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第十五話 文化文明改革会議

ようやく文明開化始まりです。

 帝の間を出て、付いてくる二人の少女はアンナさんみたいな官女服を着ている。

「これからどうしたい」

「恭平は何をするの」

 茜ちゃんはスレンダーなやや赤毛のショートヘア。運動部系美少女だ。

「俺か、基本は冒険、後、扶養家族が居るので仕事もしなきゃだね」

「扶養家族って奥さんですか?」(真白)

 真白ちゃんは中肉中背のボブ、文系美少女ですが胸が凄く立派です。油断してると釘付けになっちゃいそう。

「違う違う、妹みたいなもんかな」

「で何がしたい」

「あたしも冒険はしてみたいな」(茜)

「私は世界中の絶景とか見てみたいですけど、危険なことは苦手です」(真白)

「まあ、一緒に冒険するなら鍛えないとだね」


 二人の少女を連れて待合室にやってきた。

「恭平、どうなった」(リョウカ)

「信帝国をやると言われました」

「ぬわにい」(リョウカ)

 リョウカ様、顔すごいですよ。

 みんなで自己紹介したよ。

 ミヤ、自分の事、奴隷って言っちゃだめだよ。二人が引いてるじゃん。


 簡単に依頼内容を説明すると難しい顔をしてた。

「俺としては、俺のゴーレムを使用したエンジンを造る。これが第一段階」

 皆、納得できない顔をする。

「あわてて変える物でも無いし、おいおいやって行けばいいんじゃない。そう、目指すは産業革命、まあ4,50年は掛かるよ」

「駄目だ、50年も経ったら、私はおばあさんになるではないか」(天帝)

 天帝様が乱入して来た。

「ここで言い合ってもしょうがない。どこでしたっけトウグウゴショって?」

「おまえ、東宮御所って太子様が住むところじゃないか」(リョウカ)

「リョウカ様、何言ってんですか。そんな訳ないじゃないですか」

「大丈夫、今、太子はいないからな」(天帝)

「げぇ、駄目ですよ。そんな所に住んだら罰が当たりますって」

 結局、今日は帝城内にヒイの家を建てることとなった。


 17時 そろそろ 家と夕食の準備をしなければと言ったら天帝様が。

「では、20時に御所の応接室に来るように」(天帝)

「まだやるんですか」

「何を言っておるか。まだこの組織の名前も決まっておらん。明日、重臣たちに何をやるのかも説明せねばならんのだぞ」(天帝)

「今日中にですか」

「恭平、頑張るのじゃぞ」(リョウカ)

「リョウカ様、来ないつもりですね」

「私は、関係ないからな」(リョウカ)

「何を言っておる、リョウカ、お主は太子となるかも知れん存在ぞ。この国の未来に関係ないとは言わせぬ」(天帝)

 アンナさんに聞いたら、前の天帝には子供がなかなか出来ず、困っていたので竜王国に生まれた娘を養子に取ろうとした。名も帝国風のリョウカとした。しかし3年後、娘が生まれたため中止となったが、もし、天帝の娘に不慮のことがあった時には、リョウカが太子となる約束がある。

 それでリョウカ様だけヨーロッパ風じゃないのか。

「ぬう、やられた」(リョウカ)

 リョウカ様が机に突っ伏した。


 今日は、庭にヒイの家を建てることにしました。

 ああ、もう一人来るんだっけか。流石にこの大きさでは狭いな。改築を考えよう。

 家の中で考えているとヒイとミヤがやってきた。今日の献立の確認だ

「なにがいい」

「ハンバーグ」(ヒイ)

「賛成」(ミヤ)

 ハンバーグの材料を出す。もちろんミンサーは無いのでひき肉MIXだ。

 ご飯も出発前にひと月分用意したので、まだ半分残っている。


 奥の部屋に転移者二人が居るのでハンバーグで良いか聞く。

「なんでハンバーグができるのよ」(茜)

「そう言えば、この子達の着ているものって日本製?」(真白)

「そうだよ。俺は、日本の品物を買うことができるんだ」

「それってずるい。私も下着は日本製が欲しい。」(茜)

「いいよ、お金出せば買ってあげるよ」

「お金なんて全然ない」(茜)

「私もない」(真白)

「それで、どうやって生活するつもり?」

「恭平が面倒見てくれるんじゃないの」(茜)

「俺が、なんで?俺達、赤の他人だよね。まあ、頼まれたから飯と寝る所位は、用意するけどさ」

「じゃあ、この子達は?」(茜)

「見ての通り、俺の為に働いている。俺の従者だし」

「じゃあどうしたらいいのよ。いきなり、こんなところに連れてこられて」(茜)

