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今の話

薄暗い。それが『今』いる場所についての感想だった。試しに腕を動かしてみる。何の抵抗もなく動けた。


(特に行動を制限されている様子はない、か…それとも、絶対に逃げられないという自信があるのか?だから拘束されていない?)


目的が見えないーー男はそう思案した。次期里長と呼び声の高かった自分を浚うなど、並の腕ではない。そう、少なくとも彼奴程度でなければーーー。

そこまで考え男は心中眉をひそめた。里を出るきっかけとなったある人物との出会いを思い出したからだった。井の中の蛙であった己など、可能ならば抹消したい過去だ。あの程度で里一番の実力者?笑わせる。思い上がった自分を殴れるものなら殴り飛ばしてしまいたい。


(いかん、思考が逸れた)


昔の己はどうでもいい、今は状況把握と、誰が自分をここに連れて来るよう命じたかである。記憶を整理しよう。


(…何故だろう、戦場で倒れて止めを刺された場面が浮かんでくるんだが)


あれは恐らく同業者だろう。金で雇われたのだろうか、報告にはなかった顔だ。中々の腕前だったがーーー


(彼奴ほどではなかった。彼奴は一撃で仕留める。何度も切り刻むなど面倒なやり方はせん)


共に仕事をこなした時の、あの鮮やかな手腕。今思い出しても惚れ惚れする。あれを見て以来、どうも男は自分の技術が拙く思えて仕方なかった。


(違う、こんなことを考えている場合ではない。そう、俺は戦場で刺されてーー)


その時だった。男は突然、それまでいた薄暗い空間から放り出されーーー



******



オギャア オギャア オギャア


「元気な男の子ですよ!」

「ああ、赤ちゃん、私の赤ちゃん…」


ーーー無事、産まれたのだった。


オギャア?! オギャア!

(なんだこれ?!どこだここ!)



次回、主人公が運命の出会いを果たす!

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