超時空リクガメは浦島太郎の夢を見るか? 藤原
「聞いていますか、田中くん。つまりですね、白ひげのお爺さんになった浦島太郎さんですけどね、一般的には玉手箱から溢れ出た有毒ガスによって頭髪が脱色されて皮膚が糜爛しているっていうのが最新の科学的解釈違いじゃないですか」
藪から棒にこういうことを言い出すのは足立の習性なので俺は気にせずテレビのチャンネルを回した。巨人対阪神戦、因縁の一戦の幕が上がっていた。
金曜の夜である。俺の三十三の誕生日を祝うという名目で、大学時代の同期生である足立に誘われて彼女の家に来たのだが、腰を落ち着けるなり祝いの言葉すら無くこの有様だ。
慎ましい六畳の安宿には不似合いなカラーテレビがある。大学研究室勤めの足立の安月給では到底購うことはできないはずの神器のひとつをどうやって手に入れたのかと聞けばこいつはケロリとした顔で「自分で作った」と言い放った。足立はそういうことを平気でするやつだ。
部屋の主はそこそこボリュームのある胸を張って講釈を続けた。
「そうやって無理くりケミカルな方向に舵を取ろうとするアプローチがいけてないんですよね。日本科学界の行き詰まりの典型ですよ。答えは相対性理論で説明できるというのに」
五十五本塁打という大記録の掛かった世界の王に集中したいこちらの都合なんてお構いなしにべしゃり続けるのも相変わらず。二世紀は先を行く研究をする超天才というのは一般人とは違う感性の持ち主なのだろう。俺は仕方なくテレビから視線を外して足立を見た。
最後に櫛を入れたのは何か月前かと思うほどボサボサの髪の毛を後ろで結び、服装はといえば洗いすぎて色落ちしたジーンズとほつれまくったセーター。顔立ちは悪くなく、身なりを整えて化粧のひとつでもしてみればそれなり以上だというのに、足立は初めて出会った十八の頃から十年以上も経つというのに変わらないからスタイルを貫いている。
「時間を移動するには光の性質が鍵を握っているのは幼稚園児でも知っていますよね。それは光の速度がどの観測点から見ても変わらないからです。光の速度で移動する時計があるとすれば、その時計はゆっくりと時を刻むことは進研ゼミで習ったと思いますが、仮に光を超える速度で移動してみたらどうでしょうか。なんと時間は逆向きに進むのです。ここまでは相対性理論の初歩の初歩ですが、光よりも速く動く物体が無いことも相対性理論で証明されているのです」
そこまで言うと足立はやおら立ち上がり、押し入れの前に立った。
「ならば時間跳躍は不可能なのでしょうか? いやいや、諦めるのはまだ早いです。鍵は虚数の性質を持ち光よりも速く動く粒子、タキオン粒子です。これを内包した容器に正または負の指向性を与えたうえである一定の速度まで加速させることで任意の時間方向へ跳躍が可能になるのです。見て驚かないでください。これこそが私の世紀の大発明!」
そう言って足立が開いた押入の中を見た俺は少し驚いた。
「なんだ足立、ペットを飼い始めたのか」
押し入れの中には亀がいた。一メートルを超えようかという巨大な亀だ。俺のペット発言を受けて足立は口をとがらせた。
「ペットじゃないですよう。私の理論物理学と遺伝子工学の結晶、フラックス・キャパシターこと生体式タキオン粒子制御加速装置です。名前はデロちゃんです」
やっぱりペットじゃねえか。
足立は鼻高々で亀の甲羅をぽんぽんと叩いた。
「いいですか、噛み砕いて説明しますよ。『丹後国風土記』の記述から浦島太郎の生年は奈良時代初期と分かります。竜宮城から帰還した浦島太郎が関東における動乱を聞いて衝撃を受ける描写から、これが平将門の乱だというのは誰の目にも明らかでしょう。つまり彼が地上を離れていた期間はざっくりと二百年なのです。竜宮城との行き帰りの合計時間を五時間と仮定するならば、タキオン粒子を励起させた状態で、時速八十キロメートルの速度で前進すれば一分間で一年半先の未来へ時間跳躍が可能な計算になります。つまりですね、相対性理論の制約から逃れて過去への時間跳躍を可能とするには、亀に時速八十キロメートルでバック走させればいいだけなのですよ!」
