2日目夜
「おかえりなさいませご主人様。ごはんからのセックスにする? お風呂からのセックスにする? それとも……セックスにする?」
はい結界魔法を解いて家に帰った途端これだよ!
そして選択肢ぜーんぶセックス!
セックスセックスセックスセックス!
セックスのオンパレード!
セックスでゲシュタルト崩壊しそうだよ!
「罰として一週間セックスは禁止だと言っただろう? とりあえずごはんだ」
「申し訳ございませんでした、ご主人様。ごはんですね。了解致しました」
ごはんを用意するためリリィは玄関からリビングへと向かった。
その間に俺は『イエアカン』で戸締りをする。
で、リビングへと向かおうとしたが、リリィの後ろ姿がなんかおかしい。その、布面積的な意味で。
朝と夜で服装が違う。確か朝はぶかぶかの白シャツだったはずだ。だが今の服装は……。
「リリィ、その服装はどうした?」
「あ、気付いてくれましたか! この裸エプロン!」
そう言うとリリィはこちらを振り向き、ぱあっと明るい笑顔を振りまきながらエプロンの裾をチラッと持ち上げてみせた。
「ぐっばばばばばあああああああああっ!!!!」
裸エプロン!
俺が夢にまで見ていた裸エプロン!
まさかこのような形で夢が叶うとは!
ああ今すぐにバックからぶち込んでヤりたい!
ヤりたいよおおおお!!
だがそれはできない!!!
なんて残念なんだ!!!!!
「ご主人様、ぐっばばばばばああああ! って言ってましたけど、大丈夫ですか?」
「ああ大丈夫だ。ところでリリィ、どうしてその服装に着替えたんだ?」
「これはご主人様のベッドルームを掃除中に、ベッドの下に本があったのを発見しまして、中を見てみたところ、このような格好をした女性とセックスしている描写があったのです。また、そのページに折り目がついていたものですから、ご主人様はこういうのが好みなのだなあと思い、私もやってみた次第でございます」
「ふぐおおおああああああああんっ!!!」
ああこの性癖がバレる恥ずかしさよ!
しかし!
リリィはなんて俺思いの良い性奴隷なんだろうか!!
これでサキュバスじゃなかったら最高ですよまったく!!
永遠のセックスをしまくりたいくらいですよ!!
「ご主人様?」
おっと、あまりの興奮に忘れそうになってしまっていたが、さっきリリィが「ベッドルームの掃除をした」というような聞き捨てならないワードを言ったような気がするな。
つまりリリィは俺のベッドルームを物色したということだな?
これは咎めなければならん。
「リリィ、ひとつ聞くが、ベッドルームを物色したのか?」
「物色? いえ、お掃除しただけでございますが」
「本当か? 物色していないかどうか、確かさせてもらうぞ」
俺はベッドの下に隠しておいたコレクションがちゃんとそこに存在しているか確認をはじめた。
だが、一向に見つからない。俺が長年集めてきたコレクションが見つからないのだ。
俺は怒りがふつふつと湧き上がってきた。
「リリィよ! 俺がベッドの下に隠しておいた電マ! ローション! 媚薬! バイブ! エロ本! 手錠! その他諸々! 俺のコレクションがどれもこれも見当たらないではないか! 一体全体どういうことかねこれは!?」
「なんのことでしょうか? 私はそのようなコレクション類は一切知りませんが」
「嘘をつけ! どこに隠した! 言え!」
「知りません」
「リリィめ、あくまでもシラを切るつもりか!」
くそっ! 抜かった!
リリィに大人の玩具コレクションを隠されてしまった!
しかも手錠という現在の状況における最悪な玩具までリリィに保持されてしまった!
もし俺が油断したときに手錠で拘束でもされてみろ!
そしたらあれよあれよで強制セックスされてしまうに違いない!
それすなわち死! ジ・エンドだ!
「ご主人様、そんなことより今すぐごはんを用意致しますね」
玩具コレクションを隠されたことについてまだ怒りが収まらないでいるが、「そんなことより」という言葉で片付けてしまったリリィにはこれ以上何を言っても玩具の在処など教えてくれないだろうなと判断。俺は諦めることにした。
「ああ、よろしく頼む。お腹ぺこぺこなんだ」
するとリリィは突然エプロンの裾を持ち上げ、下の更地を見せてきた。
「はい、今日のごはんは私ですっ。黒い巨塔を上手に使って美味しく食べてねっ」
「うべべべべべべべべべべべべべんっ!!!」
更地! 俺には刺激が強すぎる!
もうだめだ! 一刻も早くこの場を去らなくては身と心がもたん!
