mission:1 勇者を定年退職せよ。/現実世界に転移せよ。
今回のお話は、異世界と現実世界の合体ラブコメディーです!
まずは、読んでみてください!
異世界の星、キング・ジュエラ。
異世界の中の要らない存在を徹底的に消し去り、平和を守ってきた、、、筈だった。
今から二時間前、、、、。
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俺は国王の御呼出しで、国王のお城に行くことになった。
階段を駆け上り、IDを入力。重い扉が無表情の兵士によって開けられる。
「入ってくれたまえ。」
低いトーンの声が聞こえてくる。国王だ。
国王は秘密主義の人間だ。だから、秘書も家族もこの異世界のために捨ててきたのだ。
秘書が居ないほど危険な国王はいない。もっというと、秘書が居ない前例がない。だからこの国には「勇者」という存在が存在する。さあ、今日の依頼はどんな依頼だろうか。
「はい、国王。この度キング・ジュエラ、参りました。」
「ジュエラ君。よく来てくれた。今日は依頼じゃない。」
「はい?」
「今日は、ジュエラ君にこの仕事を国王命令で辞めてもらおうと思ってね。」
「えっ?え?」
整理が追い付かない。俺が何のために仕事を辞める必要がある?
国王はただでさえ危険なのに、守護神の俺がこの世界からいなくなって何の利益があるっていうんだ。不利益しかないのではないか?
「驚いただろう。だがね、もう君は要らない。」
もう、今にでも倒れそうだ。
何と言ったってこれからは国王の命が狙われやすくなる時期だというのに。
「どうしてですか、国王!命の危険を守るのは俺の生涯の役目何です!俺は勇者として生きないと、生きる道がないんです!それ以外の取柄がないんです!」
「そうかね。」
いつまでもすました声だ。それがまた、苛立ちを際立てる。
「何ですか!新しい人材が出来たんですか!俺よりうんと凄い人材が!」
「違う。君よりすごい人材はおらんよ。」
「では、何故です!」
「それはね、ジュエラ君の歳だ。」
「はい?」
「今、ジュエラ君はいくつだ?}
「キング・ジュエラは今、16です。」
「よろしい。定年だな。」
「ふぉい?」
もう、驚きと言うかもう何というか、、、はい?すら言葉にならない。
「この国は16で定年だ。もう君の役目は果たされたんだ。」
「本当に、、?」
「だから、お疲れ様と言うわけだ。」
「嫌です!」
「どうしてだ?」
「もう少し、ここで支えていたいんです!」
「違うんじゃないか?」
「えっ、、?」
「君の父の仇も果たせてない、まだ君には妹と弟がいる。君が今異世界から居なくなると二人も仇も残っているのに。」
「そ、そんな。」
どうしてこんなことを王が知っているんだ!
「だからこそだよ、ジュエラ君。」
「どうしてですか!」
「君の妹と弟は君より有能だ。」
「ふぉい?」
「そして訓練の始まりも早い。となると、妹と弟に仇を任せればいい。」
「どうしてですか!俺が自分で取る仇なんです!」
「駄目だ!それは、我儘だ。妹と弟の成長に繋がる事なんだ。」
「はい、、、。」
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と言うわけで、俺は今から現実世界に戻る。不安しかない。
どんな世界なんだろうか。
扉を開いた先の絶望を、まだ俺は知らなかった。
連載小説です!これからの話も楽しみにしていてください!
【この小説の詳細】
作者:みーらん。
二次創作ではありません。
この物語は、実際の人物、団体と一切関係ありません。
空想の物語です。
全話転載厳禁です。一部、全ての転載を許可しません。