第十一話 中央大陸上陸
いよいよ中央大陸です。前も言いましたが地名の漢字が適当です。
14時 煙台に上陸
疲れたので今日は移動しないことにした。
商店をぶらぶらのぞき見して暇をつぶす。
埃っぽい、そう言えば春は黄砂の季節。向こうの中国みたいにスモッグが無いだけましか。
天都への行程の情報を集める。情報量が少ない。ここは、天都との繋がりが薄いのだろうか。
少し早いが家を建てて、食事の用意を始める。今日は中央大陸上陸記念でソースとんかつと味噌汁、それにひじき煮を付けちゃおう。
ひじきを戻して人参、油揚げ、大豆の水煮を入れて醤油、みりん、砂糖で味付け。
煮込んでる間に豚を厚めに切って、少し叩いて、切れ目を入れて、塩コショウで下味付けて少し寝かせます。
キャベツを千切りにして皿に分けて用意します。
お湯を沸かしてだしを取り、味噌を入れて火を止めてワカメとネギを入れます。
豚肉に衣を付けて低めの温度でじっくり揚げます。
人数分揚がったらフライパンに甘辛いソースを作ってとんかつに絡めます。
それをキャベツを置いた皿に乗せてます。
小鉢にひじき煮をもり、味噌汁をお椀に入れます。御飯を茶碗に盛ったら出来上がり。
ヒイ、ミヤ良く出来ました。おそろいのエプロンも可愛いよ。
リョウカ様もう座ってるの、早いですね。
「久々の時間の掛かった料理だからな」
「これはうまい。ヒイ、ミヤ良くやった。ほめて遣わす」
リョウカ様、お姫様なんだからおしとやかにできませんか?
「これはおいしいですね」
「うむ、うまい、お替り」
いくら何でも早すぎないか?カクタス。
「おいしくできたね」
「うん」
ハイジにご飯あげてくるね。ヒイが玄関に行く。
「よし少し休憩したら合気道が、どれくらいできてるか確認だ」
カクタスがお風呂を上がったころ、二人を外に連れ出し、軽く組んでみる。
「まず、ヒイからだ」
手を出すと極めに掛かってくる。おお、速いし正確だ。転ばされる。
「よし次、ミヤ」
ミヤはヒイ以上に速い、投げられる。
「俺も混ぜてくれ」
カクタスがやってきた。
「お前、もう風呂に入ったんだろ。汚れるぞ」
「大丈夫、大丈夫」
ミヤに最速で投げられる。ヒイに転ばされて極められる。
「イテテテ、なんで、立っていられないんだ」
「そういう武術だからだよ。お前、最後に風呂入って風呂掃除な」
「お兄さん、弱すぎ」
「ヒイ、そんなこと言うもんじゃありません」
「お兄さん、ごめんなさい」
「いいって、本当の事だからな」
「随分強くなったな。よし、明日からナイフと小太刀だ」
「「やったー」」
行程11日目(転移58日目)
朝食が済み、片付けていると誰か訪ねてきた。
小窓からミヤが尋ねる。
「どなたですかぁ」
40代と思われるおじさんが居た。
「こちらは竜王様のご息女リョウカ様のお宿ですか。私は煙台の領主シクラ様の使いの者です」
「リョウカ様、領主のお使いだって、どうします」
「カクタス、口上を承れ」
カクタスが玄関を開ける。ハイジは小さくして台所に入れる。
「小青島より連絡があり、リョウカ様達が海の魔物を退治して頂いたとのこと。領主が礼をいたしたいと申しております。つきましては、シクラ様の館までおいで願えないかとのことです」
「少し、待たれよ」
カクタスは奥の部屋に行きリョウカ様に伺う。
「領主の招き、いかがいたしますか」
アンナさんがリョウカ様の耳元へそっと囁いた。
「姫様は最近、すこーし乱暴になっておられます。ここらで戻したほうが良いのではないですか」
「はい、恭平殿、車を出してください」
カクタスは、玄関に戻って使いに返事をした。
