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1日目夜

 俺は今、普段だと決して訪れることのない領域に足を踏み入れている。


「へへ、ダンナ、どいつが好みですかい?」


 性奴隷専門の商人が手をこねこねしながら俺に尋ねてくる。



 先月30歳になり念願の魔法使いとなった俺は、30年間溜めに溜めてきた童貞の性欲を野獣のようにぶちまけるため、最高級の性奴隷を買うことにした。そのため、この性奴隷専門店にやってきた。


「ふむふむ……。なるほどねえ……」


 ふむふむだとか、なるほどだとか、慣れたような口ぶりで知ったような風を出しているが、もちろん俺は性奴隷など買ったことがない根っからのシロートだ。それに何も経験したことがない、ただの童貞だ。


 シロートで童貞の俺からしてみれば、今ここに並んでいる性奴隷の少女たちはみんなかわいい。こんなかわいい少女たちが何故このようなボロの服を着せられ、売られる身分になってしまったのかと考えてしまうくらいだ。


 だがみんなかわいいからといって「それ! 君に決めた!」とランダムに選ぶ訳にもいかない。どうせセックスするなら最高級の少女がいい。なにぶん金ならいくらでもある。俺好みの性奴隷を購入する資金はある。


 そして俺は一人の少女に目をつけた。

 その少女は、まさに俺好みの顔が丸っぽくて目がくっきりとした色白だった。また、髪は肩くらいまでの金髪ショート、ボロを身にまとっているため肝心の部分が隠れてはいるが、隠れていても分かるくらいには体つきも申し分ないという美少女だった。性奴隷にこんな美少女がいるのだと正直驚いたくらいだ。



「おっ、ダンナ、そいつにするんですかい? そいつはウチの中でも飛びっきりの上モノでさあ! なんと昨日入荷したばかりのピッチピチ! 購入するならまさに今がチャンス! 次にウチの店に来るときにはいなくなっちまってるかもしれねえですぜ!」