「自分で生きていくにはどうしたらいいか考えて」

 この子達はアンナさん達と比べることもできないような甘ったれだ。一回突き放して自分の立場を分からせないといけない。


「分からない。どうしたらいいか。教えてよ」(茜)

「そうだ、分からないことがあれば分かる人に聞く、一歩進んだね」

「さっきの会議で何とも思わなかったかい」

「文化、文明が進まないって話よね」(茜)

「それと私達がどういう関係があるの」(真白)

「君達には、21世紀の日本の知識があるよね」

「それは、あるにはあるけど。」(茜)

「例えば茜ちゃんはスポーツやってたよね」

「そうか競技ね。ルールを決めて競わせれば」(茜)

「そうね、小説や詩、伝統工芸や芸能、権威のある賞を作ればいいのよ」(真白)

「ほら、ちゃんと出来ることがあるじゃない。それを君達が提案すればいい」

「ありがとう、恭平、なんか自信が出てきた」(茜)

「ありがとう、私も生きる気力が湧いてきちゃった」(真白)


 ヒイとミヤが来た。

「恭平様、夕食出来ました」(ミヤ)

「分かった。お風呂の湯を出して置いて」

「はーい」(ミヤ)

 ミヤの良い返事だ。あの子も随分明るくなってきた。

 俺はいつものテーブルを出した。

 今日の夕食はハンバーグ定食だ。

 夕食を食べ終わってお風呂の温度を調節する。

「茜ちゃん、真白ちゃん、お風呂入っちゃって」

「先でいいの?」(真白)

「今日は、お客さんだからね。でも会議があるから二人一緒で頼むよ」

「「はい」」


 二人の後、俺が風呂に入ってると誰か来たようだ。子供たちが警戒してないから知り合いかな。

 カクタスだった。ちょっと落ち込んでいるような。

「お前なんでこんなとこに家建ててるのだ?」

 簡単に天帝様の依頼の話をする。

「そうか、お前は大変なんだな」

「そういうお前は元気がないな」

「近衛の訓練風景を見て、愕然とした」

「厳しいのか?」

「厳しいのは厳しいが、弱いんだ。一番強いと言われる副隊長ですら、相手にならんと思う。それは一か月前の俺だったら負けると思うが。何のためにこの国まで来たのかと・・・」

「早く、強くだけなんだな」

「なんだ?」

「剣術の大会を開こう。誰が一番強いか決めるんだ」

「それは、お前だろう」

「俺は出ないよ。この後、会議がある。お前も出ろ」

「へっ」


「おい、ここは御所じゃないのか?」

 カクタスが尻込みしている。

「そうだよ。ここで会議があるんだ」

「馬鹿、おまえ、何言ってんだ」

 カクタスが後ろからパンと叩かれる。

「おお、カクタスではないか。おまえも捕まったのか?」

「リョウカ様、あなたも、一体何が?」

「来ればわかる」

 リョウカ様は同志が増えたとばかりにカクタスの背を押してゆく。


 20時

「第一回文化文明改革会議を開催する」

 天帝様の掛け声で会議が開催された。(拍手)司会は俺だ。

「まず、組織名ですが、この会議名をそのまま組織名としたいと思います。異議のある方挙手願います。異議なしと言うことでこの組織名を文化文明改革会議とします」

「では、先に文化振興策をスポーツ担当、時任茜より発表します」

「陸上競技会を提案します。内容は、百メートル競走、1万メートル競走、やり投げ、石投げなどです。競技内容はルールを定め、先に発表し、主要領より代表を集めます。競技の追加削除はしばらくこの会議で、行いたいと思います」(拍手)(異議なし)

「次に文芸担当 岩見真白」

「文芸に関しましては、まず人に関して過去に業績のあったものに勲章を授けます。その中でも秀でたものを人間国宝に指定します。次に文物ですが残念ながら、指標となる人物がまだおらず。これらの育成が急務かと思います」(拍手)

「質問、右大臣閣下どうぞ」

「指標は、我々ではいかんのかな」

「はい、統一された目が必要かと思います。得手、苦手、交代時の混乱を防ぐためにも優れた鑑識眼の養成が必要です」

「そうか贋作とかがあるか。確かにわしらではそこまでの目は無いな。賛成します」

「次、武芸担当、カクタス=シュッツバルト」

「私は竜王国から来たばかりですが、帝国の剣術はあまり強いとは思えず、がっかりしている所です。といって竜王国が強いとかではありません。戦い方が千年前と変わってないからです。私はそれをこの浅野恭平殿に完膚なきまでに思い知らされました。つきましては剣術の大会をスポーツ競技と同じように行って頂きたい。それから恭平殿に教授をお願いします」

 まあ、文化の方はこれでいいでしょう。


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