「ご主人様? うべべべべべべんっ! って何ですか? ごはんは食べないんですか?」
「ああもういらん! ごはんなどいらん! 俺は風呂に入ったあとすぐに寝る!」
俺はリリィに軽く怒りをぶちまけながら急いで風呂へと向かった。その後もリリィが何か語りかけてきていたが全て無視した。
そして風呂に入った俺はリリィに侵入されないように内側から鍵をかけた。
◆
「ふぅー。やっと落ち着ける」
念のため急いで身体を洗った俺は、湯船に浸かったところでやっと安堵の言葉を漏らすことができた。
思えば昨日から心が休まならい怒涛のような一日だった。
「まさかこんなことになるなんてなあ」
湯で顔をちゃぷちゃぷと浸しながら昨日からの出来事を振り返る。
「そういや『おかえりなさいませご主人様。ごはんからのセックスにする?』ってリリィは聞いてきたけど、ごはんも結局はセックスだったな。あれじゃあセックスからのセックスじゃないか」
リリィの頭の中はセックスしかないのだろうか。まるでセックスするためだけにプログラムされたマシーンのようだ。
と、そんなことを考えながらリラックスモードに移ろうとしたその時だった。
ガコンッ、ガコンッッ!
風呂場のドアが激しく音を鳴らす。
「まさか……」
そのまさかだった。
リリィがドアを破壊して全裸でやってきたのだ。
「ご主人様、お背中を流しにきました」
「おぼぼぼぼぼぼぼぼぼっぼぼぼぼぼぼ!!!」
あびゃびゃびゃびゃ!
真っ裸! 美少女が! 真っ裸!!
いや昨日も見たことは見たけど!!
童貞にはマジで刺激が強すぎるって!!!!
「おや? もう湯船に浸かっていらっしゃるのですね。では私もご一緒させてもらいます」
「だめだ! 入るな!」
「どうしてでしょうか?」
「ま、まずは身体を洗いなさい! そのあとに湯船に入りなさい! それが我が家のお風呂のルールです!」
「了解しました」
リリィは椅子に座り、身体を洗い始めた。
ごしごし、ごしごし、ごしごし……。
たわわな部分からくびれた部分、ごしごしと身体を洗っていく。
よし、身体を洗うことに夢中になっている今が風呂を抜け出すチャンス!
俺はザバッと湯船から上がり風呂場の壊れたドアから脱出しようとした。
だが、それは叶わなかった。
突然リリィに黒い巨塔をガっと握られてしまったからだ。
「ご主人様、なんですかこの凶悪な黒い巨塔は?」
「あっ、あうううっ」
「情けない声ですね。私に入れたくて入れたくてしょうがないからこんなに大きくしているんですよね?」
「ち、違う……ちが……うっ……」
「違いませんよ、これは私にぶち込みたいからこうなっているのです。性奴隷の私にはわかります」
「はああああっんんんんんっ!」
あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっっっっっ!!!
俺の人生の中で最大のピンチだ……。終わった……。俺はこれからヤられて死ぬ……。
「ふふっ、私が気持ちよくスッキリさせてあげますね。ご主人様の性奴隷として」
リリィはそう言うと俺を風呂場の床に押し倒し腹に乗っかってきた。マウントポジションを取られてしまった。
リリィの目は愉悦に浸っている。猟奇的な目とも言える。これが、これがサキュバスか……。
俺は、死ぬ……。
どうせ死ぬなら安らかに眠るように死にたいものだ……。
そう、安らかに眠るように……。
ね、眠る?
そうだ……!
まだ逆転のチャンスがあるじゃないか。イチかバチかアレをやってみるしかない!
「リリィよ、黒い巨塔をぶち込む前に一つ要望を言わせてくれ」
「要望? なんでしょうか?」
「スヤスヤリ」
「スヤスヤリ? ご主人様、一体それは何の……要ぼ……う……」
うわー!!
効き目あったー!!
助かったー!!!!
死ぬかと思ったー!!!!
念のために俺はリリィの頬をぺちぺち叩いて意識がないかどうか確かめる。
ぺちぺち、ぺちぺち。
「うん、意識なし。ぐっすりと眠っているな」
リリィは全裸で気持ちよさそうに眠っていた。
俺は全裸のリリィを風呂場から出し全身を拭いたあと、近くにあった俺のTシャツとズボンをとりあえず着させた。
そしてお姫様抱っこの要領で抱きかかえてベッドへと寝かせた。
これにて一件落着。
どうにか二日目の夜を乗り越えたのだった。
なお、いつリリィが目覚めるかで気が気じゃなかった俺はほとんど寝れなかったのは言うまでもない。
あとリビングの固い床で寝るのは腰が痛くなってキツかった。やっぱり寝る時はやわらかいベッドで寝るべきだと実感した。