を吐く。
もちろん悪気はない。
ある種の病気のようなものだ。
「ゲームでランカーになった? 時間のむだむだ」
「受験勉強? 学歴とかむだむだ」
「ダイエットをする? 痩せたところでね」
「髪を切った? なんかビミョーだね」
「パチンコ店でバイト? タバコ臭くなりそうだね」
「ハイスペPCを買った? 使うことないでしょ」
「資格を取った? 実務できなきゃ意味なくない」
「バイトリーダー? 時給が割にあってないでしょ」
「就活をはじめる? フライングは姑息なイメージ」
「内定を取った? 大手以外どこもいっしょでしょ」
「仕事が大変? 不器用だもんな―」
「昇進した? 割に合わなすぎでしょ」
「結婚する? 絶対独身がいいでしょ」
ことあるごとに連絡をよこしていたアイツ
最近は連絡がない。どうしたんだろうか。
ちょっと心配だ。
深夜、久しく携帯の着信音が反響した。
着信画面にはアイツの名前。
まぁ、家族とコイツしかないんだが――
「辛くて死にそう? 人生つまんなそーだな」
「おまえは変わらないな(笑」
***
ありがとな。
以降
友人からの連絡は生涯なかった――
――――――
もう嫌われちまったかな……
連絡が全くこない。
そんなことを考えていると久々に着信がきた。
「もしもーし、おひさかたぶりだねー」
「△△さんのお電話でお間違いないでしょうか」
「……ええ、そうですが」
「私、○○の母の……」
どうやら不慮の事故であっちにいっちまったらしい。
道理で最近連絡がこないわけだ。
思ったことがノータイムで口にでてしまう性格。
それゆえ友達は全くいないが、アイツだけは楽しそうに話してくれた。
最初で最後の親友
あっちでも元気にな
以降
友人からの連絡は生涯なかった――