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彼女とクラスメイト達に裏切られた絶望者は異世界を夢想する  作者: 滝 清幹
第一章:異世界召喚
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マルフォイ(ネタ)

 俺復活!! どうやら映画「竜胆悠斗死す!!」を楽しめてもらえたようですね。絶賛公開中なのでまた観に来てください! 気になる第二弾は......製作予定中です! 近日公開! 楽しみにしていてください(死亡フラグ)!


 

 よし! 状況を説明していこう。


 まず俺が死んだ(仮)その翌日からそれぞれの天職に適した人物に会いに行き、俺も一応魔術師とあるのでそれに付いて行ったのにまったくと言っていいほど習得できない。クラスメイト達は余裕な様子で習得している中でだ。天職が浮いていることに加えて俺の存在までも浮いてしまったのだ......いやよく考えると地球にいた頃とあんま変わってねえじゃん。なら気にすることじゃないな、という風にはなりません。ここに来たときは、英雄(はい元気です!)としてまるで地蔵様を拝むような様子を見せていたのに......どうしてこうなってしまったんだ! 


 俺地蔵説はどうでもいいとしてだ......いまさらなのだが俺以外のクラスメイト達は女神の加護を貰っているのに俺だけなかったのだ。


 神が差別するとか地球と変わらねえじゃねえか。

 

 だが一つ変わったことがある。


 それは......?


「踏ん張れよ! オタク!」


 拳が飛んできた。


「ガハッ!!」


 水平投射のように飛ぶ俺......まあ見て分かるようにゴリラのサンドバックになってしまっている。サンドバックというよりも動物園のゴリラゾーンにある遊具みたいなものと同じ感じか。


 それにこいつは知力は低いくせに悪知恵だけは働くので、タイミングの良いところで俺を捕まえてはこんなことをしているのだ。地球にいた頃から嫌味は言われていたのだが、こっちの世界に来た途端この有様である。


 その理由は大方予想できる......雪が好きだからだろう。

 

 まあ雪はお前みたいな野蛮人ゴリラは好きじゃないから絶対に付き合わないことだけは永久に保証してやる。ほら保証書付きだぞ、ありがたく思え。


「ふ~スッキリした。また頼むわ~」


 そう言いながら歩いて行ったので、いつもの腹いせに後ろからドロップキック(特技)をお見舞いしてやった。 

 

 案の定切れるゴリラ君......だが残念、俺の方が敏捷が早いのだ。


 ゴリラから逃げるのってこんな感じなんだな、そう思いながら俺は笑いながら逃げてあげたのだ。偶には体を動かしてあげないと可哀そうだからな(嘲笑)。 


 まあこんなところがここ2週間にあったことだ。

 

 ......半分以上がゴリラじゃあねえか。



 

 そして、今現在俺は図書館にいる。クラスメイト達はそれぞれ訓練中だ。


 え? なんで参加してないかって? 俺は訓練してもあまり上達しないんだ。


 それにほら、ちゃんと許可書もあるでしょ。なので使命を持った(暇な)俺は、図書館で本達と図書館戦争(比喩)をしているのだ。

 

 ちなみに戦果はこの世界のことと魔法についてだ。


 

 

 世界についてだが初めのお姫様の話に加えて、どうやらこの世界には女神と亜神と邪神と天神というものが実際に存在しており、なんでも人族は女神、亜人族は亜神、魔族は邪神、天使族は天神といった具合にそれぞれの神を信仰しているようだ。

 

 一応クラスメイト達も女神の加護があるので女神を信仰している。

 

 俺は前述のとおり女神の加護を貰えてないので女神は信仰せず無教徒だったが、先日、死んだときは遺体を燃やして海に捨ててくれと正人と雪に言ったら二人同時に殴られ、体力が1になった。

 

 あの時、死んだ爺ちゃんが川の向こうから手でこっちにおいでと手招きしていた。

 

 why!? でもすぐに、いや爺ちゃん死んでねえー! と気が付き事なきを得た。

 

 生き返った? 後何か目覚めてねえかなとステータスを見ると、称号のところに「死神の加護」とあったので気になって画面をタッチしてみると......。


 死神の加護:死神にあった者が貰える。死にそうな状況・状態に陥ったときステータスが大幅に上昇する。(教徒になるとその恩恵を受ける)


 あの爺さん死神だったようだな。それを知りうれしいような悲しいような気持になってしまったんだが......てかなんだよ教徒って。

 

 だが感謝の心を持つ俺(自称)は加護を貰えたお礼として俺の信仰する神を死神にしたのだ。


 ちなみにメンバーは俺だけなので、新しい宗教である死教を開宗して俺は教祖になる......これでやっと神谷教に対抗できる。



  

 次に魔法についてだ。

 魔法は炎・木・水・土・雷・風の六大系統に加えて、光・闇の番外系統に分かれており、一般的に炎は木に、木と土と雷は水、水と風は炎に強く、そして光と闇はお互いに強く、お互いが弱点である。

 

