自由落下した者
今現在......俺は自由落下をしている
なぜこんなに冷静なのかと言うと、以前キマイラと一緒に自由落下した際にある称号を得たからである。
それがこれだ、ワン・ツー・スリー(ネイティブ意識)。
自由落下した者:2000メートル以上からパラシュートなしで、自由落下した者が貰える。同様なことが起こった場合、恐怖心がなくなる。
これにより俺は、自由落下に対する恐怖心が無くなったのである......今の紹介の仕方伝わったかな。
伝わらないならジェネレーションギャップだ......時の流れを感じる、俺も大人になりつつあるのだ......。
そして前回と違ってキマイラではなく同行者はアスナなのだが......。
「おいアスナ! 起きろ! 朝だぞ!」
俺の声にようやく、長い眠りから覚めたアスナは、目を擦りながら起き上がる。
「先ほど怖い夢を見まーー」
何かを感じ取ったのか、案の定先ほど同様意識を手放そうとしたので、
「おいアスナ! 起きろ! 自由落下だぞ!」
こんな貴重な体験地球以外では体験できなんいんだからな。なので絶対に! 意識だけは手放させない。
「そんなの見れば分かりますよ! どうにかしてください!」
「馬鹿お前! 抱きつくな! 攻撃はお前の方が高いんだぞ!」
現実を認識したと同時に俺はアスナに抱き枕のように締め付けられている。
このままでは死因が落下死ではなく、圧死になってしまう。
「とにかく離れてくれ! このままじゃ死......」
ヤバイ......俺の霊魂が口から......。
「キャー! ユウト様お顔が紫色になっていますよ!」
そう言ってアスナは、俺から離れてくれたので何とか圧死せずに済んだ。
「馬鹿お前! 神に殺される前にお前に殺されるわ!」
やはりこいつは神で確定だな......ならここにいるから堕落した神々なのか?
「どうでもいいので早くこの状況どうにかしてください!」
そんな俺の冗談をアスナは無視している......面倒だが仕方ないか。
「おいアスナ! 軽く抱き着いてくれ!」
その瞬間アスナとの距離が物理的・精神的に広がった。
てか空中でどう離れるんだよ? 物理法則を乱、すな!
「おいなぜ離れる!? さっきは抱き着いていたのに!」
「先ほどは気が動転していたので仕方ないですが、自身で抱き着けというのは如何なものかと」
俺の言い草にアスナは少し顔を赤らめながらも、ドン引きしている様子だ。
仕方ない......なら最終手段だ。
俺は一度視線をアスナではなく、下に向けてある事実を教えてやろうと思い立った。
「そうか、分かった。なら自由落下を楽しんでくれ。多分後一分ぐらいは楽しめるはずだから」
先ほどから雲の中を抜けたので次第に地表が見え始めている。そして大地さんが、こんにちわー! 宅急便でーす! と言っている。印鑑を持ってこねえとな。
「ちょっと何ですか! 自由落下を楽しめって!?」
俺が創造魔法で印鑑でも創ろっかなあ~、と思っているとやっと現状の認識したのか、そう言って少し顔を赤くしながらも、
「抱き着くので早くどうにかしてください!」
アスナが俺に抱き着いた......。
ここで俺は、あること気が付く。
アスナが抱き着く! 体が密着! メンタルヤバイよ、チェケラ!
ラッパーYUTOになっている場合じゃねえなおい。
俺はどうにかして高菜豆腐改を崩さないことに成功したので、その後以前よりもパワーアップした影牢を使用することにしたのだ。
久々の影牢さんのご出勤、丁寧に扱わねばな、だがこのあとは大地さんとキスするからな、後でボーナスを支給しますよ。
俺は、影牢さんを展開させ自身とアスナを包み込む形で、覆い込むことに成功した。そしてそのまま、約一分弱ほどの無重力体験をした後に......。
「ズドーーーーン!!」
凄まじい爆音を上げ、少しの振動を感じ取りながら俺は影牢を解いて衝突した場所を見てみると......まだ土煙を上げており、加えてかなりの大きさのクレーターが出来上がった。
ごめんな大地さん......顔がかなり悲惨な状態になっちまったが、というか顔がどこか知らん。ついでにこれがモンハン出でくる大地の結晶なのか? 実物を見てやっと名称に納得することができたな。
俺は大地さんに軽く謝りながらも影牢が以前よりもパワーアップし、抜群の乗り心地? になっていることに感動していたのだ。
「どうだアスナ、俺も偶にはやるだろ?」
「......もうお嫁に行けない」
勝気顔でそう言ったのが、アスナは俺ではなく大地さんを見るかのように下を見ながら、かなり失礼なことを言っていた。
俺のハグに一体どんな呪いがあるって言うんだ!? ......だが俺は、仲間思いな優しい人間なんだ、そんなことは気にしない。
「アスナ......安心しろ」
俺はできるだけ優しくアスナに語りかける。
「ユウト様......」
彼女は、涙を流しながらいかにも嬉しそうな顔をしたので、俺は優しく頷いてそんな彼女に言ってあげたのだ。
「お前は嫁に行かなくても十分強い。俺と一緒に独身同盟組もうぜ!」
俺はサムズアップして同盟を持ちかけたその瞬間、今日二度目の鳴ってはいけない音の後に俺の悲鳴がその場に響き渡る。
「バッキューン!! あぁぁぁぁぁぁ!!」




