1/5
昔の話
筆者は戦国時代に詳しくありません。というか戦国時代ほとんどでてこない予定です。それでもいいという方、どうぞ。
昔々、世がまだ戦国と呼ばれていた頃のこと。あるところに国があった。周りを大国に囲まれた土地でありながら、一切引けを取らずに渡りあった国が。
兵が強かったわけではない。取引できる資源があったわけではない。だがその国を探ろうと差し向けられた間者が自国へ戻ることはなく、むしろ敵国へ情報が流れる始末。時には戦が勃発することもあった。
そんなことが何度も起これば気がつく者もいる。『何者かが、戦が起こるよう誘導している』と。
ではその『何者』とは誰か?周囲を大国に囲まれていながら、一度として巻き込まれたことのない国。名を『狭間国』。そう、彼の国の強さとは、優秀な諜報員ーーー忍がいることだった。
(ーーで、他称『優秀な忍』の俺は今、どこにいるんだ?)