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日本の魔王は異世界でも魔王だったようです  作者: 森田季節


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10話 魔王、決闘をする2

日間、34位ありがとうございます! 自分の中の最高位を更新しました! これからも頑張ります!

「では、決闘はじめ!」


 シエナさんが手を振り下ろす。


 さてと、あまり剣で切られたくないから武術寄りの奴からつぶそう。


 鉄球を振るってる奴にするか。

 名称はモーニングスターだったっけ。


 そいつに駆けるようにして接近。


「殺されにきやがったな! 死ねえ!」


 男がモーニングスターを顔に叩きつけてきた。


 なので、


 手で地面に叩き落した。


 ずしん、とモーニングスターが地面にめりこむ。


「へっ?」


 理解できない顔だな。


 うん、理解しなくてもいいよ。

 教える気もないし。


 俺は男の片手をとると、ぶんぶん自分も回転しながらまわした。

 円盤投げの感覚だ。


「うあああっ! うわあああああっ! 腕がああああっ!」

 男の悲鳴だけでなく、観客の驚きの声も聞こえる。


 せっかくなので近くの敵2人も回転する男に巻き込んでやるか。


「うあああ! 寄るな!」「こっち来んなっ!」

 なんで、こいつらされたら嫌なことを言うんだ。

 戦闘なんだから、それをやるに決まってるのに。


 バギィッ! ボグゥッ!


 足が連中の頭にヒットして、2人KO。

 ちゃんと側頭部を蹴るように当てた。


 じゃあ、もうこいつは用済みだな。


 ぽいっと遠くの建物の壁面に向けて投げつける。


 壁に激突した男はそのままずるずる壁から沈むように落ちて倒れた。


 あと、7人か。


「クソ! 素人じゃねえのかよ!」

 ほかの奴が鋼の剣を持って、振り下ろしてくる。


 武術してるって言ったじゃん! 人の話、聞いてないのかよ!


 その剣も手で叩き落す。

 左手でそいつ自身も振り払う。


 男の骨が何本か折れたらしく、腕を押さえてのたうちまわっている。


 残り6人。


 こういうのって半分を過ぎると楽になるのかな。

 バンドでアルバム作る時も11曲入りなら、5、6曲決まると、あとは楽なんだよね。


 そろそろ連中も何かおかしいと気づいたらしい。

 今度は3人同時に攻めてきた。


 うん、戦闘の基本だ。こいつらも冒険者だからそういうことはわかってる。


 心得があっても、同時にかかられるとなかなかつらいものだ。


 けど、これだけ実力差があると無理だわ。


 俺はさっとしゃがむと一人の足をつかむ。

 あとはそいつを回して、また残りの奴を巻きこむ。


「うあああっ! 「ひいいぃ!」


 声までザコっぽくしなくてもいいのに。

 敵の一人がナイフを落としたんで、倒れてる間に足をザクザクと何度かずつ刺した。


 ついでに軽く足も蹴って、折っておく。


 体を使えなきゃ非道なこともできんだろう。


「あと3人か」


 俺は最初、威勢のよかった男――通称ゴローに目をやる。

 おそらくこいつがゴロツキのリーダー格なのだろう。


「くっ……上級者かよ……。そんなふうには全然見えなかったのによ……」


 こいつもザコとはいえ冒険者だしな。

 さすがにいいかげん能力がわかってきたか。


 まあ、でないと、ダンジョンですぐに死んじゃうよな。

 勝てないモンスターに突っこんだりすると、それだけで死ぬから。


「命乞いでもしたほうがいいんじゃないか。もう勝負はついたようなもんだろ」


「おい、お前ら、女のほうを狙うぞ! 女を人質にすれば勝てる!」


 なるほどな。クズな作戦だけど、作戦としては悪くない。


 でも、見苦しい。


 連中がザフィーラの元へ殺到する。


「あの、魔法を使っていいですか?」


 たしかにザフィーラが狙われるという想定がなかった。


 でも、ヘルファイアだと絶対あいつら焼死するよな。

 肉体って全身の半分も火傷したらもう死ぬしかないはずなのだ。


「殺さずにすむ魔法はあるか?」


 ザフィーラはちょっとがっかりした顔になる。

 焼き殺せるチャンス到来と思ってたのか!


「な……なくはないです!」


「じゃあ、それで!」


 こくんとザフィーラはうなずき、目を閉じて詠唱をはじめる。


 空気がそれだけで変わる。


 そして、再び目を見開くと――


「風よ、敵の肌で踊れ! ストームバインド!」


 つむじ風が近づいていた男たちの身を切り刻んでいく。

 3人とも、血で体が赤く染まっていく。


「うぎゃああ!」「いてええ!」「死ぬうううう!」


 血が出ているせいでパニックにはなっているが、これは皮膚を小さく切るだけなので、傷自体は浅い。致命傷ってことはないだろう。


 たしかに死なないように、かつ、出血で戦意を失わせることができるので、ちょうどいい魔法のチョイスだ。


 けど、まだザフィーラのストレスはたまったままだった。


 ザフィーラは目の色を変えて、ロッドをつかむと――


「物理で殴ります!」


 男たちの頭をぶっ叩いていった。

 バゴッ! ドグッ!


 魔女とはいえ、そこいらの冒険者よりは攻撃力も高い。


 最後にゴローが残った。

「こ、こうさ――」

「降参の前に殴ります!」


 ゴローが血だらけのまま倒れて、全員が戦闘不能になった。


 審判のシエナさんは状況がつかめてないのか、しばらくぽかんとしていたが、


「あ、審判さん、こっちの勝ちですよね?」


「あ……すいません! この勝負、ここまで!」


 手を高々と挙げて、こちらの勝利を宣言してくれた。

次回は本日のかなり遅い時間か、日が替わる頃の更新になるかもしれません。

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