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6日目昼
分身魔法習得のためにずっと修練をしているが、分身はいまだに一度も現れなかった。
「ちくしょう! なんでだ! なんで分身が現れない!?」
俺はやりきれない思いを言葉にしてぶちまけていた。
すると、さっきまで眠っていたブロイさんが急に目を覚まし、俺を見て口を開いた。
「やはり1日では無理じゃ。諦めなさい」
ブロイさんは淡々と言った。
「しかし……!」
「もう一度言う、今のお前さんには1日では無理じゃ。まあ、わしが見るからに、早くて4日で習得できるといったところじゃろう」
「4日……」
俺は絶望した。
俺の未熟さに。
俺の不甲斐なさに。
そして時計を見て改めて絶望した。
時間というものはなんて短いんだろうか。
ついさっきこの研究室を訪ねに来たと思ったのに、もう一日が過ぎているではないか。
俺は悔やんだ。
俺がリリィと出会ってからすぐに分身魔法を修練すれば、習得できていたかもしれない。だが時すでに遅し。もう遅いのだ。
リリィの状態も気になる。俺は気落ちしたまま家に帰ることにした。




