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4日目朝

 朝、いい匂いとともに俺は目覚めた。


「あ、おはようございますアレンさん! あの、朝ごはん作りましたので、ぜひ食べてみてくださいっ」


 なんと!

 メアリさんお手製の朝ごはんが食べられるとは!

 俺は朝からウキウキ気分になった。



 作ってもらった料理はパンとサラダ、オニオンスープ、玉子焼き、小魚の塩焼き、スライスしたハムだった。

 冷蔵庫の中に残っていた食材からできあがったとは思えない品数だった。


 だが、一つだけ問題点があった。

 俺の料理チェックによると、オニオンスープの中にしびれ薬が混入されてることが判明したのだ。もちろん混入した犯人はわかっている。恐らくこのしびれ薬は、はじめに睡眠薬をくすねたときに合わせてくすねていたものだろう。


「リリィ、ちょっといいかな」

「はい、なんでしょうか」

「オニオンスープの中にこっそりとしびれ薬を入れたね?」

「はい、入れましたが何か?」



 リリィよ、ついにオープンになってきたな……。



「なぜ入れた?」

「ご主人様とそこのメアリとかいうメス犬をしびれさせて動けなくさせたあと、メス犬が見ている前でご主人様とひたすらセックスするためにしびれ薬を入れました」

「リリィよ、色々と言いたいことがあるが、まずメアリさんはメス犬ではない。人間だ。すぐに謝りなさい」

「でもそのメス犬、ご主人様のことが好ンンンーッ!!」


 リリィが何かを言いかけたところでメアリさんが咄嗟に手でリリィの口を封じた。一体今のはなんだったのだ……。


「ま、まあ、とにかくオニオンスープ以外のごはんを食べましょう! ねっ!」

「そうですね、まずは腹ごしらえをしないと」


 そうしてやっと朝食タイムが始まった。


 昨日一昨日とリリィが作ってくれた朝ごはんも美味しかったが、メアリさんのはまた別の美味しさがあった。

 やさしい母の味とでも言えばいいのだろうか。甘くて心に染み渡るあたたかさがあった。メアリさんはきっといいお母さんになる。そう思った。



「ところでメアリさん。昨夜リリィはどうでしたか? 暴れたりとかしませんでしたか?」


 リリィには聞かれないように小声でメアリさんに尋ねてみた。


「実はですね、リリィちゃん30分に一度の間隔でアレンさんに夜這いをしようとしてたんです。だからその度に私が止めに入ったので……。実は全然寝れてないんです……」

「そうでしたか。それは申し訳ないことをさせてしまいました」

「ところでアレンさんは眠れましたか?」

「それが、リビングの床が固くて痛くて……。あまりぐっすりとは眠れませんでした」


 つまり、お互い寝不足状態という訳だ。

 さらに俺に至っては三日連続だ。

 そろそろ俺、睡眠不足で倒れるんじゃないか?







 朝食を食べ終え、仕事に行く準備を始めた。

 メアリさんはいったん自分の家に帰って服を着替えるとのことで先に家を出ていった。


「じゃあ、リリィは大人しくお留守番しとくんだぞ。それと、くれぐれも昨日のようなことを計画したりしないようにな」

「了解しました、ご主人様。ではいってらっしゃいませ」


 リリィはぺこりと頭を下げて俺をお見送りした。

 だが、これまでと比べて表情が暗い。なんか様子もおかしい。


「リリィ? 大丈夫か?」


 気になった俺は尋ねてみたが、返答がない。


「じゃあ、行くからな」


 そう言って俺が玄関のドアを閉めようとした時だった。


「私は性奴隷として買われたのにご主人様は私と一度もセックスしてくださらない。私の存在意義は何なのですか?」


 突然リリィは真剣な目を向けて言った。

 存在意義。深いことを聞いてくるではないか。


「存在意義は他人から与えられるものではなく、自分で見出すものだ。だから自分で考えなさい」


 簡単な答えではないと判断した俺は、とりあえずリリィの質問を突っぱねて返答した。

 そして玄関から出てイエアカンの魔法で戸締りをして、仕事へと向かった。


 しかし、まさか存在意義を問われるとはな。

 存在意義……一体なんなのだろうか……。

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