 その中に治癒魔法や精霊魔法などがあり、普通一般人は六大系統しか使えれないそうだ。

 

 俺達は一般人ではないので光・闇系統は練習すれば使えれるようになる。

 

 お気づきかもしれないが俺はスキルに「影牢」というものがあり、それは闇系統に分類されるようだ。

 

 ちなみにこの「影牢」を使うと、黒い靄のものが出できて対象を包み込むというものだ。


 殺傷性はなく、相手を捕まえるという認識でいい。


 加えてかなり柔らかかった。


 

 これが二週間の戦果である。


 

 そして今につながる。今俺は自身の天職である暗黒魔術師について調べている。

 

 調べているのだが! 一向に有益な情報が見つからない。

 

 最後にその天職の保持者が存在したのが数百年も前なので曖昧な情報しか載っていない。なんだよ数百年って、その空白の時間は何なんだよ。アポロで有名な空白の2分間みたいな感じなのか?

 

 そんなことを考えてはや数日が経過し、今日もこんな感じだ

 

 これはあれじゃないか? 気分転換に一旦城に戻って飯食って風呂に入って寝るべきではないのか?

 

 そんなこと真剣に考えていると誰かが俺に近づいて来るので、そちらを見る。

 

「隣に座ってもよろしいですか?」


 どうやらお姫様であるアリシアだったようだ。


「おーアリシアか。別に許可なんて取らなくてもいいのに」


「いえ、ユウト様も一応勇者様なのでこの対応は適切かと」


 そんな風に返してきた。

 

 なんだよ一応って......俺のメンタルは豆腐のこと忘れているのか? 俺のことは忘れてもいいけど、豆腐がいたことだけが忘れないでください! 俺はあっちゃんか。 

 

 それに儀式の時に俺が主演の映画を生で見ただろ? だから取り扱いに注意しないと、今度はいい音を出してはじけ飛ぶぞ。 

 

 そういう気持ちでジト目でアリシアを見ていると。


「ユウト様の扱い方はこの二週間でマスターしたのでこの対応で間違いないかと」


 彼女は微笑あくまみながらそう言いやがった。

 

 この会話で俺とアリシアとの関係は理解できるだろう。


 儀式が翌日から魔法の適正がないことに気が付いたので早々と図書館に来たのだが、その時アリシアも責任を感じてか一緒に来て調べてくれたのだが、徐々に俺の扱い方をマスターしていき今では竜胆検定2級を持っててもおかしくない。

 

 ちなみに雪は3級、正人は1級で、試験監督者は俺、主催は日本悠斗検定協会である。つまりオールスターユウトということだ。


 初めの頃のアリシアは天使に見えたのに、今じゃ悪魔のように見えてきたものだ。てか魔王と肩を並べてもおかしくないんじゃないのか?

 

 そんなことを考えているとアリシアが気にしていないよう様子で。


「調べものは順調ですか?」


 俺はなるべく目を腐らして現状を一発で理解できるようなある言葉を放つ。


「......神は死んだ」


 俺の言葉に納得顔のアリシア。


 どうやら理解してくれたようだ。


「たしかにユウト様の開宗した死教の死神は死んでいますね」


 ......全然理解していなかった。


 ちなみに意味は新しい価値観を持つ必要があるという意味で、俺は図書館の本だけがこの世のすべてではない、自分の足を使って調べるべきだと言いたかったのだ。これを言ったのはニーチェ先生です。


 それはともかく何でそのこと知ってるの? かなり極秘情報なはずなのに。


「いや俺が言いたいのはまったく順調じゃないという意味のことだから! たしかに死神死んでるけど......」


 まったく! 俺が教祖じゃなかったら教徒達が怒り狂うぞ! ......まあ今は俺以外はいないけど。


 だが将来的には教徒を増やして、死教をこの世界の四大宗教の一つに加えてもらう予定だ。こういうのを世間一般的にいうと、机上の空論っていうのではないだろうか。

 

 そんな悠斗の野望をしようか迷っていると、なにやらアリシアが外を見ているようだ。


「どちらにせよもう閉館時間なので調べものは明日でしょうね」


 そう言うので俺も外を見るともう空が暗くなってきている。

 

 ......どうやら常闇が迫ってきているようだ。

 

 くっ! 沈まれ......俺の右目! っとあっぶねえなおい! 危うく中学の頃を思い出してしまいそうだった。


 時々影井兄弟を見ると右目が反応するんだよなあ~、そろそろユニットを組む日も近いかもしれん。ちなみにユニット名は『チューニーズ』だ。センスがないし、分かる奴には一発で見抜かれるな。


「それもそうだなあ。帰るとするか~」


 若干声が高くなって俺は本を元の位置に戻しに行く

 

 そして帰ろうとするとアリシアが付いてきたので、彼女を見ると俺の視線に気が付ついたようだ。


「こんな時間に女性を一人で帰らしてはいけませんよ」


 冗談はよしてほしい。 

 

