あたしの腹筋を10パックにしてください!
「アステラルン様! あたしを助けてください!」
――聞こえました! 誰かが私を呼びました! すぐに行きます!
私は空から私を呼んだ人の元に行った。その人はとても可愛い顔をした女子高生だった。学校の屋上から私を呼んだようだ。
「アステラルンです。私に助けを求める声を聞いて来ました」
「おぉ! 来てくれてありがとうございます!」
その女子高生は満面の笑みを浮かべた。
――可愛い! こんな可愛い女の子が私の事を知ってくれているなんて!
幸福に浸っている私に女子高生は言う。
「それではアステラルン様。さっそくあたしを助けてください!」
「はい! 何に困っているのですか?」
「これです」
すると、その女子高生は自身のお腹を私に見せた。
――どうしてお腹を――ん? ……えぇ!?
私は心の中で凄く驚いた。その女子高生のお腹が真ん中の辺りがデコボコしていた。はっきり言うとその女子高生の腹筋はバキバキに割れていた。うっすらではなくくっきりと割れていた。
――可愛い顔してるけど……腹筋はバッキバキ……。しかもへこんでいる部分がはっきりと分かるし……。男の人のよりも凄いかも……。
「アステラルン様。あたしの腹筋は何パックに見えますか?」
「え? それは……6パック……です」
「そう……ですよね」
その女子高生の腹筋はどう見ても6パックである。
「そこでアステラルン様! あたしの腹筋を10パックにしてください!」
「……え? えぇ!? 10パック!? 10パックですか!?」
「はい」
「6パックの女の子ならまだ分かりますけど、10パックの女の子ってヤバくないですか!?」
「女の子だからそうしたいんです」
「……ど、どうして10パックにしたいのですか?」
「6パックって……平凡ですよね?」
「平凡……ですか?」
「平凡ですよ。だって大体の人の腹筋は6パックじゃないですか。あたしはその中に入っているのが嫌なんです。でも腹筋の構造は変化しないって知っています。なのでアステラルン様にあたしの腹筋の構造を変えて10パックにしてほしいのです」
「そ、そうですか……。出来ない事は無いですけど……10パックにしちゃって大丈夫ですか? 後悔しませんか?」
「あり得ません。あたしは他の人と同じなのが嫌なんですから」
――……躊躇せずにやりますか。もし後悔した時はまた呼んでくれるのを待っていますよ。
私は女子高生のお腹に手を触れた。神通力を流し込み、へこみの無い部分に強制的にへこみを作った。3本のへこみは6パック。2本増やしたので10パックとなった。
「できました。もう貴女のお腹が凄い事になってますよ?」
「最高です! これで男共に度肝を抜かせる事ができます! ありがとうございました!」
女子高生は校舎に入っていった。
この後、皆からドン引きされた。