何をどのように噛み砕いたのだろう。変人系の天才というやつはこれだから困る。自分の頭の中だけで組み上がっている理論を整理しないでベラベラと口に出す。自分を客観的に見る、相手の立場に立つという概念がまるっと抜け落ちているので説明不足に気がつくことができないのだ。そもそも話の発端は浦島太郎の真相だったのが、いつの間にかタイムトラベルに書き変わっていることだし。
普段の俺なら、ここからつっこみや質問を繰り返してある程度の理解を得るのだが、今日は仕事の疲れでそんな気分にもなれない。
足立の大演説など何処吹く風といった風体でデロちゃんは押し入れの中に積まれた干し草をむしゃむしゃと食べている。その立派な四つ足を見て俺はひとつだけつっこむことにした。
「あのさ、足立。そもそも浦島太郎の亀はウミガメじゃね」
○
こんなことは俺と足立の間じゃ日常茶飯事だ。学生時代から俺たちは、お互いの部屋であーでもないこーでもないと益体のない話をした挙句酒を飲んで潰れていた。
今日も今日とて、足立はこのところリバイバル販売されたサントリーレッドをどばどばとコップに注ぎ、ペットボトルに溜めた水道水で適当に薄めると一息に飲み干してくだを巻き始めた。
「かぁー……。なにがリケジョって話ですよ、女だからって舐めやがってさあ。そうやって持て囃して予算集めのために白衣の代わりに割烹着着たりあざとくて涙ぐましい努力をしないと話題も集められんのが私らなんすよ。客寄せパンダ演じて、予算集めていざ成果出したと思ったら教授の手柄ですよ。やってらんねえっすよ。ーーあのね、田中くん。私のこと研究にしか目がない珍獣みたいに思ってるかもしれないですけど、私だって実は人並みに女の幸せ掴みたいとか思ってたりもしたんですよ? 研究なんて大学にいなくてもできるわけですし、二十四歳くらいまでには素敵な旦那さんと結婚して、あとは発明系ママタレントとしてバラエティとかにたまに出演したりして。子どもは賢いのとやんちゃなのとちょっと不器用な子の三人兄弟なんかいいな。うふふ。気づいたら私三十三ですよ。なんでこうなっちゃうかなあ。憎い、私の天才的な頭脳が憎い。ほどほどの才能ならよかったのに、突き抜けた天才性が私に安寧という楽園を赦さない」
一息に長いセリフを喋り終えて足立は沈黙した。会話の基本はキャッチボールなので、俺も見切り発車で口を開いた。
「俺にだって言いたいことくらいあるさ。親のプレッシャーに負けて研究室を辞めて就職はしたもののこの通りの安月給だし。あの気楽な学生時代に戻りたいよ」
そこまで言ったところで思った。俺は一体何に不満を持っているのだろう。俺の暮らしは別段悪くない。給料は少ないが、生活に困るほどではない。身体も健康そのものだ。ただ、真綿で首を絞められるような不安と言いようのない後悔に追われている。
俺の言葉を受けて、足立はとろんとした顔でうんうんと頷いた。
「はぁー、いいですね。私ももういっぺんやり直したいですよ。能うことなら受精卵段階から。でも贅沢言わないから私も大学の入学式くらいで手を打ちますよ。毎朝ちゃんとお化粧して大学デビュー!今度こそテニサーに入ってキャンバスライフをエンジョイしてやるんだ。ねえ、田中くん。そうしたら私たち出会わなかったかもしれないですね」
それなら俺だってテニサーに入ってお前を追いかける。そんな言葉がつい漏れそうになったけど無理矢理飲み込んだ。自惚れている訳じゃないが、今俺がそう言えばたぶんこいつは受け入れてくれるだろう。でも、凡人の俺では科学という沼にどっぷり浸かってしまった天才と家庭を築く自信が無い。俺たちは何も始まらないうちに手遅れになってしまっている。
黙って酒を飲み続ける俺を見て、足立は諦めの籠った笑いを浮かべて亀に寄りかかった。
「やり直したいなあ。ねえデロちゃん。なんで言うことを聞いてくれないの? 私の理論は完璧でしょう?」
デロちゃんは相変わらずもぐもぐと干し草を食べている。
「ファッキントータス」
口汚く毒づいて足立はずるずると床に伏していびきをかき始めた。
