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貴方は許してくれますか?  作者: 丹
貴方と会えたから。
12/24

あんなヤツ、忘れてしまえ。

今、思う気持ちが交差している。誘惑に打ち勝てない弱い自分。心はジェンガのように崩された。

人恋し、人恋し、


甘美な誘惑は私を包んで、


惑わしてしまう。


ティアナはメシア君とした口づけを思い出して、「あれは夢だったんだ」と思う。


メシア君はそのまま家まで送ると、真顔で「考えて見て、このキスの意味」と謎掛けを出した。


メシア君のペースに巻き込まれてる私。


レア以外の人を愛すなんて出来るの?



人惑わし、酔いしれよ、いっぱいの愛で。


次の日、メシア君は何も言わずに朝迎えに着た。


お母さんに「ティアナもやるわねぇ」と言われ、大変恥ずかしい。


「…あの謎掛けの答え分かった?」

「…え?」

恥じらう私に平然としたメシア君は応えた。


「正しいと思う答えは君が出せばいいんだよ」


メシア君はそう言うと、下駄箱に入ってる手紙を見つけた。


「…あ」

メシア君は悪びれた様子もなく、飄々としてるのに、


この心の靄はなんだろう。


「手紙読んでくれましたか?」

そう言うと、白い長い髪をした女の子が恥ずかしそうに俯いて、メシア君の答えを伺う。


「…ああ、これから読むところだったんだ」

「ちょっと放課後来て貰えませんか?」

…ずきん、胸が痛む。何だろう、これは。レアとは明らかに違う気持ち。


人愛し、隣人を愛す。


私もそうだろうか…。


授業が終わるのをぼーっと聞いていた。


小テスト、先生に当てられての朗読、周りの噂。


ティアナさんってさ、レアって男の人と別れたの?

この間水族館で二人見たけど、レアじゃなくてメシアだったぜ。

メシア君もティアナさんって、お似合いだよね。


どうでもよかった。


そっと唇を手でなぞる。


キス…しちゃったんだ。


顔が赤らみ、自覚する。


この気持ちは、



レアとは違う所でどこか惹かれてるんだ。


あっという間に放課後のチャイムが鳴る。


ティアナは友達に「大丈夫?」と散々聞かれるくらい放心状態だった。


白い長い髪の女の子が廊下を歩いてるのを見た。

それとなく後をつけてしまう。


何やってるんだろう。


案の定お約束の展開だ。


「メシア君私と付き合ってくれませんか?」




メシア君はどうするんだろうか?


「ああ、今興味ないから」

その言葉を聞いて、女の子が泣きながら、こっちへ寄って来る。


その言葉を聞いて、ショックを受けてる私もいる。


キスしたのも、デートに誘ったのも、


ただ単に気まぐれ。


メシアはけろりと何もなかったかのように振り返る。


不味い、隠れなくては。


そう思って、樹の後ろに隠れてる。


「…見えてる」メシアはそう言い放つと、どんどん近づいてくる。

メシアが瞳孔を開いたのは、ティアナの泣き顔がきっかけだった。


「…私、レアが好きだから」

「…それが?」


見透かされてるような気持ちになる。


「本当に本当にレア一人だけ好きで居るから」

「…それが?」


自分だけがこんな気持ちになってると思った。


すると、メシアはもう一度キスをした。


今度は避けられたのに、敢えて避けなかった。



初夏の香り漂う木の下で、


メシアは「好きだ」と語り始めた。


レアはティアナの家庭教師、レアは過去に恋人を殺めて、ティアナに重ねた。


ずっとずっと長い片思いだったよと語り始める。


あの余裕綽々なメシア君が顔を赤らめながら、話している。


答辞で初めてメシアが表彰台から見たのは、可愛い寝顔。


緊張して疲れてしまっただろうか。

それとも馬鹿にしてるのか?


後者なら怒鳴ってやる。


前者だったら、その時は告白しよう。


一目惚れだった。



「レアなんて男忘れてしまえ」


その言葉に、今だけは酔いしれて忘れてしまう。


レア、ごめんね。



数日前、寝ているレアにそっとキスをした。

空回ってる自分の気持ち。いつまで経っても子供扱い。

私は、クレハさんでも何でもない。


私だけ愛してくれる人がいいの。


そう思い、揺れていた私の心はジェンガのように崩された。

今更な貴方は許してくれますか?のタイトルの意味、分かりましたか??

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