常識
「ユウト君、君には何が見える?」
それに対して俺は重い口を開く。
「......大きな大陸が四つ見えるな」
「その通りじゃ。1つ目は周知の通り君達が住んでいるこの大陸じゃ」
オーブリーが言うように、この大陸は人族、亜人族、魔族の三種族の国が密接して存在しており、その大陸を大きく囲むよおに大きな塩の水で満たされている、この世界ではそれをオケアヌスと言い、大陸から100キロメートル圏外には他の大陸は存在しないということになっている、だからこそ不可解なのである。
「じゃあなんでそんなことがこの大陸の常識になっているんだ?」
「簡単なことじゃ。そのことを調べた当時の者達の測量技術がそれまでじゃったからじゃ。転じてそれがこの大陸の真理になったことにも繋がる」
たしかに地球でも過去の歴史が間違ったまま教科書に記載されるのも稀なことではない。例を挙げるなら『西郷隆盛』の写真とかがそれに当てはまる。
「なら、残りの三つの大陸はどんなところなんだ?」
そう言うとオーブリーは、各大陸について説明し始めた。
一つ目の最もこの大陸に近いのが和の国と呼ばれる大陸兼国じゃ。
今現在その国は貿易を禁止している......つまりは鎖国状態であるということじゃ。
しかし例外はあるようで出島というところは今も貿易を続けておる。
そしてその国の身分についてだが、農民、平民、役人、武士などといった者達が大半を占めておる。
この国の特徴を挙げるとすると、ある期間の間に同時に四つの季節が存在することじゃな。
気候は温暖で雨が多いのでそこんところも覚えておいてほしい。
加えてこの大陸には魔力と言った概念が存在しない。
二つ目の大陸はこの世界で最大の大陸、名前はパンゲアと言って様々な国が密接しているのじゃ。
それにこの大陸の一部の国々が和の国と貿易をしておる。
そしてこの大陸は様々な人種がすんでおり身分も様々、気になる気候については温暖な地域もあれば、寒冷な地域、熱帯地域と様々なのじゃ。
加えてこの大陸も和の国同様魔力の概念が存在しない。
注意事項として二つの大陸は共にほとんどが人族が住んでいるが、時には例外もあるからそこんところも意識しといれくれ。
そして最後の大陸......これは暗黒大陸と儂らはそう呼んでいる。
この大陸はどの大陸の者達からも認知されておらず、儂らも詳しく認知することができない。
理由としては常に周囲を何かで保護されており、内部をみることができないからじゃ。
儂らはここに悪魔と言った別世界の生き物や堕落した神々が住んでいると考えておる。
なるほどな、つまり......一つ目から日本、海外、漫画と言った認識でいいはずだ......多分。
「では気になることを質問してもらっても構わんぞ」
一番訊きたいことはいつ再掲載されるかってことなんだが、今回は諦めるか。なら次回訊くのかっ!
心の中でボケツッコミを完了した俺は、オーブリーが話している中でおかしな言動に気が付いたので、そのことについて訊いてみることにした。
「気になったんだが、なんで注意事項を意識しとかないといけないんだ? 俺達の仕事ってこの大陸だけだよな?」
オーブリーの言動はまるで俺達にその大陸に行ってこいやぁ! と思わせるものだからだ。
......まさか違うよね? 違うって言ってください神様! じゃなくてお星さま!
「何を言っておるんじゃ?」
彼は目を丸くして俺の疑問を不思議に思っているように見えるぞ。これはまさか......。
「俺達にその大陸に行けってことか?」
不安半分諦め半分、結果新人から一瞬で社畜に変身した俺は上司様であるオーブリーにそう伺うと、
「無論そのつもりじゃが」
上司様はさも同然のことにようにそうおしゃったのだ。