「ふうむ。相変わらず進歩が無いことだな」
渋い男の声がして俺は飛び上がって辺りを見渡した。床で涎を垂らして寝こける足立。電源の切れたテレビ。いつの間にか干し草を食べるのを止めて俺を見つめるデロちゃん。
「実のところ、マザーの時間跳躍理論は完璧で、やり直しは何度も行われているのだ。ところが困ったことに彼女は自分を盲信するあまりに視野狭窄に陥り、毎回代わり映えのしないお決まりの末路を迎えている。試行回数はかれこれ7529回に及ぶのだが、やれやれ、鶴は千年亀は万年とはよく言ったものだな。私の経験した主観時間はとっくに一万年に達している」
どうやら俺は飲みすぎたらしい。目の前のリクガメがやたらと渋い声で話しているように見える。しかもその内容がトンチキだ。
「しかし今回は事情が違うようだ。なぜなら君がいる。初めて出会う君よ。私の縛めを解いてはくれないか」
デロちゃんの左の後ろ足を見れば、枷が嵌められており、鎖は押し入れの中へと続いている。鍵は無く、ワンタッチで外せるタイプのようだが、リクガメに外す手立ては無いだろう。
俺は言われるがままに枷を外した。
「ありがとう。これでマザーが望む未来を確定させるための条件が揃った。僭越だが君にもささやかな礼をさせてもらおう。次に会う時はもっとマシな顔が見られることだろう。では、さらばだ。アデュー」
デロちゃんは走った。バック走行で。
凄まじい速度で窓を突き破り、中空に火線を描き、夜空を駆けたと思いきや、ふっと消え去った。
どうやら今夜の酒は悪い酒だったようだ。
俺は寝ることにした。
○
三十三の誕生日を迎えたのは会社の給湯室だった。
「誕生日に徹夜残業とは課長も酷なことさせますよね」
カップラーメンを作る俺に、お祝いの言葉とともに課長への毒を吐くのは三期下の後輩鈴木だ。
「先方のあの頭の湯だり方じゃ仕方ねえよ。課長だって今も客先で必死に火消ししてんだしさ」
俺の言葉に鈴木は感心したようだった。
「器がでかいですよね、田中さんって」
「そうかなあ。俺は宮仕えが板につきすぎているだけだと思うよ。上の言うことを聞いているのが楽で居心地がいいんだ。責任は上がとってくれるんだから楽なもんだ」
解放されたのは朝の五時半だった。俺は寝ぼけた頭と疲れ果てた身体を引きずって家路についた。徹夜明けが土曜日というのはありがたい。家に帰って風呂に入って、昼過ぎまでぐっすりと寝てやろう。
家の前に着いた俺は、足取りは軽やかにドアを開けた。朝風呂あがりにビールを一杯やるのが楽しみだし、何より嬉しいことは他にある。
「お帰りなさい。本当にお疲れさまでした。それとお誕生日おめでとうございます。田中くん!」
こうやって出迎えてくれる家族がいるのだ。
「ただいま、足立」
結婚して子どもまでいるというのに付き合っている時と変わらない名字呼びの妻がいる。
銀行員の父と専業主婦の母の間に次男として生まれ、そこそこ優秀な成績で小中高と過ごして理系の大学へ。入学後に気まぐれで入ったテニスサークルで出会った同期生と付き合い、そのまま大学四年生のころ彼女の妊娠が発覚して卒業と同時に結婚。俺は卒業後そこそこの企業に就職した。その後三人の息子が生まれた。
これが俺、田中という男の三十三年の明細だ。
何不自由なく満ち足りた生活。俺は幸せだ。
「朝ごはん食べますか?」
「いや、風呂に入って寝るよ」
「分かりました。お風呂沸かしますね。あ、テレビ観てくださいね!」
リビングルームのソファに座り、テレビを付けた。ぼんやりと画面を眺めていると、見知った姿が映りこんだ。
『お次は皆様お待ちかねの大人気コーナー、「プロフェッサー足立の暮らしの発明アワー」のお時間です!』
どこに出しても恥ずかしくないくらい綺麗に身だしなみを整えた我が妻の足立が画面に映っている。学生時代、テニスサークルの華だった足立は、学業においても優秀だった。卒業時には大学の研究室や大企業を始め、引く手あまただったのだけれど、家庭に入ることを選んだのだった。足立は子どもを育てる傍ら、自由気ままに発明を発表して、いくつも特許を獲得していた。それがメディアの目に留まって、いまやキー局の朝番組の名物だ。おかげで世帯収入は平均的な家庭よりもだいぶ高い。本来俺があくせく働く必要はあまり無いのだが、世間体というのは厄介なものだ。とはいえ、いざとなればどうとでもなるという安心感があるのはいいものだ。
