1:プロローグ
本編がようやく始まります!
時間をかけて手直ししていますので大丈夫だと思います。
真守は夢を見た。
その夢はあるところに息を切らしながら5歳ほどの男の子が3歳ほどの小さな女の子を強大なものから守っていた。その男の子は腰に帯刀していた木刀を構え攻撃態勢を取る。
強大なものは男の子を覆いかぶさるようにして一撃で仕留めにかかる。
しかし男の子はその攻撃を軽やかに避け背後に回り込み女の子を抱え逃げる。幸いそこは洞窟だったので隠れる場所は腐るほどあった。その男の子は・・・
「兄貴。起きて。」と起こされすやすやと芝生で寝ていた真守が目を覚ます。
真守は「うーん・・・あぁ。おはよう。」と呑気に返事をした。
正直眠たいままである。
「ところでさっきは何の夢を見てたの?」
「ん?ああ・・・」
考える素振りをする。
「忘れた。」
「ためた癖に忘れるんかい。」
呆れて冴花がそう言う。
そんな冴花の反応を見て空を見上げて微笑を顔に浮かべながら真守は呟く。
「・・・懐かしかったな。」
その言葉が掠れたように聞こえ
「なにか言った?」
と聞くも
「何でも無い」
と答えるのだった。
そうして
「兄貴さぁ。今回の旅の目的は何なのさ。」
「故郷に帰る旅だよ。」
「それじゃあ具体的には?」
「そのための今回の旅だよ。」
と頭を手でかきながらあくびをしながら当たり前のことを言う。
「いやその細かい内容を知りたいのだけども。というか結局どうやって故郷に帰るのさ。」
成程、それが聞きたかったのか。
「ん〜・・・まだ決まってない。」
正直なところまだ決めてない。先に決めているのなら旅なんてしない。それはただの旅行だ。
「ええ⁉どうするのさ!」
「無鉄砲はいつもこのことだろ?それにそもそもお前はどうやって故郷に帰る気だ?」
子供を諭す
「そもそも帰り方がわからないんだ。道筋なんて決まるわけ無いだろ?」
「うう・・・それを言われちゃあぐうの音も出ない」
そして俺は冴花との口論戦に勝った。勝利を味わう間もなくいきなり話題が変わる。
「つかさぁ兄貴と私の経歴が異常すぎるんだよだって」
いやそんなことはないだろ。
「いや・・・そんなことはないはずだがな。」
「・・・そう?」
「世界は広いんだ。それくらいいてもおかしかねーだろ。」
「そうね。(これ超える人いるかな?)」
あまり納得している様子ではない。あまり真守の言ったことを信じてはいないようだ。
「そういえば今日名前で呼ばれてない気がするのだけど。冴花って立派な名前があるのに。」
「分かったよ。冴花。」
俺がそう言ったら冴花は「ふふ♪」と言って笑顔を顔に浮かべた。
いいよなぁこういうのんびりした感じ。
「・・・それで出発するの?」
俺はたった一言「ああ。」と答えた。
俺は家からるものを探し始める。そうしてこの世界ではかなり珍しいあるものを物置から引っ張り出した。
「やった!見つかった!」
「これだよこれ」
と言って出てきたのはほこりかぶったかなりのサイズの紙だ。
はたくと正体が分かった。
「これ、地図ね。」
「そうだな。」
「どこでこんな物見つけ出したのよ。」
「世界をぶらぶら歩いているときに見つけた。」
家の真ん中の大きなテーブルにその地図を広げ、覗き込んだ。
「よし今回はここからカーサマジカ国を通るコースで行く。」
と俺が地図に指を突き立てながら話した。
「なるほど・・・でその後は?」
「その場理論DAZE☆」
「何で⁉」
だって何が起こるかわからないしそもそも何するか計画建てれるんなら旅なんてしねーよ。
「え?聞きたい?このしょーもねー話。聞く?」
「(なんかムカつく言い回しだな。)やっぱいい。」
「・・・ま。いつか教えるさ。」
いつか・・・な。
「食料は1ヶ月分用意するぞ。」
どんだけ旅するかわかんねーしな。
「分かった。」
「あと金は8割持ってくぞ」
なにかに使うかもだし。
「残りの2割は?」
「緊急時用と予備と備蓄」
あとなんとなくの気分。
「成程。」
「じゃあ。こっからは作業だ。」
やるかーめんどくせーな。こういうのは苦手なんだけどなぁ。
突然寂しげに冴花が
「この家とも一生のお別れになるのかな・・・はたまた長い間家を空けるだけになるのかは気になるけどね。」
と呟いたから俺は
「今の話だっていつかは笑い話のネタになるくらいバカバカしくなるさ。」
「大丈夫。きっと故郷に行ってきっと帰って来る。」
といいつつその直後に「・・・とと長話だけじゃなく手を動かせ手を。」
と言ってそのまま旅の準備を二人は進めていった。
その後10時間ほどで準備を終えたが、結構時間がかかったので次の日に出発となった。
ちなみに用意した荷物はストレージを使用しているので護身用の武器のみで旅を始めた。