 確かに紳士(自称)としては女性一人で帰らせてはいけない。


 しかし俺個人としては誰も悪魔は襲わねえだろうと思ったが、口に出したら殺される(精神面)ので言わなかった。

 

 俺の中じゃアリシアは名前の言ってはいけないあの人と同じ括りである。


 俺はマルフォイか。

 

 そんなマルフォイのことを考えていると。


「どちらにせよ帰る場所は同じだし別にいいフォイ......間違えた、いいだろ」


 マルフォイばっか考えてたから、ネタのマルフォイが飛び出してしまった......てか俺マルフォイ好きすぎだろ。

 

 だがアリシアは気にしなかったようだ。


 俺達は図書館を出ると街灯が照らす夜道を二人で歩いている。道路の材料は赤いレンガを敷き詰めているようだ。しかしよく見ると少しその赤が色あせているところや経年劣化と言えばいいのか、レンガが欠けているところも見受けられる。図書館の本に書いてあった情報だとこのユーリシア国は、人族で最も歴史の古い国だと書いてあったな。つまりこの跡はこの国の歴史とも受け取れるな。


 なんかノスタルジーな気分に陥ってしまったな。だが何故人はノスタルジーを好むんだろうな? 例えばで挙げるならば、夏の風景とかだな。あれも一種のノスタルジーを感じさせる気がする。それを感じるということは、時間が流れと自身の成長を自覚するからだろう。だからこそ人は自分の歩んできた道を振り返ることで、なにか大事なことを思い出すことでまた一歩一人前の人間になろうとしているのだろか。俺達はまだ若いからな、これから先の人生、谷あり山ありの人生が待ち受けているだろう。だからこそ、偶には過去を振り返ることが大事なんだろう。


 アリシアとの帰り道は大体こんな静かな感じなので、一人想像をしていることが多いのだが、図書館を出て数分したうちに突然アリシアが口を開いた。


「......そういえば一月後にダンジョンで実戦をするらしいですね」


「あーそういえばそんなこと言われたな」


 数日前に王宮騎士団団長という人からそんなこと言われた。


 名前? 知らん。


 そもそも教えてもらえることがないから集団での訓練には参加してないからな自然と名前覚えることがない。


 けして! 集団に馴染めないのが理由ではない。


 本当だからな(必死)。


 たしかに仲が良いのは雪と正人だけだが......。

 

「一月後ですが、ダンジョンでの実戦気を付けてくださいね」


 親切な言葉をアリシア言った......アリシアが! だ。


「お前が俺の心配するとか、明日槍でも降るんじゃねえの?」


 そのセリフにすぐに足を止めてアリシアが俺との距離を狭めて来た。


 近い! なんか距離が近い! それにいい匂いがする! これってシトラスの香りっていうやつなのか? 

  

 そんなことを考えて現実逃避をしていると、


「ちょっと! 槍降ったら死んでしまいます! というか私のこと何と思っているんですか!?」


 アリシアがかなり不機嫌そうに言っていたので、『ごめんな......悪魔と言いたかったんだ♪』と冗談で返そうとすると少し拗ねたのか、その顔を下に向けてしまった。


 ま、まさか~泣かしてしまった奴なのか? どうしよう、これでも一国に姫様を泣かしたなんてバレたりしたら俺の首がチョッキンされて、明日の日の出を見ることができなくなるぞ。


 オロオロしながらアリシアの様子を見ていると、


「......別に......気の置けない人が少ないからですよ」


 ......時間が止まった。


 衝撃の事実!! アリシアはツンデレだった! 初めて見るツンデレに関心を抱くと同時に俺の首がさよならしないことの噛みしていると、俺が無言なのに気が付いて顔を上げると同時に俺を見て一言言う。


「ちょっと、なに変な顔しているんですか」


 おい。


「変な顔って今だけだろ。ほら! 元に戻った」


 どうにかしてその言葉を訂正しようと思いとびっきりの笑顔をしてあげたのだが、するとアリシアがすっとそのサファイアの瞳を逸らす。


 どういうことだ? そう思ったのも束の間。


「すみません、元から変でした。加えて笑顔はさらに......」


 衝撃の事実2!! 俺の顔は変だった! 精神面に大ダメージ! ユウトは瀕死の状態になった。


「ごめんなさい。気を付けて無事に帰ってきます......」


「分かればいいのですよ♪」


 俺とは反対にアリシアは機嫌を直すと、心がスキップしているのか、楽しそうに鼻歌を歌いながらその足を自身の家であるユーリシア城に向けて歩き始めので、俺の置いて行かれないようにそれに続いた。


 先行している彼女を後ろから見ていたが、いつもよりも楽しいのかやや頬が赤みを帯びているような気がする。


 そんな様子が微笑ましいものに感じたので、それについては何も言わないで俺とアリシアが帰路に着いたのだ。


 後日談として、夕食の時にアリシアと帰っていたのが雪にばれて説教を受けると同時に、再度俺は意識を手放した(2回目)。無事フラグ回収!



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