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第七十三話 新しい世界へ

最終回です。長生きした恭平たちの行きつく先は?

 転移725日目

 ナータの2カ月後の夜にミノンが来た。

「ナビさんのOKが出ました」

 ミノンは金髪巻毛の金羊族、リシュのメイドをしてたからなのかメイド服を着ている。

 多分、蒼伊のお節介であろう。濃い紺色のメイド服に薄いグレーのエプロン、大きめのカチューシャ、フリルもレースも無い実用的なものだ。

 思い出すのは某製薬会社のナースマークだ。

 等と思いを馳せているとミノンは脱ぎ出した。

「恭平様は見るのが好きと聞きました」

 どうぞ見てくれとばかりに俺の前に立った。2年前に見せたおっぱいよりかなり大きくなった。

 ちびガリと思っていたがメイド服の中で見事に育っていたんだな。

「ミノン、見違えたな。素晴らしいよ。こっちに来て」


 俺はミノンを抱き寄せるとキスをした。

「恭平様、嬉しいです」

 幼い顔とは対照的におれが押し倒された。


 ミノンは横で寝ている俺をじっと見ている。

「どうしたの」

「リシュ様が言っていた女のしあわせを実感しました」

「どういうこと」

「多分、説明しても解らないと思います。女だけが解ることです」

「そうなのか」

「そうです」


 俺はヨーロッパ全土を掌握した。民を見ずに戦争に明け暮れていた王族を廃し、民主主義に移行することを前提とした中央集権政治を行う。産業革命によって民は豊かになりつつある。次は中近東だ。スエズ運河の利権を狙って攻めてくるので魔王軍と共に剣姫が蹴散らしいる。


 転移848日目

 ミノンから6カ月後の夜、マールが訪れる。

「オウ旦那、OK出たから来てやったぞ」

「お前の口調は何とかならんのか?」

「偉い人と話すときはちゃんとしてるぞ」

 仕方ないか、マール位、外観の変わった従者はいない。身長は茜の次に大きくなり、やせっぽちだった体はなまめかしく変化し、顔は北欧美少女みたいで、腰まで伸ばした薄い金髪はサラサラだ。

