保健体育
発表を始める前に2つお願いがあります。まず、発表中にする質問の答えがレジュメに書いてあるので2ページめは見ないようにしてください。次に、行動のパターンについて説明しますが、あくまで傾向があるということを考慮しつつ聞いてください。
では、発表に移りたいと思います。
誰しも異性と関わる中で考え方や話をする内容、友達との関わり方などで男女の違いを感じることがあると思います。私達はそのような男女間の行動の違いは脳の構造の違いによるものなのではないかと思い、男性脳と女性脳について本、DVD、インターネットを使って調べました。
突然ですが、自分の右手の人差し指と薬指を見てください。注目して欲しいのは長さの違いで、なるべく指がまっすぐになるようにして比べてください。○○さんどうでしたか?全体に聞きます。薬指の方が長い人〜?同じくらいか人差し指の方が長い人〜?ありがとうございます。
これは、イギリスの心理学者、ジョン・マニングを中心に行われた研究で、一般的に胎児のときにテストステロンという男性ホルモンを大量に浴びた場合薬指が長く男性脳タイプで、そうでない場合は女性脳タイプになるということが分かっています。
つまり、先に手を上げた人は男性脳で、後にあげた人は女性脳です。実際の性別と違う人がいると思いますが、性別と同じ脳性を持つとは限らず男性の15%が女性脳を持ち、女性の10%は男性脳を持っています。
自分の脳性が分かったところで次の質問に行きたいと思います。
あなたが恋人からワインを買ってきてと頼まれたらどうしますか。買いにいかないという選択肢以外で自分だったらどうするか考えてみてください。
色んなパターンがあると思いますが、こちらの都合上
言われたことを忠実にこなしワインのみを買う。気を利かせワイン以外のものも買う。の二択のうち自分の考えた行動と近い方に手を上げてください。
ありがとうございます。
ワインのみを買うのは男性脳の人に見られる行動で、理屈で行動をするという傾向があります。一方ワイン以外のものも買うのは女性脳の人に見られる行動で、感覚で行動をする傾向があります。
この行動の違いは脳にある脳梁という神経繊維の束の太さが関係しています。
脳梁というのは、左右の大脳半球を繋いで左脳と右脳の情報交換の架け橋となるところです。
ちなみに、左脳は論理的思考の働き、右脳は感覚的思考の働きをします。
男性の脳梁は細く、左脳と右脳の連携がやや不得意で論理的思考と感覚的思考が別々に働くことが多いです。そして、会話をする際には左脳の倫理的思考が優先し、理論立てて筋道の通った会話をします。また、倫理的思考から目的を達成することを第一に考える為、感情など余分な情報を含めず必要事項のみをこなすことが多いです。
よって男性脳は「論理型」と言え、さっきの質問に置き換えると「ワインがなく、必要だから買う」という発想をします。
女性の脳梁は男性と比べて太く断面積も大きいです。よって左脳と右脳を同時に働かせることが出来、話をする際に両方を活性化させて会話をします。女性同士の会話を見てみると話が脱線したり会話の途中で感情が湧き出てきたりとまとまりのない場面があると思いますが、これは必要事項以外のことも次々と思いついてしまうからです。
よって女性脳は「感情型」と言え、「ワインがなく、必要だから買う」という発想と共に、右脳の働きにより「おつまみがあれば嬉しいかも」とワイン以外のものも買うという行動にでます。
どちらが悪いというわけではありませんが、この思考方法の違いは「言われなきゃ分からない男、言わなくても分かって欲しい女」というすれ違いをしばしば生み出します。そして、「男は気が利かない」「女は面倒臭いいきものだ」というイメージが定着してしまうのです。
ここですこし脳梁以外の脳の違いを説明していきたいと思います。
まず、脳の重さですが
成人男性は1350g〜1500g
成人女性は1200g〜1250gと男性の方が重いです。なお体重との相関関係はありません。
次に海馬の違いです。
海馬は大脳辺縁系にある記憶に関係する器官で、女性の方が大きいです。女性の海馬は感情を司る視床下部とのつながりが強く、感情と過去の出来事を結びつけることで男性よりより多くの情報を記憶しています。
次に扁桃体の違いです。
扁桃体は大脳辺縁系にある外界の刺激に反応し、恐怖や好き嫌いなどの感情を作り出す器官で、男性の方が大きいです。特に生命の維持に関わる危険に対する不安など、ネガティブな感情の記憶に関与します。男性は恐怖などのストレスを感じるとアドレナリンの影響を受けやすくなり怒りの感情へと変化しやすいです。その為時に攻撃的になってしまうことがあります。
最後に空間認知能力の違いです。
空間認知能力は男性の方が高く、地図や設計図などを立体的に把握する立体的観察能力に優れています。
これは数百年前の狩猟時代、男性は狩猟の役割を担い獲物の後をつけても家に帰れるよう方角を瞬時に判断する必要があり、発達したと言われています。
それでは脳の構造の違いを知ったところで、最後にもうひとつ質問をしたいと思います。
自分が落ち込んでいるときにどうして欲しいか、考えてみてください。
色んなパターンがあると思いますが、こちらの都合上そっとしておいて欲しい。話を聞いて欲しい。の二択のうち自分の考えに近い方に手を上げてください。
これは求めるものの違いを表しています。
男性脳の人は一人の時間を必要とするためそっとしておいて欲しいと思う人が多いです、一方女性脳は共感を求めるため話を聞いて欲しい人が多いです。
男性脳の人は、自分一人で考えて自分で納得して立ち直りたいと考える傾向が強く、下手に励ますと帰ってプライドを傷つけてしまうことがあります。よって男性脳の人を励ましたい時は少し時間をおいてから声をかけるのがベストです。
一方女性脳は話すことでストレスを発散させ感情を安定させようとする傾向が強いです。女性脳は男性脳に比べ共感を強く求めるので話すことによって自分の気持ちを分かってもらおうとします。女性脳の人を励ましたい時は話を聞いて共感してあげるのがベストです。
効果的に人を励ますには、相手が何を求めているかを認識することが最も重要で自分が落ち込んだときにして欲しいことと他人がして欲しいことはと同じだとは限らないことを考慮することが大切です。
最後に、私達はこのテーマについて調べることで異性との考え方や行動の違いは脳の構造の違いが大きく関わっていることが分かりました。もちろん人には人それぞれの性格があり性別や脳性が同じだからといってまったく同じ行動をとるとは思っていません。しかし日常生活で感じてわかるように男女の行動の傾向の違いはあると思います。
行動の傾向や考え方の違いが前もって分かっていれば、すれ違いが生じたときに各々の性格にだけ問題があるのではなく、もっと根本的な違いがあるということをわかっていれば仕方がないかと互いの許容につなげることが出来るのではないかと思います。
人間関係は生きていく中で切っても切れないものなので今回得られた知識が今後の生活に役立つ機会があれば嬉しいです。