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第二十六話 飛行機製作

昭和時代の飛行機製作です。

 14時 来客宿泊所 居間

「倉庫を見てくるよ。ついでにジュレイを獣王府に送って行く」

「母上と口裏合わせに行くんだよ」(ジュレイ)

「悪役みたいです」(ヒイ)

「私達は近衛に訓練に行きます」(ミヤ)

「私達も行きます」(茜)

 ミヤたちに茜たちも迎合した。

「「「「「インストールお願いします」」」」」

 ヒイに剣術を

 ミヤはどうしようか剣術が良い、ハイ

 茜は槍術を

 真白はアーチェリーを

 蒼伊は、薙刀をやってたんだって、だから薙刀

 インストール。


 14時30分 飛行機制作所

 倉庫に付いた。扉を開けると結構広い。下は土だが湿り気はあまりない。

 幅は15m奥行きは30m位ある。十分だ。部品は殆ど買ってある。

 良し、明日から組み立てるぞ。


 15時 獣王府

 ジュレイの様子を見に来た。

 受付に聞くとまあどうぞと応接室に通された。待ってるとすぐに二十歳前後の男が出てきた。白く丸い耳があるので獣王の一族らしい。

「恭平殿ですね。私は獣王の子ジュデッカと申します。この度は誠にお世話になりありがとうございました。」

「はい、いいえ、そんな」

「妹から聞きました。取り潰しの危険もあったと、天帝国に余分な金を使わせていたのです。それを夫への愛情と返ってお褒め頂けるとは、まったく感謝に絶えません」

 ここまで褒められること俺したっけ。

「また父の具申までして頂けるとは、私の代では過ごし易くなるかも知れません。全くあなたは獣王家の福の神と言っても過言ではない」

 過言です。はい。

「兄上はまた興奮して、恭平様が呆れられています」

「ジュデッカは興奮すると周りが見えなくなりますからね」

 ジュレイと母親が出て来た。

 暫く世間話をして帰ることとなった。

「それでは妹をよろしくお願いします」

「ジュレイちゃん恭平殿の言うことを良く聞くのですよ」

 ジュレイは終始にこにこしていた。


 16時 近衛兵練兵場

 おお居た居た。やってる、やってる。

 ミヤ対蒼伊か、面白そうだ。実は薙刀は対個人戦最強と言われる武器だ。しかし戦場では大きなスペースが取れずに実力が出せない武器となり廃れて行った。

 ミヤはなかなか自分の間合いに入れずに苦労している。

 蒼伊が足を払う。ほかの武器ではあまり見られない攻撃だ。

 ミヤが足を引き込むようにジャンプすぐ足を延ばして突っ込む。

 蒼伊は石突側で剣を受ける。

 ミヤが逆側に回り胴に切りつける。

 蒼伊は刃側で大きく撥ねる、間合いが空く。

 蒼伊の連続攻撃、面、小手、脛、刃側と石突が交互に飛んでくる。

 ミヤがジャンプ、猫人殺法だ。

 蒼伊が刃側を上げて止めようとするが間に合わない。

 蒼伊が体を捻って倒す。倒しながらも着地するミヤを打つ。

 左小手で薙刀を止め、喉に刃を当てる。

「まいった。やっぱ強いわ」


「惜しかったな」

 蒼伊の手を引いて立たせてやる。

「惜しくはないかな。ミヤちゃん千本使ってないし」

 そう、ミヤには千本と言う手裏剣がある。片手で刀を操る小太刀と左手は千本、合気道を使う。

「打ち合いの練習で千本使う訳ないだろ」

「そう、だから顔を開けて打ち込める。ミヤちゃんが本気だったら私の顔、針鼠よ」

 恐ろしい格闘技が出来つつある。プロデューサーはナビさんである。

 ジュレイもいつの間にか茜とやっている。向こうで真白が投げた的をヒイが矢で打ち落としている。

 今日は近衛の教練は無いのか近衛兵がいないな。


 19時 来客宿泊所 居間

「と言うことで明日から飛行機の製作を開始します」

「最初は主翼の主桁と前縁部を作ります」

「はい」

 ヒイが手を挙げた。

「ヒイ」

「何言ってるか分かりません」(ヒイ)