「ふむ……。わかった。この子にする」

「へへっ、了解!」



 俺は持ってきていた金を商人に渡し、念願の性奴隷を購入した。


「あ、ダンナ! ちなみに返品は不可ですぜ!」

「うむ、心得ておる」


 このような美少女性奴隷を誰が返品などするものか。







 さっそく美少女性奴隷を家に連れて帰った俺は、まず風呂に入ることを命令した。


 一緒に入ってもよかったのだが、最初の裸体はベッドで拝みたいという俺の信念に基づき、風呂は別々に入ることにしたのだ。


 数十分後、美少女性奴隷は風呂から上がり、俺が用意しておいた白シャツ一枚でベッドルームへとやってきた。

 うむ。ぶかぶかの薄い白シャツ一枚に包まれた少女。これはすごくそそるものがある。滾ってくる。


 おっと、それよりもうっかりしていた。そういえばこの子の名前を聞いていなかったな。


「俺はアレン。今日からお前のご主人様になる男だ。よろしく頼むよ。ところでお前の名前はなんて言うんだ?」

「名前など持ちあわせておりません」


 ふむ、名前はなかったか。

 だとしたら俺が命名するしかなるまい。

 うーむ、何がいいだろうか……。

 どうせつけるなら綺麗な名前がいいな。


「そうか、では決めたぞ。今日からお前はリリィだ。リリィ、いい名前だろう?」

「リリィ。素敵なお名前、ありがとうございます」


 リリィは表情こそ硬いものの感謝の言葉を口にして、ぺこりと頭を下げた。


「よし、ではリリィはすまないがここでしばらく待っていてくれ。次は俺が風呂に入ってくる」


 軽めの自己紹介を終え、俺は風呂に入っていった。

 今からリリィと野獣のようにヤりまくるのだ。あのあどけない美少女を俺の欲望のままに、道具同然にするのだ。

 そんなことを考えながら、全身をくまなく洗っていった。



「リリィ、おまたせ」


 ガウン一枚でベッドルームへ戻ってきた俺は、リリィが座っているベッドの隣に座った。



 いよいよだ。

 心臓が高鳴る。


 ついに、俺の30年間の童貞生活に終止符が打たれる時がきたのだ。


 俺はガウンを脱ぎ捨て、素っ裸になった。

 女の前で素っ裸になったのはもちろんこれが初めてだ。緊張しっぱなしである。


「ではシャツを脱がすよ」


 一言告げてから、俺はリリィのシャツに手をかけた。


 はらり。

 瞬く間にリリィを守っていた白シャツは消え去り、真っ白な素肌が目の前に現れた。

 何も身にまとっていない、ありのままの姿だ。ふっくらとした胸に付いている二つのぽっちが元気にこんにちはしている。下のほうはほぼ更地で幼さを感じさせる。



 リリィの背中を見てみた。

 白く透き通った肌だ。穢れなどない清らかな肌だ。本当に性奴隷として売られる身分だったのかと疑わしくなるくらいの美肌だ。

 今から俺がこの美肌を独り占めできるのだと思うとゾクゾクする。


「ご主人様、私は性奴隷です。見ているだけではなく、触れてくださってもいいのですよ?」


 リリィのほうから次のステージに行こうとお誘いがあった。

 ご主人様としては進まざるを得まい。



 俺はまずリリィの柔和で華奢な背中に触れた。そしてねっとりとプレイを楽しもうとしたその時だった。


 よく見たらリリィの両肩甲骨の下のあたりに穴が空いているではないか。

 それは小さな小さな穴だった。常人なら見逃してしまうかもしれないほどの穴。

 だがこの穴を見た途端、嫌な予感が全身を駆け巡った。


 次に俺はリリィの尾てい骨のあたりを見てみた。するとどうだろうか、やはり小さな穴が一つあるではないか。

 この穴を見て、俺は確信した。



 リリィは人間の性奴隷ではない。サキュバスなのだと。



 俺は魔法使い、魔物に関する知識は持ち合わせている。俺はサキュバスに関する様々な情報を瞬時に思い出した。





・サキュバスは背中に二つの羽と尻尾を持つ。

・サキュバスは人間の男性とセックスすることで生命力(精子)を吸収(ドレイン)し、生き続ける。なお、その方法以外で生命力を吸収することはできない。そして生命力を吸収できない状態が一週間程度続いた場合は衰弱死する。

・サキュバスは人間の男性が好む美しい姿に扮して現れる。よって、男性はサキュバスだと知らずに魅了されセックスを行い、生命力を奪われ死に至る。






 サキュバスに関する情報は確かこんなところだったはずだ。


 つまり、サキュバスは大変危険な魔物だ。関わると死ぬかもしれないのだ。サキュバスによって町が全滅したとの噂も聞いたことがある。


 リリィはサキュバス。これは間違いない。

 今はサキュバスの特徴である羽や尻尾を穴の中に隠して、俺好みの美少女に扮している状態なのだろう。

 性奴隷として売られる身分だというのに肌が雪のように美しかったのは、人間に扮したばかりのサキュバスだったからということだろう。


 まあ、どうしてサキュバスが正体を隠して性奴隷になっていたのかまではわからないが。だが、リリィがサキュバスだとわかった以上、こうしちゃいられない。

 セックスタイムはすぐさま打ち切りだ。



 さて、俺は魔法使い。今すぐにリリィを魔法で燃やすなりして殺すことはできる。

 だが……。


「ご主人様、突然真剣な顔をされてどうなされたのですか?」


 全裸で上目遣いで尋ねてくるリリィ。



 はあああんこの破壊力!!!

 かわいいの暴力!!!

 かわいすぎる!!

 リリィ、なんてかわいいんだ!!

 たまらん!たまらんぞおお!!

 うわああああああ!!!!!


 ああヤりたい! ヤりまくりたい! 狂った野獣のように一晩中リリィとヤりまくりたい!!!

 俺が魔法使いになるためにどれだけの年月セックスを我慢したと思っている!

 30年! 30年だぞ!!

 30年分ヤりたいに決まっているじゃないか!!


 だがヤりまくったら最後! 俺は生命力を吸収されて死ぬ! 死ぬんだ!!!

 ちくしょう! ちくしょうがああああっ!!!

 今日はなんて日なんだあああっ!!!!



「ご主人様?」

「あ、ああ、なんでもない。気にしないでくれ」



 とりあえず口を濁す。

 もちろんリリィが俺好みの姿になって迫っているからこそのかわいさだとは重々承知している。

 だが、とにかくかわいいのだ。

 こんなにもかわいい美少女性奴隷リリィを燃やすなりして自らの手で殺すことなどできようか。いや、できない。

 たとえサキュバスだとわかっていても、脳が直接殺すことを拒んでしまうのだ。


 というかそもそも俺、虫を殺すのにも躊躇するもん。自らの手で直接リリィを殺すなんてできるわけないじゃん。


 なのでリリィには申し訳ないが、一週間セックス断ちからの生命力枯渇、すなわち衰弱死してもらうことにする。それが俺の唯一の生きる道だ。そしてそれがこの町のためにも、世界のためにもなるのだ。



 俺は、一週間耐える!

 30年分の強烈な性欲から、リリィの誘惑から、耐える!



「ご主人様、私の準備はできておりますよ。さあ、早く始めましょう」

「すまない、リリィ。急だが今日はそんな気分じゃなくなってしまった」


 目を逸らして話す。

 目を合わせてしまったら、リリィのあられもない姿が目に飛び込んできてしまう。欲望が暴走してしまう。


「どうされたのですか? もしかして私のカラダが気にいらなかったのでしょうか?」

「いや、そういうことではない」


 カラダはむしろ最高です。今すぐしゃぶりつきたいくらいです。



 さて、どう返答しようか。

「リリィがサキュバスだからセックスできなくなった」と正直に言ったら俺はどうなるだろう。リリィはサキュバスの本性剥き出しにして無理やり俺とヤるのだろうか。そして俺は生命力を吸収されて殺られるのだろうか。


 どうなるかはわからんが、とりあえずリリィの正体がサキュバスだということに気付いたことは隠しといたほうがいいだろうな。



「ご主人様、もしかして、本番を前にして勃たなくなってしまわれたのですか?」

「なっ?」


 リリィの発言に俺は思わず自身のムスコを見てしまった。

 だが、ちゃんと勃っていた。しっかりと勃っていた。むしろギンギンだった。美少女を前に勃ちっぱなしだ。我ながらけしからん30歳童貞だよまったく。



「リリィ、俺の黒い巨塔はしっかりと勃っておる。心配は無用だ」

「でしたらソレを私のココにぶち込むだけでセックスになりますよ」

「あばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばばば」



 ぐっはあああぁぁあああああっ!!