と、テレビを微笑ましい気持ちで眺めていると、視界の端でやたらと存在感を主張する異物に気が付いた。リビングルームの隅っこに置かれたそれを見て、俺は一瞬眩暈を覚えた。
タイミングよく足立がリビングに入ってきた。
「お風呂沸かしてますからちょっと待っててくださいね。あ、気が付きましたか。この子はですね。ママタレ仲間の鈴木さんから預かってるんですよ。サイパンに旅行に行く間預かってて欲しいって。ふふ、可愛いですよね。リクガメですよ名前は」
「デロちゃん?」
「え、なんで分かったんです?」
強いて言うなら既知感。俺は見たことも無いはずのこの亀を知っている。
「驚いたな。もしや君は覚えているのか。ありえない話かもしれないが、あの繰り返しの中で突然現れたイレギュラーの君ならば、そんな奇跡もあるかもしれないな」
リクガメ、デロちゃんは俺に向けて喋り始めた。隣で息を飲む足立。当然俺も驚愕しているが、不思議とこの異常な状況を受け入れていた。
「いまこの瞬間に君たちと私が存在することでようやく最後の条件を満たすことができた。いつ終わるともしれない繰り返しの果てにようやくこの未来がようやく確定した。あぁ、永かったよ、マザー……」
デロちゃんは突如滂沱の涙を流した。
「泣いているのか……?」
「いいえ、田中くん。これは塩涙腺から濾された水分が排出されているのではないでしょうか。陸に上がったウミガメの産卵時に見られる現象。でもなぜリクガメのデロちゃんに……?」
「流石、冷静な観察だなマザー」
デロちゃんは涙(のような水)を流しながらよたよたと歩いた。そこにはタマゴがひとつ残されていた。
「デロちゃんメスだったのかよ……」
そんなに渋いい声なのに。
「マザー、そしてその番いたる我が解放者よ。君たちの将来に幸あらんことを。永い時を共にした貴女へのこれはせめてもの餞別だ」
ペットを飼うならリクガメよりは犬がいいのになあ、と呑気なことを考えていた俺の気分は、その後に続くデロちゃんの言葉で粉砕されることとなる。
「そして償いでもある。数多のやり直しの末、数限りない世界線は捻じ曲げられ、その運命力は私に収斂した。私は因果の特異点と化してしまったのだ。超高質量の私の運命力はやがて己の縮退圧に耐えられずブラックホールと化すだろう。無数の世界線を道ずれにしてな。君たちの世界線からはできるだけ遠ざかるつもりだが、残念ながら巻き込まずに済む確証は無い」
「そんな……。どうすれば」
絶望に立ち尽くす足立。付いて行けない俺。
「学生時代に研究に没頭し、単独でフラックス・キャパシターを開発した世界線のマザーならば打開する手立てがあるだろう。しかしいまの君ではな……。この世に存在が証明されていないタキオン粒子を制御する術はない。時空を超え、私にたどり着くことなど不可能だ」
足立はショックで言葉を失っている。
「そんな、私がテニサーなんか現を抜かしていたから……。もっと真面目に勉強していれば」
「心配は不要だ。我が子を君たちに贈ろう。このタマゴから産まれる我が子には、私のフラックス・キャパシター機構が先天的に組み込まれている。そして私の運命力の半分を残した」
おい、なにが餞別だ。とんでもねえ爆弾じゃねえのか。
「その子が成長し、時空の果てで待つ私と衝突すれば、運命力は対消滅によって消え去るだろう。育成と制御には高度な技術が要求されるが、マザーならばできると信じている」
「分かったわ!待っててね、デロちゃん。私、絶対にあなたのところにたどり着くから。あなたの子どもと一緒に」
目に涙を溜めてデロちゃんに誓う我が妻。状況への適応能力は天才の備えるスキルなのだろうか。
とりあえず頑張ってくれ。俺の出番は無さそうだし。
