君の名はラフレシアン。
新キャラ出てきます。メシア君の彼女登場。メシア君目線です。
「メシアのバカぁっ!!!」
と怒られるとか、
「メシアの浮気者…!」となじられたり、
「メシア、いい加減にして!」とキレられたり、
最悪の場合、泣かれたら…何て考えていた。
目を開ければ、「あ、起きた?」と言う声を聴き、ティアナさんなら、レアがもし浮気をしかけたならどう言う?と考えたけれど、目の前にいるのは他の女性。拍子抜けした。
恐らくティアナさんが見かねて…想像がついた。
俺の彼女は、ラフレシアン、長いので通称シアンとみんな呼ぶ。気が付いたらタクシーはシアンと同じ家路についた。
「いつっ」
「寝てなって」
ニッコリ微笑むと毛布を掛けて、迎えに居酒屋まで来てくれたんだなと思う。俺は女の子じゃないし、本来なら、この扱いはプライドが許せないし、嫌みや強がりを言ってしまうところ。
早目の二日酔いで頭がガンガンと痛む。
「不思議なんだよな…シアンと居ると、落ち着くんだ。何でかねぇ」
「何それ。
―あ、よっかかるのはいいけど、吐くなよ?タクシーの運ちゃんが泣くよ」
ビシビシっと言われるのが心地よい。
男前で大らかで器量が良く、美人。実は、彼女は告白してきてかなりの長いお付き合いだ。数年はもう経つ。それでも、ティアナを諦めきれない俺によく愛想を付かないものだ。
カノジョ、シアンが言うには、ティアナは、もう私の妹同然だし、今度結婚するんでしょ?不倫だけは辞めな!と手を近づけてきた。顔を叩かれると思い、小さく目を瞑れば、「好きよ」と唇にちゅっとキスを啄んだ。
なんだかんだ言って、ティアナさんの前で恰好つけて苛めてしまう自分が小学生並の桜のように散るようなもう諦めがつかないだけで、彼女はとっくに、彼。
その事実を認めたくない、矮小な自分。
ティアナさんをお姫様みたいな女性を想像して迫れば、俺だって特別な何かになれた気分になる。ぐるぐるそんな事を考えれば、シアンには見透かされ、「はいはい、無駄な恋は辞めて。…私だけを見て」そう耳元で囁かれると、シアンは寂しそうな目で「やだから」とだけ呟く。
それが可愛くて…やっぱり甘えてしまうのだけども、シアンが大事で裏切りたくないと願う。
レアさんに負けてるわけじゃないけどね!
いつか一泡吹かす!
後、レアとティアナのその後の様子で第2章は終わりです。お待たせしました!次書く章があるなら、クレハの今の事情を書きたいです。