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仕事

「話は以上だが、何か質問はあるか?」


 話を聞き終えた俺達にオズウェルが尋ねてきたので、俺は少し考えてから彼に向かって一番肝心なことを尋ねることにした。


「結局のところ、その凶神って奴を叩けばいいのか?」


 これで凶神だけだったら俺達の敵はそいつだけで楽なんだが......残念ながら世の中そんなに甘くないのが現実なのである。


「いや、奴が力を与えた堕落した神々とは別物と考えてもらった方がいい」


 俺からの質問が自分に対してものだと分かったのかすぐに返答した。


 マジか、つまりそいつの取り巻きも倒さないといけないっていうことかよ。日本でいうところの暴力団が凶神組で、それに対抗する日本の警察が俺達っていうことか。ただし、バトルロワイヤルだがな。


「つまりは個別破壊ってことか?」


「あぁその通りだ」


 俺は最後に確認のつもりでオズウェルにあることを訊く。


「一応聞くが......俺達はあんたの弟を倒すかもしれないが、それでいいのか?」


 だがその問いかけに彼は何の躊躇いもなく、


「俺の弟は禁忌を犯した時に死んだ。今の奴はただの堕落した神々の一人だ」


 ......どうやら意志は固いようだな、といった具合に俺はかなり上から目線で考えた。


「どうやら話はまとまったようじゃな」


 その会話を終始黙って聞いていたオーブリーが口を開くと、


「では、君達に仕事を与える」


 手を組みながら厳かにそう言った。


「仕事って堕落した神々の討伐みたいなもんだろ」


「できれば捕まえてほしいのだが......もしできなければそれも仕方ない」

 

 捕獲ってことは捕獲用麻酔玉だが必要だな、すぐに調合書五冊用意して取り掛からなければならないぞ。


 俺はすぐに行動に移そうとしたがオーブリーが、


「それと仕事はそれだけじゃない」


「......え? まだあんの?」


 緊急クエストは俺とアスナ二人だけでも手一杯なのに、更に追加クエストの発生とか失敗する可能性が高くなるぞ。それにこれ以上仕事を働かされたら、過労で死んでニュースに出るのは確定ガチャである。


 そんな俺の表情を読み取ったのかオーブリーがは安心させるかのような優しい目をすると、


「安心するがよい。仕事は一つだけじゃ」


 なんだよ、持ち上げるタイプかよ安心したわ。どうやらこの会社はホワイト企業認定でいいかな。


「仕事は一つ、それは......」


 その瞬間怒涛の勢いで、


「君達に堕落した神々を相手してもらいながら、ダンジョン攻略をしつつ、さまざまな種族と関わりを持ってもらい、本当に困っている者を助けてもらいたいのじゃ」


 それを聞いて俺は思った。





 一つじゃなくて四つじゃあねえか! と。


「おい! なにが仕事は一つだ! 圧縮するんじゃねえ! ちゃんと解凍しろ!」


 この爺さん注文多すぎなんだよ! 宮沢賢治をちゃんと読んで来い!


 それとホワイトじゃなくて漆黒のブラック企業認定だ! 誰か厚労省呼んできて!


「宮沢賢治は何者じゃ?」


「その質問いらない」


「そ、そうか......では話を進めるぞい」


 俺の冷たい返答に少し元気をなくしたオーブリーだったが、すぐに会議を再開し始める。


「まずダンジョン攻略についてじゃが、堕落した神々はダンジョンに住み着きやすいからじゃ」


「なんで住み着きやすいんだ?」


 たしかにこの部屋みたいだったら俺はエタノールで住み着いてもいいまである......まあそんなわけないか。


「それはダンジョンには魔力の源である大きな魔石というものがあり、彼らはそれを供給しておる可能性が高いからじゃ。後、ダンジョンにはさまざま秘宝が眠っておるから一石二鳥というわけじゃ」


 魔石に秘宝か~......よく分からん! ノーコメントで!


「次にさまざまの種族と関りを持つというのは=本当に困っている者に繋がるからじゃ」


「どういうことだ?」


 ここを出たら一応は魔大陸とか目指しながら当てもなく彷徨う、つまり流浪の民になる予定なのでそのことについてはノープロブレムである。しかしオーブリーがそう言う必要性が思いつかない。


「先ほど述べた通り、凶神の願いはこの世の絶望じゃ。だからその部下や仲間になった堕落した神々が何か仕出かす可能性が高いからじゃ」


 なるほど、だから様々な種族と繋がって凶神の手先が何か仕出かすのを見つけろってことか。なんか工作員みたいだな、一応内部に奴の手先がいる可能性があるっていうのも視野に入れておくか。


「分かった、何が言いたいかは概ね理解した」


「そうかそうか、それは良かった」


 オーブリーは話を言い終わったのか安堵した様子だったが残念、俺からの話は終わってはいない。


「ところで、こんだけ仕事をやらせるんだからあるんだろうな?......あれは」


「ん? あれとは?」


 オーブリーはそれに首を傾けるだけである。


 上に立つものとしては、知っておかなければないことだろ。まったくこれだからブラックは嫌いなんだよ。


 なので俺は新人会社員になりきると、


「給料と雇用保険と労災保険だよ」


 


 

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