 神話に出てきそうな外見でガラッパチな口調でしゃべるので大分損をしていると思う。

「良いんだよ。俺は旦那だけだから他の奴はどうでも」

「早くしてくれよう。随分待たされて、ウズウズしてるんだからな」

 そう言って服を脱ぎ出す。本当にしゃべらなければ・・・。

 いきなり抱き付いてキスをしてきた。

「次はどうしたら良い、なあ」

 俺の好きな裸の鑑賞もできない。仕方が無い、押し倒して思いを叶えてやることにする。


 暫くすると

「俺どうだった、なあ、なあ」

「慌て過ぎだ。もっと落ち着いてくれ」

「そうか、俺は良かったぞ。ちょっと痛かったけどな」

「そうだ、旦那は裸を見るのが好きなんだろ。こんなかっこが良いのか、それとも・・・・」

 あられもない格好をする。俺は少し恥じらった女の子の裸が好きなの。エロ本の写真みたいなのは要らない。

「もういいから、おとなしくしててくれ」

「俺、旦那に嫌われたのか、どうしよう」

 絶望したような顔になる。

「違う、違うから。お前は好きだぞ」

「本当に、良かったよう」

 俺に抱き着いて離れない。面倒臭い奴だが憎めない。これだけ俺を好いていてくれるんだ。

 教えて行けば・・こいつ、言うこと聞かないんだった。


 中近東を掌握した俺に魔王国が属国となると言う。具体的に言うと王家は残るが政治は俺達に任せるということだ。ナータの親父め、はめやがったな。


 転移1121日目

 マールから10カ月後の夜、ミヤが来た。

「ナビさんのOKが出ました。よろしくお願いします」

 3年前にオオツの手前で拾った子が、こんなに大きく美しくなって、俺に抱かれに来た。

 不覚にも胸がいっぱいになり涙がこぼれた。

「どうされたのですか」

「思い出しちゃったんだよ。初めて会った頃のお前を」

 俺も実年齢40台、娘のことで涙もろくなるのは仕方が無い。

「見てください。あなたの娘はあなたのお嫁さんになるために大きくなりました」

 ミヤは全部脱いで俺の前に立った。涙を拭いてミヤを見る。

「綺麗になったなあ」

 ミヤは女性の美しさを体現している。そう思った。

 ミヤは抱き着いて来た。俺はミヤの顎に手を当て顔を上げさせるとキスをした。

 それからはあまり覚えていない。


 気が付くと俺は横にいるミヤの顔を凝視していた。

 ミヤは余韻に浸っているのだろうか。目を閉じ快感に身を任せているように見える。

 うまく出来たようだ。我を忘れてひどいことはしなかったよな。

 ミヤが目を開けた。

「恭平様、私は幸せです。100万年でも1千万年でもあなたのそばにいます」

 ミヤは俺の胸に顔を預ける。


 中央アジアは大きな国家も無く苦労無しに掌握できた。ヨーロッパの幹線道路は舗装できた。今までの倍以上の物流が動き始める。ヨーロッパをまず豊かにして他の国に見せねばならない。民衆が豊かになりたいと思ってくれれば統一も早まる。


 転移1476日目

 ミヤから1年後の夜、ヒイが来た。

「恭平様、ヒイの番だよ」

 熊に食われそうになっていたこの子を助けて4年、あの汚くてガリガリに痩せていたこの子が・・。

「やっぱり泣いた。ミヤちゃんの言ったとおりだよ」

「おまえなあ、俺はお前を育てる決心をして・・・」

「だって恭平様はあの時と全く変わってないもん」

「そうか、そうだな」

 そうだヒイは成長したけど俺は全く変わってない。ヒイが年月を感じられなくて当然だ。

「でも、ヒイは恭平様に抱いてもらえるように成長したんだよ」

 そう言って服を脱ぎ始めた。ヒイも美しい。ミヤに負けてない。

「どう、ミヤちゃんとどっちが綺麗?」

「そんなの比べられるもんか。お前たちは俺の大事な娘なんだぞ」

「あ、ずるーい。でもいいか。ミヤちゃんは綺麗だもんね」

 ヒイは俺をベッドに座らせて、膝の上に座った。俺はヒイの顔を横に向けキスをする。

 もうだめだ。我慢できない。ヒイのすべてが欲しい。

 俺はヒイを押し倒して思いを遂げる。

「ヒイは俺の物だ」

「そうだよ、ヒイは恭平様の物だよ」

 頭が爆発するかと思った。


 俺が我に返るとヒイは横で寝息を立てていた。

 ヒイは朝まで俺の所に居た。すでに寮にいる娘はすべて経験者なので、隠すこともない。

 朝、もう一度したことは内緒だ。


 今度は信帝国が属国化を希望して来た。天帝様がパリまで来てそう言ったのだ。


 転移1894日目 パリ 帝宮 前庭

 俺はヨーロッパ、中近東、中央アジアを統一し、さらに信帝国、魔王国を属国化したことにより、地球皇帝として即位した。

 そして今、従者最後のヒイが成人し、望んだため合同結婚式を行うこととなった。

 ヒイ、ミヤ、真白、茜、蒼伊、ジュレイ、ライヤ、マール、ドーテ、リシュ、ミノン、キキョウ、ナータ、ジュリアン、そしてなぜか天帝。全員真っ白なウエディングドレスで着飾り、圧巻であった。招待客は1万人を超え、その拍手の中で結婚した。

