進路
俺のポケモンになったアスナが死教に入信したので、スターテスを見てみると......。
名前:サカイ アスナ
年齢:21歳
種族:人族
天職:元勇者
レベル:214
体力:12200 (+3000)(+2000)
攻撃:12200 (+3000)(+2000)
防御:12200 (+3000)(+2000)
俊敏:12200 (+3000)(+2000)
魔力:12200 (+3000)(+2000)
魔抗:12200 (+3000)(+2000)
知力:12200 (+3000)(+2000)
運:2000 (+3000)(+2000)
スキル:聖竜 四龍 流星群 神速剣 治癒魔法 召喚魔法 限界突破 言語理解 鑑定 etc......
称号:異世界人 召喚されし者 英雄 超越者 絶望者 死神の加護 魔人の友
よし! 実験成功! これはノーベル化学賞並みの成果である、しょ賞金ほ欲しいんだな。俺は山下清かっ。
「やることはだいたい終わったな。次にだ、この後どうするかが問題だ」
「どうするかとは?」
可愛く首を傾げるアスナ、だが俺はすでにこの子の本性を知っているのでまったくなびかん! すでに意識しちゃってるーー!
人より若干意識が高い俺は慌てず冷静に平常心を持ち、そしてフリジディティーを意識することにして、それに答えてあげることにした。
「そのままの意味だ。この後ダンジョンの攻略をコンテニュー、オアーリターンするかだ」
「ん? あぁなるほど、分かりました」
意識が若干高くなったので変な言葉が出でしまった、なのでアスナも若干訝しそうな目をして「こいつ何言ってんだ? 舐めてんのか?」と言いたげな表情をしている......えっ?
「しかし、私的にはこのまま攻略を続けた方がいいかと」
「ほー。では、その心は?」
少し心配になりつつも俺はなぞかけの形式に従ってアスナに訊いてみた。
「このままダンジョンを出るとユウト様はお仲間に遭遇する可能性があり、遭遇した際、ユウト様の高野豆腐が潰れる可能性があるかと」
「くそっ! そのことを忘れていた。でも待てよ。なんでそれでダンジョン攻略を続ける理由になるんだ?」
的確な指摘だなおい、やはり伊達に白いブラックサンダーを名乗っていないな......てかなんか気になるワードが混入していないか?
ていうかなぜ俺の高野豆腐を知っているんだ?」
なんでこのこと知ってんだ? 俺口に出してねえよ、そう思って訊いてみたのだが......。
「それはですね、以前あるチームがダンジョンを攻略した際、そのまま地上に転送させられたのです。それもランダムで」
なるほど、無視された......虫だけに......ふーここんところ冷えるなあ~、ばあさんや、火を起こしてくれ。
ばあさんに火を起こしてもらったおかげでなんとか立ち直ることに成功した。まあアスナの言い分もたしかに納得できるものだ。
「いい案だな。アスナ、お主も悪よのう」
「いえいえ、お代官様ほどでは」
そんな現代人には分かるやり取りをした。
「よし! んじゃ後は出発するだけなんだが、ぶっちゃけ俺のスターテスって通用すると思う?」
「ん~ユウト様お一人なら危険でしょうが、私もいるので大丈夫かと。それにケガをしても私の治癒魔法でどうにかできますし」
どうやら俺は心強い仲間を手に入れたようだな。そのおかげなのか何となくだがマサラタウンのサトシ君の気持ちも理解することができた。相棒いるってなんかいいね! ツイートしとかないとな。
「そういえばアスナって武器使うのか? 見当たらないけど......」
先ほどから気になっていたのだが、アスナがこれでも元勇者だ。だがぱっと見どこにも武器と呼べるものを身に付けていなように見える。あっ、一応常備装備している奴はあるわ......豆腐クラッシャー口である『*ただし対象は俺に限る』。
「あ! そういえばまだ出していませんでしたね」
ちょっと心配になっていると、それに気が付いていないアスナがそう言うと突然彼女に周りに魔力の気配を感じ始める。
「召喚魔法、神剣セレーネ!」
そして彼女の足元に白い魔法陣とその光が周囲を照らし、何とか目を開けてその光景を見ていると、その魔法陣から一本の見事な剣が生えるようにその姿を現したのだ。
その剣を一言で表すなら月である。
刀身は150センチメートル、刀全体が純白の白、その刃には一筋の黒い線が入っている。
それを見た瞬間、俺の持つ黒刀と対になるような武器だと思ってしまった。
「これが何本かある神剣の中で一番のお気に入りですかね」
俺の様子など露知らずアスナは機嫌良くそう言っている。
後になって知ったのだが、剣にはランクがあるそうだ。
上級:一般兵士が使用するレベル。
特級:王の護衛騎士が使用するレベル。
王級:騎士団団長レベルが使用するレベル。
伝説級:国宝になるレベル。
神話級:世界に十本ほどしかないと言われている。
創造級:存在するのか不明。
「ちなみにユウト様も武器をお持ちで?」
「あ、あぁ持ってるぞ。黒刀!」
俺の影から黒刀が出てきた。うん、出る時の迫力はあんまないけど、かっこよさでは引けを取らない......つまり互角、なはず!
「おー! 珍しいスキルですね。以前そのようなスキルを使っていた人を見たことがありますよ」
アスナのセレーネちゃんと俺の黒刀ちゃんどちらがすごいか心の中で審査していると、俺の黒刀を出現の仕方を見てアスナが少し驚くようにしていったのを俺は聞き逃さなかった。
「おい! それってどこで見たんだ!?」
「えっ!?」
そんな俺の変貌の速さに驚くアスナであったが、すぐにそのこと思い出すかのように考え始めた。
「えっとですね~たしか魔大陸で使っていた人を見たことがあるような......」
なるほど、魔大陸か。
たしかにあそこならユーリシア国の情報圏外だから暗黒魔術師の天職者もいるかもしれないな。
「あの~、それがどうかしたんですか?」
「ん? あ~そう言えば教えてなかったな俺の天職」
そう言って俺はアスナに俺の天職である暗黒魔術師について話した。
「たしかにあそこなら未知の天職があってもおかしくありませんね」
聞き終わった後アスナもどうやらアスナも俺と同意見のようだ。
「決まりだな。このダンジョンを攻略し終えたら、可能性のある魔大陸に向かおう」
「分かりました」
これで進路も決まった。
「では、これからダンジョン攻略を開始する。準備はいいかアスナ?」
「問題ありません。ユウト様」
「よし! 出発するぞ!」
この日から約三か月後、世界最古のダンジョンと呼ばれた神の箱庭が攻略されて世間を騒がせ、さらに攻略者が見つからないと話題になるのは、まだ先の話だ。