「それを今から説明するんだよ」

「これが設計図です」

 飛行機を上から見た図で右が外形図、左が構造図になっている。

「これが主翼です。こちら向きに飛ぶのですが、主翼の前側を前縁部と言います」

「この翼の真ん中を貫いてるのが主桁です。板を4枚張り合わせて作ります」

「次にこれを見てください。翼の断面図です」

「この前の部分、主桁の上まで伸びたものが一つの部品になります。これを切り出します」

「そして主桁に正確に貼り付けます。その上に航空べニアを貼ります」

「航空ベニアって言うのは、この場合薄くて丈夫で、曲げ加工の出来る板です」

「昭和の時代に軽飛行機やグライダーなどを作るときに使ってました」

「今はこれより強くて安い材料があるので使われていません」

「なぜそれを使わないのですか」(ジュレイ)

「この世界で出来そうなものを考えています」

「以上が明日の予定です」


 23時 来客宿泊所 従者寝室

 ノックの音がする。真白だな。やはりそうだった。

「一回きりだと言っただろ」

「だって我慢できないよ」

 服を全部脱ぐとベッドに潜り込んだ。

 覚悟はしてたけどさ。やっぱり背徳感ってあるじゃない。

「今日は茜は?」

「明日よ」

「あっそ」

 夜は更けて行った。


 飛行機制作 一日目 (転移96日目)

 9時 飛行機制作所

 全員に木工の達人をインストール。作業開始。

 速い速い、次々と出来ていく。

 お昼には前縁部まで完成

 昼からはベニアの貼り付けとエルロン・フラップ・後桁の作成に分かれることにした。


 16時 

 接着剤が乾くまで触らない方が良いので明日は垂直尾翼、方向舵、水平尾翼、昇降舵、胴体鋼管溶接だ。


 23時 来客宿泊所 従者寝室

 やはり、茜が来た。


 飛行機制作 二日目 (転移97日目)

 9時 飛行機制作所

 木工の達人を4人、溶接の達人を2人だ

 木工班が昼までに終わったので昼からはリブ作りだ。


 16時 終了


 23時 来客宿泊所 従者寝室

 蒼伊が来た。

「ジュレイは来ないよな」

「来ませんよ」

「よかった」

 ジュレイは満にしたら14歳、中学生だからな。


 飛行機制作 三日目 (転移98日目)

 9時 飛行機制作所

 木工班はリブ・後桁取り付け、溶接班は各部の取り付け用マウントの製作。

 垂直尾翼、方向舵、水平尾翼、昇降舵、エルロン、フラップ木綿の布貼りクリアラッカー塗装。


 16時 終了

 主翼の形が出来上がった。胴体も主脚、尾輪が付いて自立している。


 23時 来客宿泊所 従者寝室

 ローテーションは完成したようだ。


 飛行機制作 四日目 (転移99日目)

 9時 飛行機制作所

 垂直尾翼・方向舵取り付け、フットペダル取り付け、操縦ワイヤ取り付け。

 水平尾翼・昇降舵取り付け、操縦桿取り付け、操縦ワイヤ取り付け。

 椅子、エンジン取り付け、スロットル取り付け。

 そう、エンジンこの日の為に用意した水平対向4気筒、あの名機隼や疾風の中島飛行機の後身が作ったエンジンなのだ。コンパクトにするのにエンジンヘッドを外して鉄板で蓋してあるけどね。

 ちなみに車体は後で工房の教育用に使うよ。

 主翼取り付け。


 16時 終了


 飛行機制作 五日目 (転移100日目)

 9時 飛行機制作所

 エルロン、フラップ取り付け、フラップレバー取り付け、操縦ワイヤー取り付け。

 プロペラ取り付け。

 主翼、胴体木綿布貼りクリアラッカー塗装。


 16時 終了


 飛行機制作 六日目 (転移101日目)

 9時 飛行機制作所

 補強ワイヤー取り付け

 テストパイロットの達人をインストール。

 昼から仮滑走路で走行実験。成功

 少し浮かせて飛行試験。成功

 飛行試験、操縦性試験。 微調整を繰り返し 成功

 念のために付けていた補強用ワイヤーは要らなかったので取り外した。ワイヤは断面が円形なので結構空気抵抗があるのだ。

 2人乗り試験 成功 全員順番に乗せたよ。ミヤは少し泣いてたけどね。空中殺法の名人なのに高所恐怖症ってどうよ。


 16時 終了


 飛行機制作 七日目 (転移102日目)

 9時 飛行機制作所

 本格塗装 全体を白く塗り、胴体に赤いラインを入れる。

 機首横両側に青字で”はやぶさ”と書き入れた。はやぶさ号の完成だ。


 天帝様に報告 

 3日後に展示飛行をすることとなった。


 僅か7日で完成してしまった。恐るべしインストール。

 まだお昼前だけど解散。

 転移組3人は事務局を見てくるそうだ。昼食は外食するそうだ。

 残った俺達は近衛の訓練に行くことになった。



暗雲立ち込めてきます。

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