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2日目昼

「リリィよ、大人しく家でお留守番しておくんだぞ。それとくれぐれも家の中を物色したりせぬようにな。もし何かした形跡が見つかった場合は、罰を与えることになるからな」

「了解しました」

「では出かけてくる」

「いってらっしゃいませ、ご主人様」


 リリィに言いつけをしたあと俺は玄関を出た。そして我が家に結界魔法『イエアカン』をかけ戸締りをした。


 この結界魔法イエアカンは、俺が死ぬか結界魔法を解かない限りは外から家の中に入れず、また家の中から外にも出られないという、外と中の完全シャットアウトができる大変便利な結界魔法だ。

 ちなみにこの結界魔法が使えないご家庭や結界魔法を使わずに戸締りをしたい場合は、玄関や窓に鍵をかけて戸締りをする。俺も普段はその方法で戸締りをしている。


 しかし本来なら俺はこんな結界魔法は使いたくはなかった。なぜならこの結界魔法、魔力の消費が激しいのだ。朝から大量の魔力消費をすることになってしまうのだ。


 だがもし結界魔法をかけずに家を出てみろ、性欲にまみれた美少女性奴隷リリィがセックスの相手を求め勝手に家を出て、近隣住民を誘ってしまうかもしれん。

 それはなにがなんでも阻止せねばならん。俺は町を守らねばならんのだ。

 そのために俺は我が家に結界魔法をかけた。リリィを家の中に軟禁したのだ。


 とりあえずこの一週間は家を出るときと家に帰ったあとは『イエアカン』で戸締まりすることにしよう。





 


 魔法大学校へとやってきた。

 俺はつい数ヶ月前に30歳になり魔法使いになったばかりの、いわば初級魔法使いだ。

 まだ俺の習得していない魔法や知らない魔法がいくつもある。

 今日はそのまだ俺が習得していない魔法を学ぶため、急遽仕事を一日だけ休ませてもらって魔法大学校へとやってきたというわけだ。



 今日学ぶ予定の魔法は四つ。


・身体を一定時間石像にすることができる『イシカタマリン』の石化魔法。

・対象を眠らせることができる『スヤスヤリ』の睡眠魔法。

・対象を拘束することができる『バリシバル』呪縛魔法。

・部屋に入ったり出たりすることができなくなる『ヘヤアカン』の結界魔法。


 この四つだ。これらの魔法はもちろんリリィ対策のために覚える。

 リリィのことだ、罰として一週間セックス禁止と命じたが、どうせそんな命令は破って俺に迫ってくるはずだ。だから魔法の習得は必須なのだ。



 まず『スヤスヤリ』でリリィを眠らせることができたら最高だ。眠っている間はリリィの活動を停止させることができるからな。

 だが、なにせ今日覚える魔法だ。不発する可能性だってある。またリリィには睡眠耐性がある可能性だってある。


 そこで予防として次に『バリシバル』の呪縛による身体の拘束だ。

 リリィが暴走しかけたときにはこの魔法を使って身体を拘束、身動きを取れなくさせる。


 あと使いたくはないが最終手段として、身体を一定時間石像に変える『イシカタマリン』を使う予定だ。

 俺自身が石像になることで、リリィはセックスしたくてもできない状況になるからな。あとリリィを石像に変えることもできる。俺にもリリィにも使える魔法というわけだ。


 また、結界魔法『イエアカン』の部屋版である『ヘヤアカン』も使っていこうかと思う。『ヘヤアカン』で自分が部屋に閉じこもり避難することもできるし、逆にリリィを部屋に閉じ込め監禁することもできる。

 俺が風呂に入るときなんかはこの魔法を使えばリリィの風呂への侵入を防げる。


 よし、これで上手くいくはずだ。







 迂闊だった。初級魔法使いの俺がたった一日で四つの魔法を覚えられるはずがなかった。俺は自分の能力を過信し過ぎていた。


 今日覚えられたのはたった一つ。『スヤスヤリ』の魔法だけだ。他の魔法は無理だった。


 正直に言って不安だ。

 これだけでリリィの圧倒的な性攻撃に耐えられるのだろうか。

 だが、これだけでやるしかない。


 俺は、二日目の夜を乗り越えてみせる。

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