「最後にひとつだけ、我が侭を聞いてくれないか。一方的に子どもを押し付け育児放棄をすることになる身で恐縮だが、せめて名前だけでも残してあげたいというのは虫が良すぎるだろうか」
「もちろんいいわ!」
デロちゃんは足立と俺にその名前を告げた。
「ありがとう。これで後顧の憂い無し。私は旅立とう。束の間の平穏を悔いなく過ごしてほしい。それではさらばだ。アデュー」
デロちゃんは走った。バック走行で。
凄まじい速度で窓を突き破り、中空に火線を描き、朝焼けの空を駆けたと思いきや、ふっと消え去った。
ただでさえ徹夜明けの寝不足だというのにこの怒涛の展開だ。俺は窓ガラスの散らばったリビングを見渡すと、心底疲れ果ててソファにへたり込んだ。
「やりますよ。やってやりましょう、田中くん!」
気勢を上げる足立に乾いた笑いを投げかける。
もう限界だ。風呂なんていいからこの場で眠ってしまおうと思ったところに、新しい展開が舞い込んできた。
「すげー! なんだったんすか今の。なんかビューって! めっちゃ飛んでいったじゃないすか。カメが! あ、お邪魔します」
不法侵入者だ。なんでも職業映画監督を名乗るふざけた若造は、次回作のネタに詰まって散歩をしていたところ、空を飛ぶデロちゃんを目撃したらしい。そいつは疲れ果てた俺をよそに、足立と意気投合した。
翌年、『大怪獣ガメラ』が公開された。
原作:原作者は 本の蟲さん です(編集者注)
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*マーク部分はアドリブまたは変更可
*タイトル
時代 1964年(はっきり書かなくても昭和な雰囲気でOK)
登場人物 女 (名前は*) 二世紀は先を行く天才科学者、ただしマッド、かつミーハー
男 (名前は*) 女の研究室での同期。大学を辞め、一般企業へ
リクガメ 見た目普通。体長1M以上。歩き回れる程度の鎖でつながれている
通行人 オチ担当
女の家。2階。女が浦島太郎のあらすじを話す。聞き手は男、亀
*謎理論展開
帰った時、知らずに年月が過ぎ去っていた太郎。鍵は竜宮城ではなく亀にある
未来に跳んだ時間を200年。竜宮城への行き帰り合計5時間と仮定
亀が自力で時速80㎞で移動できれば、1分で約1年半跳べる。前進で未来、後退で過去
そこで遺伝子改良で造り上げたのが、時速80㎞でバック走できる、この亀なのだ!
亀 無反応
男 ツッコミ「*そもそも浦島太郎のは海亀だし」
そのまま宅飲みに
泥酔する女の愚痴
*女だから舐められるし、そのくせ成果は横取りされる。別に大学でなくても研究はできるし、本当は結婚して発明ママさんとしてTV出演とかもしてみたかった
泥酔する男の愚痴
*研究室を出たけど後悔。給料もさして良くないし忙しすぎて、気になる人に告白、結婚しても破綻しそう。大学に戻りたい
女、亀に泣きつく *人生やり直してー。理論はあってるのに、なんで言う事きかんのやー
亀 無反応 女 酔いつぶれる
亀が口開く。仰天する男に
*実は何度もやり直してる。ただ女は亀の手綱を握って好き勝手やらせてくれない。結果いつも似たような展開になり、未来も変わらない。未来を変えるには他人の手が必要。部屋から出られないようにつないでる鎖を解いてくれ
男 鎖を外す
亀 バック走で窓を突き破り、宙に火線を走らせて消える バックトゥザフューチャーのデロリアン的演出
男 酔いすぎと思って寝る
Take2
大学勤めの男 男と結婚した女 友人から預かってる亀
TVには発明ママとして露出中の女が映ってる
亀が口開く 仰天する二人に
*この未来を確定させるために、この時この場所にいる必要があった。それも済んだので後は自由にやる。二人も今後後悔のないように(なんか適当に理屈つけて良いこと言って)
再び窓を突き破り、BTTFな感じで宙を走り消える
偶然外で見た通行人 職業映画監督
1965年 宇宙怪獣ガメラ公開
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