 本当は花嫁がまだ居るんだけど待たせてないから後で。

 15人の花嫁と結婚する俺。

 感慨深いものがあるけどまだこれからだ。

 東南アジア、ポリネシア、アフリカ大陸中南部、南北アメリカ大陸、オーストラリア大陸まだこれらの地域を支配し、文明化しなければならない。


 帝歴17年 地球帝、全地球を統一


 帝歴19年 人類月へ到達


 帝歴27年 人類火星へ到達


 帝歴44年 蒼伊、ナータ 超光速魔導宇宙船を開発


 帝歴96年 ハイジが死んだ。老衰だった。俺とヒイとその子や孫に看取られ、

       最後にありがとうって言ってくれた。


 帝歴125年 プロキシマケンタウリ星系への移住開始


 帝歴854年 銀河帝国建国、恭平、銀河皇帝に即位


 帝歴5000年 母星、地球を封鎖、立ち入り禁止となる

 ・

 ・

 ・

 帝歴5075041年

 銀河系最外殻 スペースコロニー第9478帝宮 執務室

『最後の日本産のパソコンが壊れました』

 ナビさんの報告は昔、俺達が永遠の枠組みから外れる物だったが、すでにこの世界産のパソコンを使用しているので変化は無い。


 俺はと言うと何もすることがない。

 一応、銀河帝国の皇帝なのだが、俺が口を出すと大変な事となる。

 俺の意見を実現させるために銀河系内が、シッチャカメッチャカになってしまう。

 意見があるときは従者を使ってスタッフの意見として言って貰ったりする。

 面倒なことこの上ないのだ。偉くなるのも程があるということだ。


 ヒイ達が来た。

「恭平様、暇そう」

 そう言って、膝の上に座る。いつの間にかミヤが背中にくっ付く。

「君達、もう大きいし、子供もいっぱいいるんだから、そういうことはやめなさい」

 ヒイもミヤも160cmを越え、胸も最低でもDカップはある。

 もう昔みたいにほほえましいというより、なまめかしく見える。


「もう子供なんてとっくの昔に寿命で死んじゃってるよ。ねえ」(ヒイ)

「そうね、今は何代目の孫になるのか?」(ミヤ)

「君達7、80人は産んだよね」

「皆それ位は産んでるよ」(ヒイ)

「私は74人です。男35人、女39人です。もう、子供はこりごりですね。親の言う事なんて聞きゃあしない」(ミヤ)

「そりゃ、それだけ産めばねえ」


「雪豹族が絶滅の危機の時は、ジュレイさんが頑張ってたねえ」(ヒイ)

「それは、仕方ないよ異種族で交配した場合、子供が男の種族になる可能性が8~9割だからね」(ミヤ)

「雪豹族の男の子が生まれたのって30人目ぐらいじゃなかった」(ヒイ)

「それで、男が大事にされる傾向があるんだよ」(ミヤ)

「そう言えばミノンの金羊族もそうだったじゃない。子供ってまだいるんじゃない」(ヒイ)

「あれはもう千年以上前の事だよ」(ミヤ)

「そうだっけ」(ヒイ)


 ドアが開いて少女が顔を出す。

 真白と茜だ。

 二人は銀河系の芸術界、スポーツ界の重鎮だ。30年ほどかけて開拓惑星をめぐって来て帰って来たのだ。

「もう30年も振り回されたわ」(茜)

「本当、もうこりごりよ」(真白)

「おかえり、ご苦労さんだったね」

「「おかえり」」(ヒイ、ミヤ)

「あんた達、また引っ付いてるの。今日は私達が可愛がってもらうんだからね。真白ちゃんなんかこんな可愛いパンツ履いて来たんだよ」(茜)

 茜がスカートをまくると紫のレースのパンツが見えた。

「キャー、なにすんのよ」(真白)

 必死でスカートを抑える真白。


「騒がしいね」(ナータ)

「500万年経ってもテンション高いねえ」(蒼伊)

「あんた達、アンドロメダへ行くって言ってなかった」(ジュレイ)

「空間移動で帰ってきたに決まってんじゃん」(マール)

「お帰りなさい」(ドーテ)

「お久しぶりです」(ライヤ)

「何、今日は大集合ね」(リシュ)

「本当ですね」(ミノン)

「皆、呼ばれたんですよ」(ジュリアン)

「皆、息災か?」(天帝)

「恭平様、ただいま戻りました」(キキョウ)

「おう、みんな揃ったな。全員、結婚式の時と変わらないなあ」

「キキョウさん、どこに行ってたの?」(ヒイ)

「地球です」(キキョウ)

「ええー」×14


「地球って帝歴5000年を記念して、人間を追い出して出入り禁止にしたのよねえ」(真白)

「500万年も経てば新たな知的生命も生まれてるかも」(蒼伊)

「それでどうだったの?」(茜)

「秘密です」(キキョウ)

「ええー」×14

「それでだ。皆で冒険に行かないか。地球へ」

「行きます」×15

 俺達は全員、空間制御、結界制御、再生制御、重力制御をコピーしている

「それじゃ、昔の天都帝城上空500mに転移だ」


 緑の茂る森の上空に転移した。

 何か、太鼓の音が聞こえる。

 また、新しい何かに出会える。

 そうだ俺達は冒険家だ!!



 ご愛読ありがとうございました。

 恭平の物語はまだまだ続きますがそれは別の物語で。


ご愛読ありがとうございました。

恭平たちの別の物語は宇宙旅行とか最終回の後の物語とかは考えていますがまとまっていません。

次回作はこの物語とは別の物語となると思います。

尚、姫たちの活躍を外伝と言う形で不定期でお届けしたいと思います。

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