旋回
早い話死んだ。死んだ。
赤い水母だけが私の死を知っている。
もっと言えばよみがえった。もう一度人生を味わった。
生皮カーペットはまた私をあざ笑っている。
まだ生きている。歩いている。
私はたくさんの扉に向こうを探す。
どこかを走っている。走り抜けていく。
雪原、デパート、バラック集落。
空を飛んでいるみたいだった。浮遊しているようにも見えた。
大きくて暗い世界、落ちていくこともできずに。
もう一度夢の中へ。こんな夢なら見たくない。
私は階段の下へ潜り込んでいく。
また一つ眠りを重ねる。倒れ込むようにして眠る。
ずっとあなたに逢いたかったの。何度あなたに逢えば許されるの?
私は閃いて閃かせ、一閃食らわせた。
所詮ここはゆめの中。あなたは傷つかずに、00を01にするだけ。
息つく暇も無く、起きてはまた眠る日々。
いっぱいのものを手に入れて、私は私を失くしていく。
それなら全部捨てちゃおう。これが必然と知っているから。
あなたも止めない。あなたも全部知っている。卵を産んですべて完成。
そして何度目か知れないけど死のう。死のう。
救いようがないからこれだけが救い。また突き落とされる。
本当は死にたくなんてない。ない。
けれど私の人生は死だけが救い。死だけが目的。あなたのために死んであげること、それが私の使命。
さも自分から飛び降りたみたいに、そんな風に見えているのでしょう。
ばかみたい。ばかみたい。
お前がやったんだよ。
もう一度生まれた。新しいあなたに出会う。
おひさしぶりです。