 リ、リリィめ、ついにリリィのリリィ自身を俺にまざまざと見せつけてきて誘惑してきおった!


 危うく理性がぶっ飛んでしまうところだった。いや、軽くぶっ飛んだ気がする。あばばばばばばとか俺らしくない言葉が出た気がする。

 こ、これ以上リリィと関わるのはよくない。早くなんとかしないと。


「ご主人様?」

「リリィ、すまないが今日は体調が優れなくなった。よって俺は一足先に寝ることにする。リリィも服を着て早く寝なさい」

「わかりました、ご主人様」


 俺は服を着てベッドに潜り込んだ。

 するとリリィも素直に白シャツを着て、ベッドに潜り込んできた。そして俺の背中に抱きついて添い寝してきた。



 いやはや、迂闊だった。ベッドルームにベッドが一つしかないのは。


 だって本来なら野獣のようにこの一つのベッドでヤりまくる予定だったんだもん。ベッドが軋んで壊れるくらいヤるつもりだったんだもん。

 だいたい一人暮らしなのにわざわざ二つのベッドを用意する意味なんてないんだもん。


 とりあえず添い寝しているリリィをベッドから追い出さなくては興奮のあまり寝れやしない。



「リリィ、俺は気分が優れない。元気も出ない。だから一人で寝たいんだ。今すぐベッドから出てくれないか」

「しかし……」

「これはたぶん風邪なんだ。リリィに風邪を移す訳にもいかない。さあ早く出てってくれ」

「でもご主人様。お言葉ですが気分が優れなくて元気がなくて風邪の割にはご主人様の黒い巨塔はものすごくお元気でいらっしゃいますよ?」

「ぐばばばばばばばばばばばばっばばばばばばばばばばばばっば!!!!」



 は、背後から俺の黒い巨塔を握られてしまったあああああっ!

 くそう! リリィめ、なかなかやるな……!

 と、それよりも弱みという名の黒い巨塔を握られているこの状況は非常にやばい!


「こ、この黒い巨塔はもう間もなく自然崩壊するから! だから黒い巨塔から手を離して早くベッドから出てくれ! そして床で寝てくれ!」

「し、しかし! 私はご主人様の性奴隷です! ご主人様の黒い巨塔がまだご立派である状態だというのに、性奴隷の私が何もしないというのは納得できません! せめて! せめて私の手で黒い巨塔を崩壊させてくださいませ!!」



 もうやめて! 俺の理性が崩壊しそうだよ!!


 というかなんていう熱意なんだよ……!

 これはもう性奴隷としてご立派、尊敬に値するレベルの仕事人ですよ……!



 しかしどうする?

 どうやってこの状況を打開する?

 このまま手でヌいてもらうか?

 だが俺はこれまでの30年間、女性に何もシてもらったことがない童貞のプロだぞ?

 手でヌいてもらったが最後、リリィの思うがままに最後まであれよあれよと持ってかれてヤられちゃうんじゃないか?

 そうなってしまったら俺は死ぬんだぞ?



 俺は……俺は!

 俺はまだ! 死にたくないんだ!

 アホみたいに何回もめちゃくちゃセックスするまで死ねないんだ!

 たった一回きりのリリィとの快楽セックスで死にたくなんかないんだあああ!!



 んああああああああああっ!

 こんなこと考えてる間にも黒い巨塔を握ってるリリィの手の動きが早くなっていってるうう!!

 もうやばい! 時間がない!! 時間がないいい!!!



「ああああやばい!!! 俺爆発して死にそう!! だから! だからリリィは巻き込まれる前に早く俺から離れて別室に避難して! 早く!!」

「ば、爆発?」

「そうだ! 俺は魔法使い! 魔法使いは風邪が悪化すると体内の熱が高まってしまって火の魔法が体内で暴走して爆発する仕様なんだ! それで今もう熱がマジやばい! だからリリィだけは逃げろ!」

「ご主人様……」

「早く逃げてくれえええ!! そして朝まで部屋には戻ってくるな!!!」

「わ、わかりました、ご主人様!」



 ようやくリリィは黒い巨塔から手を離し、そして急いでリビングのほうへと避難した。

 そして間もなく俺は爆発……もとい、黒い巨塔が崩壊した。



 それからはソッコーで黒い巨塔をキレイキレイした。また、消臭魔法で黒い巨塔やベッドルームの臭いを完璧に消臭し、爆発の証拠も全て隠滅。事なきを得たのだった。


 リリィは結局その後、俺の言いつけを守り寝室には来なかった。

 だが俺は気が気でなく、結局一睡もできなかった。


 こうしてリリィとの波乱の一日目が幕を閉じた。

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