「2時間ほど、お待ち頂きたい。当方が参りますゆえ。地図を書いて頂きませんか」
使いは去っていった。
その後、リョウカ様は、化粧をし、ドレスに着替えた。
俺とカクタスがついて行くことになったので革鎧を着る。もちろん腰に刀を差している。
「どうじゃ、ミヤ、ヒイ美しいじゃろう」
「はい、お美しく御座います」
「綺麗、ヒイもリョウカ様みたいになりたい」
「そうじゃろう、そうじゃろう。おほほほほ」
大丈夫なんだろうか。心配しているとカクタスが教えてくれた。
「今回の相手はかなり格下だから、少々のことは問題ない」
「ミヤ、ヒイ、留守番を頼む。俺達が帰るまでカギは、閉めておけ。何かあったら念話で知らせろ」
「そんなに心配しなくても大丈夫だよ。キチンとやるから」
「アンナさんが居るんだ。無茶はするなよ」
う~っ後ろ髪を引かれる思いって、これなのね。
「さあ、行くぞ恭平」
カクタスに引っ張られて車に乗り込んだ。
領主の館に着くと領主が玄関で待っていた。
「これは変わったゴーレム馬車ですな」
「竜王国の最新型にございます」
カクタスがリョウカ様の前を歩き、俺が後ろを歩く。
執務室に通され、リョウカ様がソファに腰掛ける。
俺達は後ろに立つ。
「この度は、魔物の駆除、誠にありがとう御座いました」
紹介が終わると早速、本題に入るようだ。
「人民のため、命を懸けるのが我らの使命、当たり前のことをしたまでです」
「さようですか。ご立派な心掛け、このシクラ感動いたしましたぞ」
金貨の袋、1万デムくらいかなを貰った。
「見ましたところ、護衛の数が少ないように見受けられます。こちらから何人かお貸しいたしましょうか」
「不要です。この者たちは、海の魔物16頭、ヒメジでは山賊23人を倒した猛者でありますゆえ」
「ええ、魔物が16頭・・・。30人は必要なっ、あっ、いえ」
冷汗が出てますよ。
「これは、失礼いたしました。しかもお若い」
「いえ、良いのです。とてもそのような面構えには見えませんから。それよりも天都への道筋の情報は、お持ちか?」
「特に何かあったということは無いと思われます」
「さようですか。それではこれでお暇いたします」
「昼食でもいかがですか」
「いえ、急ぎの旅の途中ですので、失礼いたします」
車の準備をしているとシクラさんが走ってきた。
「今、済南で反乱が起きたと連絡が入りました」
天都へ行く道は、ここから東に進み、済南を通って、邯鄲から南下するか、青島を通って東南に行く道がある。前者は主街道だが後者は一般道である。
「詳しいことは分かりますか」
「いえ、まだ一報だけです」
取敢えず済南の近くまで行って様子を見ることになった。一般道は雨が降ればぬかるみ、当然凹凸は激しい。一応この車は4WD専用車で走破性は高いが、出来れば良い道を走りたい。
11時 早めに昼食の用意を始めた。
12時 出発 流石に主街道は快適で街を離れると交通量も少なく時速60キロで走れる。
17時 維坊に着いた。済南まで約半分の距離だ。
情報収集はカクタスに任せて夕食の準備をする。
夕食が出来た頃、カクタスが帰ってきた。
反乱が起きたのは済南の近くの兎城と言う町で、すでに済南から鎮圧の兵が出てるので、明日には鎮圧されるだろうという予測だった。
そのまま進むこととなった。
行程12日目(転移59日目)
8時 出発
12時 済南まで20キロくらいの小さな町に着く。また昼食の用意の間にカクタスが情報収集に出る。
反乱は鎮圧されており、済南を通っても問題ないとのことだった。
この世界は情報が伝わるのが遅いのでイライラします。