mission:2 現実世界のマドンナ/現実世界の陸上部は鬼すぎる/最強な俺はなんで奴隷になってんだよ!
ついに現実世界に来た彼。
彼の絶望的な未来にご注目!
「大丈夫?来慰?」
目を覚ますと、そこは、寝床と医療器具が置かれたところだった。
「誰だ、、、。」
「何言ってるの!来慰!私は、、、貴方の彼女!」
顔を赤くして知らない女が彼女と言う、、、?悪くないじゃないか。
国王は言っていた。「定年を超えた勇者は、どこか知らない所に飛ばされる」と。どっちにしろ、現実世界の話だ。知らない場所と言う事実に変わりはない。
「そうか、、、俺はどうして気を失った、、、?」
「来慰は、階段から踏み外して転げ落ちちゃったの!」
ふっ。国王様々ではないか!何、階段から転げ落ちての登場、、、実にエリート勇者!
「大丈夫?記憶喪失?」
「大丈夫、、、だ。城はどこだ、、。家に帰る、、。」
速く帰って、何とか異世界に帰還して、妹と弟に任務を伝えなければ、、、。
「城?どこの事だろう?私、ここの街に住んで10年になるけど、見たことないな、、、屋上に登ってみてみる?」
「ああ?」
ちょっと変に感じた。サポートすらないのか?いや、そんなわけない。
「こっちだよ。歩ける?」
ここは、綺麗な所だった。磨かれたガラスに、ピカピカの床、チリ一つない部屋、、、。
「凄い綺麗だな、、、。」
「いまだに?もうっ!可愛いんだから!」
とほっぺをツンツンとつつかれた。悪くないじゃないか。可愛い。
「ここが、屋上か?」
「そうよ。素敵でしょ。」
どこまでも晴れわたった空に、円状の冷たい足水プール、パステルカラーのタイル床、、、さらには、日光浴用のイスまである。豪華だな。
「ここの望遠鏡に、100円入れると、見えるよ。2分半だけ。財布、落としちゃってたみたいだから、今日は奢るね。後で、返してね。」
「ありがとう。」
彼女が100円を投入すると、二分半のカウントダウンと同時に街の景色が見えるようになった。
「どう?城、見えた?あるかな、、、」
「ないっぽい。俺、ここ勘違いしてる?」
「どういうこと?来慰は、ここにずっと住んでるじゃん。それはないよ。」
どうやら、俺はここにずっとすんでる地元民らしい。
「そう、か。」
「じゃ、降りようか。お城は無いみたいだし。しかも、今日は全部活の大会スタメンの発表じゃん!早くいかないと!」
「あっ?わかっ、た、、、。」
「来慰、今日ちょっと変ね。大丈夫?」
「大丈夫だよ。」
「部活、一緒だからいこう!選ばれるといいね!」
「うん。そうだね、、、。」
「でしょ、でしょ!」
「何所部だっけ?」
「大丈夫なの?もうっ!うちらは、陸上部!」
陸、、上。得意だ!大丈夫そうだ。
「得意だから、安心して!」
「うちの陸上部舐めないでよね!そのくらいじゃ無理だし!」
**
「死、、、ぬ、、、。」
「何息切れてるの!行くよ!」
何だこれ?なんで俺が教えられる立場に成ってる?そしてなぜ、俺が、給水係なんだよ!
「何で奴隷になってんだよっ!助けろ、異世界の俺!」
俺の叫びは、彼女の俺を叱る声でかき消された。
如何でした?これからも、見ていて下さいね!