先輩
この作品は牧田紗矢乃さま主催の【第二回・文章×絵企画】の参加作品です。
太郎(http://9610.mitemin.net/)様のイラストに文章をつけせていただきました。
「ヤっ、やっぱりっ、似合わないよねッ!?」
うん。涙目な上目遣いグッド!
「うん。」
スカートの裾なんか握っちゃって。
可愛いなぁもう。
「──似合う似合う。」
チョー頭なでたい。
「なにその間は?!?」
キョドってる。
でももちろん、先輩の生物学的性別は、男。
「似合いすぎて……」
コワイわ。
先輩の破壊力半端ネェ。
「な、何っ!? その続き何!?」
イイ。
この慌てっぷり。
なんか小動物的なアレだよ。
「似合いすぎて言葉を失いそうです。」
女じゃないけど母性本能くすぐられそうだよ。
いや、無いケド。
「真顔で言われても……」
「これが僕の素の顔ですよー。先輩」
なぜか表情にでないだけで、ワザトじゃないから変えらんないよ。
あ、そだ。
「ちょっと出かけませんか?」
端から見ればデートに見えるんじゃ?
「えっ──こ、この格好で?」
「ええ。もちろんです」
そうじゃなきゃ意味ないから。
「うぅ〜〜〜っ」
迷ってる迷ってる。
恥ずかしがってんのかなー?
でもそーゆー反応が誤解とか助長させるんだけどー。
「大丈夫。違和感皆無です。」
「それが問題なんだ!!」
涙目で叫ばれても怖くなぁーい♪
先輩は僕より3つ年上だが、年齢にみあわず小柄で童顔。それに加えて今は制服姿だ。
某バーガー系チェーン店のバイトの女性用の。
服は今日はバイトが休みな妹に僕がちょっと借りてきた。
「うぅうううぅ〜〜──……」




