表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
貴方は許してくれますか?  作者: 丹
貴方と会えたから。
13/24

愛しい貴方に隠し事。言わなくちゃ行けないの

とうとう、ティアナを巡って3角関係勃発!



貴方が愛おしい。





「ティアナさん!」

そう言われてはっとする。


「…あ、ご、ごめん」

メシアはため息をついて、じっとティアナを観る。


二人がいたのは喫茶店。


いつも最近勉強ばかりしているメシアの気遣いからここに来た。


「…メシア君にはいつも断って悪かったね」

「すいません、チョコレートアイスパフェとフレンチトースト一枚」

無視したのか声が小さすぎて聞こえなかったのか分からない。


メシア君はフレンチトーストを美味しそうに頬張ると、よく分からない話をした。


「そこのパフェ上だけ食べてご覧」

アイスとブラウニー、キャラメルのかかったビスケット、甘い。

それを全部食べた後、下に苦いコーヒーゼリーがあるのに気付いた。

どうしてこんな嫌がらせするんだろうと、ティアナは思わずむすっとした顔をした。


「…レアさんはさ、コーヒーゼリーなんじゃないか?」

「え?」


「甘い物<ティアナさん>とコーヒーゼリー<レア>食べると美味しいよね?」

ふとまた不思議なペースに巻き込まれてる。


「ティアナさんは例えると、レアさんを包み込む存在。それにつけ込むレア、本当図々しいね」

「…!そんな事ないもん!!」

ティアナは思わずかっとなって大声で叫ぶと立ち上がる。

みんなこっちを観ていたが、メシアは平然としていた。


まるでその態度が予想がついたみたいに。


恥ずかしくなって慌てて座る。


「俺はここのハニートーストみたいじゃないか?味が染みてない所が」

「メシア君!失礼だよ!!」


そんな会話はさておき、何が言いたいのかが気になる。


「俺はお人好しでも極悪でもここの甘くない<ハニートースト>でもないよ。…レアさんに会ったんだ」

「え…」

メシアに言われてティアナはまず口づけしたことを言われてないか気になった。


「勿論キスしたのは言わなかった。」


ほっとする。レアから貰った香水の匂いに安心する。




ドラマの中の話だと思っていた。


「レアさん、俺が今ここに呼んだから」


思考がフリーズする。


レアに後ろめたい気持ちで会えない。それをメシアは分かってるはずなのに。


「…ティアナ」

「レア」


二人は見つめ合う。変わらないレアの笑顔。ティアナはぎこちなく笑う。


「…レアさん、ティアナさんから言って貰っていいですか?」

「…何かあったのか?」


そう促すメシアに弱々しいレア。


「…言えないよ…メシア君もレアも嫌い、大嫌い!」

ティアナは逃げ去ろうとする。その時、


「俺はティアナが好きだ!!」


その一言に振り返る。


さすがのメシアもこれにはびっくりしていた。


続けてメシアも言う。


「俺だって…ずっとティアナさんが好きだったんだ!」


二人はにらみ合うと、喧嘩を始めてしまった。


「…ガキは引っ込んでろよ」

「…五月蠅いな、子供なのはどっちだよ!」

そう言うと、しゅっと風の靡く音がして、レアのパンチがメシアの腹にヒットする。

がくんとうな垂れたメシアを油断したレアに思い切りチョップを食らわす。


「…や、やめ…」


これは店員さんも真面目に困っていた。


外のテラスだったから、道の方にずれて喧嘩を始める。


レアは小さなメシアの首根っこを掴んで、頭突きした。

メシアはその隙に腹にパンチを仕掛けて、側転して後ろに回る。

レアが隙を突かれたと思ったときにはもう遅く、メシアの背面投げが決まる。


「…ぐはっ!」

「…護身術も習っておいてよかった」


嫌味なのか自己満足なのか、メシアは最後の一撃を決めようとしていた。

―レア!


そんな声が血が流れる頭から聞こえる。


愛しいティアナの声。


負けるわけにはいかない。


もう既に一撃は決まりそうで、何でこんなにも間があるのか気になった。


「…ティアナ…さん」

メシアが驚いた声がレアに聞こえる。


そう、メシアはレアを庇ったティアナの腹に一撃を決めてしまったのだ。


「…ぅ、よかった、レアが…無事で…」

苦しそうに腹を押さえてふらふらとレアの方に寄りかかる。


「そんなにその男が大事なのか…」

「うん」

苦しいはずなのに、メシアに何もなかったかのように笑う彼女はまるで天使が舞い降りたようだった。


何もなかった。


それが事実に思えないのはレアの額から流れる血だった。


「メシア君、今日は帰ってくれるかな?」

「……」

「お願いだから、レアと話したいことがあるの」

何も言わないメシアは珍しくむくれた顔で、


「ティアナさん、ごめん、今日は退散するよ」

「ありがとう」

お辞儀をすると、さっさと去って行く。それを観た通行人がざわめいてたのが、一瞬でまた元の通りの雰囲気に戻る。


「…レア、大丈夫…?」

「ティアナ、ティアナ、お願いだから…今だけは抱きしめてくれ」

そうぎゅっと抱き合う。制服に血がついたのは気にならなかった。

はっきりレアに言わなければ、聞かなければ、これからのこと。


ティアナに伝えなくては、この思いを。


二人はそっと寄り添い合い、その風景を気にとめる人はなかった。

眠いので、寝ます~。おやすみなさい。レアとメシア君が会ったところも書きたいですね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