レアの起死回生。
あれから、月日が過ぎました。レア目線です。
「手紙?」
もう中年なのだから、と就いたまともな仕事は苦労ばかりで、友人は少しだけども出来た。段々社会に馴染んでく自分、ティアナはどうしてるだろう?あれから、俺は塾の講師をしながら、学校の教員免許を持っていたので、学校の教師になった。ティアナは今は綺麗な美人になって…などと考えていたら、その後本人から数年ぶりに手紙が届いた。
「この間はごめんなさいから始まり、延々と思いつく言葉に、まだ貴方が好きです。そんなことを思う。
レアはいい男なんかじゃないと思う。そんな私だけども、少し前まで貴方しか輝いて見えなかったの。
それって=恋だと思う。
でも、違う、今の私の感情にあるのは、綺麗な幼心にしていた初恋なんかではなく、別の気持ち。母親が息子を見るようなものとも違うし、出来の悪い弟をからかう気持ちでもない。
貴方は、クレハさんが今でも好きですか?
それとも、私に少しでも気持ちがあったかな?
そう聞きたい気持ちをそっと紙に詰めて、貴方に送る。
もう会わないと貴方に酷い事を言ったね。
この手紙を書く頃には私は看護婦として研修が始まった頃です。
貴方に会って、メシア君がお医者様になり、人の尊さを学びました。
結婚式には、来て下さい。
この手紙をずっと書き溜めてました。貴方が心配でした。大好きです。
恋でないけれど、ずっと貴方を見守っています。貴方がいつのひか誰かと結婚したときには、その女性を愛し、貫き通し同じ事だけはしないで下さい」
「ティアナ、貴方は許してくれますか?」
とだけ書いた。結婚式の招待状付きの手紙にそう書くことだけが許されたことのような気がしたから。
そうすると、変えなかった住所に手紙が届いた。
「貴方を許します。」
返事が返ってきただけで、嬉しいのに…彼女は結婚してしまう。本当にいいのか?それでいいのか?
許してくれたティアナに…
「もう一度好きって言って玉砕したい」
言葉に出して決意を心と喉と胸と頭に刻む。
結婚式に出席して、正直に最後の気持ちをぶつけよう。温かくなった桜並木。結婚式は5月、あれから何度目の季節が巡り、俺はおじさんになりはてた。彼女が好きな気持ちは変わらないよ。
貴方はウェディング姿が眩しいぐらい似合うんだろうな。
世界で一番綺麗だよと囁くのは、メシアなのか誰なのか?そんなことをぼんやり考えながら、テストの採点に追われた。
結婚式は誰でしょう?もうすぐ数回で終わりの予定です。